国鉄10万筆署名を完全達成し 6・8全国集会に大結集しよう

週刊『前進』10頁(2630号02面01)(2014/04/28)


国鉄10万筆署名を完全達成し
6・8全国集会に大結集しよう


 国鉄闘争全国運動が呼びかける6・8全国集会(6月8日午後1時から、東京・文京シビックホール)は、日本労働者階級の未来をかけた「解雇撤回」の集会だ。この集会までに解雇撤回・JR復帰の10万筆署名をなんとしても達成しよう。10万筆の署名を集めきれば、それは安倍政権の改憲と戦争、首切り自由と総非正規職化の攻撃を打ち砕き、政権そのものを打倒する大きな力になる。闘う労働運動の復権へ、署名運動をさらに力強く推進し、6・8集会に大結集しよう。

鈴コン分会の勝利に続き解雇撤回へ

 東京地裁で4月16日、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会が解雇無効の勝利判決をかちとった。3カ月雇用の非正規の生コン労働者が団結を維持し抜き、過去に組合をつぶした経験を持つ資本との熾烈(しれつ)な攻防に勝利したのだ。これは日本労働運動史における画期的・歴史的な勝利だ。時代は大きく変わり始めた。
 何より強調したいのは、鈴コン分会は少数から出発しながらその団結を守り抜き、職場と地域、全国に団結を拡大して勝利の力としたことである。総評解散―連合結成以後、解雇撤回争議への支援を組織することが著しく困難になったことを考えれば、鈴コン分会が職場・地域で、そして全国に訴えて団結を拡大し、その力で解雇撤回をもぎり取ったことの意義は語るに尽くせない。
 労働者は、鈴コン分会のように闘い、勝利することができるのだ。これは労働運動の復権に向けて巨大なインパクトを与える。
 鈴コン労働者の団結の拡大とストライキに追い詰められた鈴コン資本は2011年11月、分会三役の解雇に踏み切った。百パーセント不当解雇であることははっきりしていた。問題は労働者が団結を維持し拡大できるかどうかだった。鈴コン分会は鮮やかに、そして感動的にその団結を守り抜き、発展させて、見事に勝利したのだ。
 労働者が団結を守り抜くことができるなら、必ず勝利できる。マルクス主義と階級闘争の根本思想を労働者階級の手に取り戻した歴史的な勝利だ。この勝利の意義を一人でも多くの労働者に届けよう。
 国鉄1047名解雇をめぐる裁判で昨年9月25日、東京高裁が不当労働行為を明確に認定した。一審判決に続く高裁での不当労働行為の認定は、〈国鉄分割・民営化における解雇は間違いであった〉ことを認めさせる画期的判決である。「解雇撤回」の旗を降ろさずに闘いを継続した動労千葉の存在と、これを支援した5万筆に迫る署名が裁判所を包囲し圧倒した。
 戦後最大の労働運動への攻撃だった国鉄分割・民営化を不当労働行為と高裁に認めさせ、解雇撤回の判決を出せと最高裁に迫っているのだ。これはものすごい地平だ。
 ただ一点、鈴コン分会の解雇撤回の判決に続き、最高裁で国鉄1047名解雇撤回の判決を出させるために、全国の労働者に署名運動の取り組みと6・8集会への大結集を訴えよう。

全世界で安全崩壊させた新自由主義

 韓国の旅客船沈没事故は、非正規雇用化と規制緩和が引き起こした深刻な事故である。
 船長以下大半の労働者が6カ月から1年の短期間雇用の契約社員であり、保有する2隻に交替で船長を投入して人件費を削っていたのだ。正社員が1人もいなかったとの報道もある。多くの労働者がこの航海で初めて顔を合わせる状況で、経歴1年に満たない航海士や、旅客船が初めてという操舵士によって運航されていた。
 これはけっして韓国だけの話ではない。全世界で吹き荒れた新自由主義の攻撃は、労働者の命を至るところで奪い続けている。
 日本でも、国鉄分割・民営化から始まった民営化と外注化の攻撃は、安全と雇用を徹底的に破壊している。JR北海道の現実や京浜東北線川崎駅構内事故を見れば、本当に恐るべき安全崩壊の現実が社会全体を覆っていることが示されている。
 JR北海道では、数百カ所でレール異常が放置されるほど人員も資材も資金もない状態で列車を走らせている。2011年の石勝線脱線火災事故では車輪に40㌢もの剥離(はくり)があるのに、修繕もせず列車を走らせていたことが発覚した。時給750円で募集した、ほとんど経験のない労働者が車両の検修業務に従事させられ、基本的なメンテナンスができない状況になっているのだ。
 こうした安全の崩壊は、JR北海道だけでなくすべてのJRに及んでいる。2月23日のJR東日本の京浜東北線・川崎駅構内における脱線・転覆事故は、一つ間違えば「第2の尼崎事故」になっていた重大きわまる事態だ。
 外注化で現場の作業が数社にバラバラに発注され、指揮命令系統などの鉄道業務の基本中の基本が解体されているのだ。「JR崩壊」「鉄道崩壊」と報じられるほどの安全崩壊を引き起こしているのだ。
 民営化と外注化が安全と雇用を破壊したことをはっきりと見据えなければならない。動労千葉―動労総連合は、鉄道業務の丸投げ外注化に対する歴史的な闘いを開始した。国鉄闘争全国運動が呼びかける6・8全国集会は、民営化・外注化と対決して闘う労働運動の復権をかけた集会だ。

戦争・改憲を阻み安倍政権倒す闘い

 安倍政権は特定秘密保護法の制定に続き、集団的自衛権の行使容認や武器輸出三原則の解体を始め、改憲と戦争の道を突き進んでいる。同時に、派遣の全面解禁や残業代ゼロ法案など恐るべき「雇用改革」を狙っている。さらには自治体業務や小中学校の丸ごと民営化をもって解雇自由・総非正規職化の扉を開け放とうとしている。「岩盤規制打破」を叫んでの国家戦略特区は、労働者の生命と権利を奪いつくす攻撃だ。
 さらに安倍政権は、日本の底知れぬほどに深い危機を改憲と戦争、排外主義でのりきろうとしている。国鉄闘争は改憲と戦争国家化を阻む闘いだ。「解雇撤回・JR復帰」をめぐる最高裁での闘いは、改憲を阻止し、安倍政権を倒す闘いだ。
 国鉄1047名解雇撤回の闘いは今こそ大きな意味を持っている。10万筆署名を集めきり、6・8全国集会へ大結集しよう。

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