動労水戸がストに立つ 5・10いわき仮設住民らの熱い支持続々

週刊『前進』06頁(2632号01面02)(2014/05/19)


動労水戸がストに立つ
 5・10いわき仮設住民らの熱い支持続々


 動労水戸は5月10日、常磐線の広野―竜田間運行再開に反対してストライキに立ち、いわき駅前・いわき運輸区前での抗議行動を展開した。
 JR東日本水戸支社は、6月1日から広野―竜田間の運転を再開すると労組に通告した。そして5月10日午前中に同区間の試運転を強行した。11日から30日までは、乗務員に線見訓練をさせるという。福島原発事故がなんら収束していない中で、労働者と乗客に被曝を強い、「鉄道が開通したから」という口実で、避難している人びとを高放射線地域に帰還させる攻撃だ。動労水戸は、労働者人民の命を守りぬく闘いとして、これに真っ向から立ち向かった。(関連2面)

駅前制圧し街宣

 午後1時、ストに突入した勝田車両センターの8人の組合員を先頭に勤務明けの組合員が総力で結集、支援の労働者・学生も関東圏を中心に全国から駆けつけて、110人がいわき駅前を制圧した。動労水戸の組合旗とともに、「怒 福島」と大書されたのぼりや各労組の組合旗が翻り、JRを圧倒した。
 動労水戸の石井真一委員長を始め、動労千葉の長田敏之書記長、ふくしま合同労組、NAZENの織田陽介事務局長、全学連の斎藤郁真委員長がマイクを握り、JR東日本を激しく弾劾した。運行再開に反対するビラは、駅前を通行する人びとに吸い込まれるように受け取られた。

運輸区前で抗議

 午後2時、行動参加者はいわき運輸区前に移動した。敷地内に立ち入ることを阻む同運輸区の管理者を圧倒し、運輸区前に陣取っての抗議行動が開始された。
 石井委員長は、広野―竜田間の線路脇には除染作業で出た土壌などが野積みになっていることを暴き、「乗務員にそこを走れというのか。住民に帰れというのか。健康に被害が出たら誰が責任を取るんだ」と怒りをほとばしらせた。
 動労千葉の長田書記長は5月2日の動労千葉のストに触れ、検修外注化を徹底弾劾した。動労西日本の山田和広書記長は全国のJR労働者を動労総連合に組織する決意を示した。
 動労水戸青年組合員の照沼靖功さんは「社員・乗客の安全を守らない会社とは徹底的に闘う」と宣言し、運輸区の労働者にともに闘おうと呼びかけた。
 辻川慎一副委員長は「楢葉町に子どもたちを返すのか。若い乗務員を行かせるのか。鉄道は乗客を危険にさらしてはいけない。動労水戸はとことん闘う」と怒りをたぎらせ、運輸区の労働者に線見訓練拒否を訴えた。
 解雇撤回闘争を闘う郵政非正規ユニオンの労働者が動労水戸に檄布を手渡した。
 行動参加者は再びいわき駅前に移動し、国分勝之副委員長の司会で集会を開いた。国分副委員長は、この日の闘いを「棄民政策に対する闘いだ」と総括した。国労郡山工場支部の橋本光一さんは、支部執行委員会としてJRに放射線対策を求め、竜田延伸に反対する見解を出したと報告し、動労水戸との固い連帯を表明した。小竹運輸グループ労組の中村信幸委員長は、運輸労働者としてJRの労働者とともに闘う決意を述べ、神奈川労組交流センターは川崎駅事故を徹底弾劾して国鉄分割・民営化に決着をつけると発言した。福島で闘う仲間から、行動に参加していたいわき金曜行動の仲間に「怒 福島」ののぼりが贈呈された。
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人の山本弘行さんは6・8国鉄集会への総結集を訴えた。ユニオン東京合同・育成会分会は解雇撤回の決意を述べた。
 集会をまとめた石井委員長は、「今日の闘いはJRに打撃を与えた。住民の中からも何のための運転再開かという怒りがわきあがっている。JRの青年労働者の決起をつくりたい。竜田延伸を阻止する展望は切り開かれた」と宣言した。
 この行動に先立ち、動労水戸はいわき市内の仮設住宅全戸にビラを配布し、竜田延伸反対を訴えた。避難している人びとからは、動労水戸の闘いへの圧倒的な期待の声が寄せられた。
 被曝の被害や不安を語ることさえ許さない徹底した抑圧は、動労水戸のストライキで打ち破られた。動労水戸は福島の怒りを全身で体現し、全人民の命を守る闘いに立った。労働組合が権力や資本と非和解的に対決し、反原発闘争の最先端の攻防を貫いているのは決定的なことだ。その闘いは5月中にも出されると見られる楢葉町長による「帰町判断」もろとも、竜田延伸を粉砕する展望をこじ開けた。動労水戸はさらに5月31日の大集会を構え、延伸を絶対に阻止する決意だ。この闘いにともに立とう。
このエントリーをはてなブックマークに追加