動労千葉 運転保安確立へスト プロパーの仲間犠牲にしない

週刊『前進』06頁(2631号02面02)(2014/05/12)


動労千葉 運転保安確立へスト
 プロパーの仲間犠牲にしない

(写真 幕張車両センターの職員用通用口には動労千葉の組合旗が翻り、スト突入者を先頭に組合員が並んでJRとCTSを圧倒した【5月2日】)

 動労千葉は5月2日、幕張車両センターで始業時から午後1時まで、「外注化―強制出向粉砕! 反合・運転保安確立」を掲げてストライキに立った。ストに入ったのは幕張支部所属で千葉鉄道サービス(CTS)に強制出向に出されている組合員13人だ。動労千葉の外注化粉砕闘争は反合・運転保安闘争そのものとして貫かれる新たな段階に突入した。
 この日からCTSは、昨年春に採用されたプロパー社員(CTS直雇いの正社員)を仕業検査に就ける暴挙を強行した。国鉄時代、仕業検査は交番検査を10年以上経験したベテランでなければできない仕事だった。JRになってから技術継承はなおざりにされたが、それでも最低3年は検査の経験を積むことが必要とされてきた。その業務を、CTSはまともな教育や訓練もせず、経験も積ませないまま、入社1年目の労働者にやらせるというのだ。もし事故が起きたら、全責任をその労働者に押し付け切り捨ててくることも明白だ。
 CTSは、動労千葉との団交で「5月中はプロパー社員を本務に入れない」と明言していたが、5月の勤務表でプロパー社員を本務に入れてきた。しかも、プロパー社員同士をペアにするシフトまで組んでいた。動労千葉の激しい抗議でプロパー社員をペアにすることは撤回したが、これ自身、CTSが今回の施策の危険性を自覚していることを示している。
 午前7時半、幕張本郷駅前に動労千葉組合員を先頭に支援する会の労働者など70人が結集し、幕張車両センターに出勤してくる労働者にともに闘うことを呼びかけた。
 川崎昌浩執行委員は、CTSが団交で「JRと同じ総合的技術を持った労働者をつくることはできない」と回答したことを暴露した。幕張支部の山田護支部長は「明治以来の鉄道の歴史の中で築かれてきた安全を崩壊させる暴挙は許せない」と怒りをほとばしらせた。青年部の木科雄作さんはスト当該として「仕事も人もJRに戻せ! 実力でJR本体に帰る」と決意を述べた。
 午前8時、幕張支部のJR本体の組合員が胸を張って職場に向かった。ストに入ったCTSの組合員と呼応し、職場の中で闘いを貫くのだ。
 午前10時、DC会館でスト突入総決起集会が開かれた。田中康宏委員長が、「今日のストは規模は小さくても大きな意義がある」と述べ、ストの意義を提起した。「反合・運転保安闘争を団結の核にしてきた動労千葉にとって、目の前で安全がつぶされることに真剣に闘わなければならない」「この問題を解決する唯一の方法は、プロパーの仲間たちが動労千葉に結集し、『こんなことはできない』と自ら声を上げることだ。そうすれば外注化も粉砕できる」「今日のストはプロパーの仲間を犠牲にしないためのストだ。事故が起きたら責任を取らされるのは彼らだ。こんなことは絶対に許さない」
 さらに、JR北海道や韓国のセウォル号沈没事故に触れ、「安全崩壊の現実は現場の労働者も熟知していた。しかし団結が破壊され声を上げられなかった。その積み重ねがあの大惨事に行き着いた。労働者の団結は人間が生き、社会を成り立たせるための一番大事な要素だ」と力説した。
 ストに突入した13人の組合員が並び、全員が固い決意を表明した。集会をまとめた長田敏之書記長は、「今日のストは第1波。動労千葉は何のためにストをしたのかを職場で徹底的に訴えてほしい」と組織拡大の闘いを強調した。スト突入者は午後1時に職場に復帰し、直ちに職場での闘いに突入した。
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