核巡る日米争闘戦が新段階■安倍の改憲・核武装許すな階級的労働運動で反撃を■

週刊『前進』06頁(2633号04面02)(2014/05/26)


核巡る日米争闘戦が新段階
■安倍の改憲・核武装許すな階級的労働運動で反撃を■

HEUは高濃縮ウラン、Puはプルトニウム。常陽・もんじゅのプルトニウムはブランケット部分で生産されたもの


 3・11福島原発事故による被曝の現実を語ることさえ抑圧し、住民に帰還を強制し、原発再稼働・輸出へ突き進む安倍政権に大反撃がたたきつけられた。「外注化─強制出向粉砕! 反合・運転保安確立」のストに決起した5・2動労千葉に呼応して、動労水戸は労働者と乗客に被曝を強いる常磐線の広野─竜田駅間の運行再開に反対して5・10ストに立ち上がった。階級的労働運動の真価を発揮したこの被曝労働拒否の闘いは、反原発闘争の勝利の展望を切り開いている。安倍は大恐慌と「3・11」に追いつめられ、闘う労働組合の決起に恐怖を募らせている。ますます新自由主義攻撃を強行し、戦争と核武装で延命を狙う日帝・安倍を打倒しよう。

東海村プルトニウムを米帝が撤去処分へ

 核武装超大国・米帝の没落とその世界支配の歴史的崩壊の進行、そしてプルトニウム大国・日帝の脱落と対米対抗的台頭・戦争国家化への突進。大恐慌のもとで帝国主義間・大国間の争闘戦は、今や軍事化・戦争化の過程へ突入しつつある。日米安保同盟・日米原子力協定を柱としてきた戦後日米関係は、かつてない激動の局面に入った。
 それを最も端的に示すものが、3月24日、オランダ・ハーグでの第3回核安全保障サミットで発表された「世界的な核物質の最小化への貢献に関する日米首脳による共同声明」にほかならない。これは、茨城県東海村の高速炉臨界実験装置(FCA)で日帝・日本原子力研究開発機構が研究・実験用として米帝などから提供され使用してきた核分裂性プルトニウム300㌔と高濃縮ウラン200㌔を米帝が全量撤去・処分するという内容だ。
 その本質は、日帝保有の核をめぐり日米帝国主義間のむき出しの非和解的な利害衝突が始まったことを意味している。
 帝国主義の生き残りをかけて「戦後レジームからの脱却」を叫び、靖国・「尖閣」問題など、歴代政権のなかで突出した対米対抗の政治を矢継ぎ早に展開し始めた日帝・安倍政権。日帝にとって「戦後レジーム」の柱は日米安保体制であり、日米原子力協定はそれと表裏一体である。そこからの脱却とは、究極的にはその枠組みからの脱却をはらむものとなる。敗戦帝国主義から戦争国家・核武装国家へという日帝の狙いが透けて見える。
 これに対し、日帝を世界・アジア支配政策のなかに組み込み、どこまでもコントロール下に置き続けようとする米帝オバマ政権。米帝は、日帝の集団的自衛権行使を容認しつつも、対米対抗的台頭を許さないと対日不信感をかつてなくあらわにし出し、安倍の牽制(けんせい)に打って出た。その激突点が今回のFCAのプルトニウム全量撤去なのである。
 16年まで期限が延長となった米韓原子力協定と連動しながら日米原子力協定期限切れの18年に向かって北朝鮮・中国情勢と一体で、核をめぐり日米争闘戦が一線を越えて激しく進行していく。帝国主義間・大国間争闘戦での全面的敗北の危機に追いつめられて、日帝は核武装国家化攻撃に絶望的にのめりこむ以外にない。この過程こそは、3・11にふたをして戦争・改憲へ引きずりこもうとする日帝への福島の怒り、労働者階級の怒りが大爆発していくプロレタリア革命の時代の到来である。安全と雇用を破壊し、戦争と核にしがみついて延命しようとする腐りきった資本主義社会。国鉄決戦を基軸とした階級的労働運動・日米韓国際連帯の力でこれを根底から覆し、真の共同社会をつくりだそう。

日米原子力協定の返還条項を事実上発動

 日帝の核政策は、日米原子力協定を土台に推進されてきた。1955年の日米原子力研究協定から68年の旧原子力協定を経て88年発効の現行原子力協定に至っている。それを通じて日帝は米帝から濃縮ウラン・プルトニウム・原子力関連機器材・核技術を導入し、原発などの核施設を建設・稼働し、日米共同の核研究を続けてきた。そして今、核兵器級を含む大量のプルトニウムを保有している。「平和利用」を掲げて推進されてきたこの核政策は、3・11の大惨事を頂点に、全過程が無数の労働者・住民への被曝、とりわけ内部被曝強制による健康・生命破壊の犯罪の集積以外のなにものでもない。
 日米原子力協定のもとで、核物質(プルトニウム)に関わる生産・貯蔵・移転・再処理など日帝のすべての「原子力活動」は、米帝の同意なくしては行うことができない。米帝は、同協定でIAEA(国際原子力機関)の査察や設備・構成部分の在庫目録提出などを義務づけ、原発や高速炉、六ケ所再処理工場など全核施設を常時監視している。核燃料棒1本1本までの報告が取り決められているのだ。日帝に軍事利用の兆しがありと米帝が判断すれば、高速炉や再処理工場などの核施設の運用は停止される。そしてIAEA保障措置協定に対する重大な違反などがある場合には、米帝は日帝に提供した核物質やその使用を通じて生産された特殊核分裂性物質(プルトニウムや高濃縮ウラン)を返還させる権利を持つと規定している。
 今回のFCAの特殊な核物質全量撤去決定の公表は、オバマと安倍という米日政府のトップレベルで行われた。米帝は日帝・安倍の突出した対米対抗的言動を「核拡散または国家安全保障の見地からの懸念すべき状況」と見なし、「世界的な核物質の最小化」「テロ対策」を名目に、事実上、日米原子力協定の返還条項を発動したのだ。

高速炉・原発は原爆製造施設そのものだ!

 高速炉の実験炉「常陽」や原型炉「もんじゅ」は、東海村の高速炉臨界実験装置で行われてきた研究・実験のデータをもとに、設計・開発された(図参照)。この一連の高速炉開発の過程は、「高速増殖炉の開発は原爆の秘密を知ることと同じ」と言われているように、日帝にとっては原爆製造の技術獲得の過程そのものであった。これまで「常陽」が純度99・2%のプルトニウムを19・2㌔、「もんじゅ」が99・8%のプルトニウムを17㌔生産したという(槌田敦他著『隠して核武装する日本』)。核兵器材料として最適な100%に近い超高純度のプルトニウムを日帝はすでに保有している。
 原発(軽水炉)でつくられるプルトニウムは純度が70%で核兵器級ではないが、高速炉炉心の核燃料用として使用されれば、炉心の外側のブランケット部分に装填(そうてん)されたウラン238をスーパー核兵器級のプルトニウムに転換できるのである。高速炉こそ、また原発も核軍用炉にほかならない。

日帝に核兵器を絶対つくらせてはならぬ

 安倍は核サミットで、「プルトニウムについては、『利用目的のないプルトニウムは持たない』との原則を引き続き堅持します」とこれ以上プルトニウムを取り上げないでくれと米帝に哀願した。日帝は大量の余剰プルトニウム問題を、原発でプルトニウムを消費するプルサーマル計画でペテン的にのりきろうと、原発再稼働・大間原発(青森県)完成へとやっきになっている。だが、このプルサーマル計画が破産すれば、「平和利用」を建前としたプルトニウム利用目的はまったくあとがなくなる。「余剰プルトニウムを持たない」前提で推進してきた核燃サイクルは崩壊の危機にたたき込まれる。プルトニウムの目的が「平和利用」でなく、軍事利用であることがむきだしになっていくからだ。
 プルトニウム保有(=核武装国家化)を帝国主義としての生死にかかわる大問題ととらえる日帝支配階級は、今回の米帝によるFCA核物質全量撤去に震え上がった。
 安倍政権はエネルギー基本計画で「原発は重要なベースロード電源」と強弁し、原発再稼働・原発輸出の強行を宣言。「もんじゅ」については「(核)廃棄物の減容化・有害度低減の技術開発」のために存続するとした。4月の日仏原子力共同声明では、フランス帝国主義と連携して同技術開発に取り組むと発表し、「もんじゅ」の稼働再開の意図をあからさまにした。原爆材料のプルトニウム保有、核燃料サイクルにどこまでもしがみつこうとしている。日帝にとって日米安保と原発こそが最大の破綻点と化し、その矛盾と危機が生みだす巨大な情勢の中に日帝打倒の展望が開かれるのだ。
 「日帝に核兵器を絶対つくらせない」――これが日本の労働者階級人民の断固とした決意である。社会を変える最大最強の力を持つ闘う労働組合の再建、労組拠点の建設の闘いを推し進め、原発再稼働・被曝強制、戦争・改憲攻撃を絶対許さず、安倍を打倒しよう。
 5・31いわき闘争─6・8国鉄全国集会へ大結集し、8・6広島─8・9長崎反戦反核闘争、そして「集団的自衛権」粉砕!8・17大集会の成功へ全力で闘おう。
〔河東耕二〕

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