三浦半島教組定期大会の報告と総括 不正選挙と安倍への怒りが圧倒 体制内=連合指導部は打ち倒せる

週刊『前進』08頁(2634号02面01)(2014/06/02)


三浦半島教組定期大会の報告と総括
 不正選挙と安倍への怒りが圧倒
 体制内=連合指導部は打ち倒せる

(写真 「今まで通り大会を傍聴させろ!」。会場入り口で委員長に迫るOBたち【5月17日 横須賀市】)

 5月17日に開催された三浦半島地区教組(神奈川県横須賀市、逗子市、三浦市、葉山町の公立小中学校および市立高校の教職員で構成)定期大会は、体制内指導部に対し現場組合員が「打倒宣言」を突きつけ、「体制内=連合指導部は打倒できる!」という確信みなぎる大勝利をかちとった。三教組指導部は大恐慌と戦争の時代のまさに今、「憲法改悪阻止」を大会スローガンから削除し組合を変質させるために、闘う執行委員候補を「不正選挙」で排除した。この三教組指導部への怒りが会場を圧倒した。2010年代中期階級決戦=「JR体制打倒し革命勝利へ」の決起と一体で、連合の労働者支配を現場組合員の団結した力で打ち破り、階級的労働組合を生み出す決戦の火ぶたが切られた。革共同神奈川県委員会は、三教組全組合員と団結し、6・8集会に総結集し、三教組に階級的指導部をつくり出すために闘うことをあらためて決意する。

〝委員長は私が引き受ける〟

 三教組指導部は、昨年度から組合員OBを大会傍聴から排除し、組合規約改悪で非正規職組合員の代議員権を剥奪、ついには闘う執行委員候補を排除する不正な役員選挙にまで手を染めた。
 大会は終日、この体制内指導部との実力での激突となった。
 開会前段から組合員OBが立ち上がった。手に手に「OB排除を許すな」のボードを持ち委員長を断罪。ついに終日の傍聴を実現した。三教組運動への誇りにかけた決起が現場組合員を鼓舞し、緒戦から打倒意志を突きつけた。
 そして議事全体においても、誰が三教組指導部なのかをめぐって全面的な激突となった。
 「委員長あいさつ」は、基地の街・横須賀で反戦反基地反核闘争を労働運動の中心に据えてきた教職員組合でありながら、大会直前の安倍の集団的自衛権行使容認の宣言に一切言及がない異様なものであった。時代認識そのものを組合員から奪う意識的裏切りだ。
 この対極で、現場組合員は従来の大会形式をことごとく打ち破り、「不正選挙=団結破壊」という暴露・断罪と安倍打倒の立場を鮮明にして次々と決起していった。何よりも「委員長は私が引き受ける。辞任しろ!」と宣言し、誰が三教組のリーダーたるべきかを公然と問うた。
 追いつめられた執行部は議事運営規定を乱用し、分会から提出されていた「委員長・書記長辞任要求決議案」を配布させない暴挙に出た。「説明できないということは、やっぱり役選不正はあった」というささやきが会場に広がる。執行部はさらなる墓穴を掘ったのだ。
 立ち上がった組合員は勝利感にあふれ、「私たちの発言は体制内派の発言とはまったく重さが違う。鮮明な対比が出た」「決議文を配布すらしないことに多くの組合員が驚いていた」「三教組のあり様をめぐって組合員全員が問われた。いよいよこれからだ」と口々に語った。

鮮明な路線分岐を生み出す

 三教組大会決戦は、連合支配の破綻性を路線的に暴き出し、JRにおける資本―カクマル結託体制の崩壊と一体で労働組合をめぐる大流動情勢を生み出した。
 大会決戦は第一に、帝国主義労働運動と階級的労働運動との鮮明な路線的分岐・激突としてかちとられた。「すべてが真っ二つ」という多くの組合員の大会感想がこれを象徴している。
 三教組指導部は「反対のための反対をする時代ではない」「『参加・提言・改革』が基本」「協議して導入したものに『廃止・撤回』はありえない」と繰り返した。
 そもそも民営化攻撃・日教組つぶしを極める安倍に「絶対反対」で闘う以外に何があるのか! 三教組指導部こそ戦争協力へと向かう労働組合の姿だ。彼らの路線で導入した施策すべてが、職場を分断し、現場を行政権力のほしいままにさせ、労働者を過重労働と戦争教育に駆り立てている。安倍の改憲、民営化攻撃のただ中で、あえて連合路線を明示にすることそのものが転向宣言だ。
 これに対し、組合員は怒りに燃えてものすごい迫力で次々と登場し、安倍の戦争・改憲攻撃との対決を基調に、職場における民営化・非正規職化攻撃を断罪する大アジテーションを行った。時代認識と路線、そして職場闘争を全一体で提起する階級的正義性あふれる発言が会場を圧倒した。動労千葉や動労水戸を先頭にした階級的労働運動の力が全面的に発揮され、全組合員を獲得できる確信と可能性をつかんだ。
 第二に、帝国主義労働運動との激突は時代認識をめぐる激突であるということだ。改憲情勢に一切言及しない三教組指導部。「委員長まとめ」も〝組織決定には従え〟とただただわめくだけ。
 労働者不信にまみれ「闘っても勝てない」と、絶望を組織するのが帝国主義労働運動だ。
 ふざけるな! 大恐慌は革命を生み出す。新自由主義の破産した攻撃に対し、全世界で社会の根本的変革をかけて労働者階級が決起している。3・11情勢下の闘い、福島の根源的怒りと闘い、解雇撤回を闘う青年労働者の不退転の決起、外注化阻止と被曝労働反対の闘いは全労働者民衆の怒りを束ねる。自らを労働者階級の決定的一翼に位置づけるのがマルクス主義であり、時代認識だ。2010年代中期階級決戦は、労働運動の勝利の時代だという時代認識で労働者を鼓舞し、戦闘性をよみがえらせるのだ。
 第三に、組合指導部として公然と名乗りを上げたことだ。この本気さが、体制内指導部を顔面蒼白(そうはく)にし、組合員の中に明確な分岐と流動をつくりだした。
 これを「党と労働組合の一体的建設」そのものとしてかちとったことが決定的だ。「労働者は勝てる」という確信を示し、労働組合の闘いの先頭に立って労働者の階級形成をかちとるのが労働者党の役割だ。こうした労働者党を建設することが階級的労働組合をつくりだしていく。これは階級闘争の一貫したテーマであった。
 組合大会は、時代認識と路線、それを体現する人格の決意、これらが一体となった時、階級的労働運動路線が巨大な力を発揮することを示した。
 第四に、国鉄10万筆署名が「教育の民営化」絶対反対の闘いと結合し、勝利の展望となったことだ。多くの分会で最高裁署名が取り組まれた。国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回闘争は産別を超えて労働者階級の希望になっている。
 さらに米教育労働者の「ランク&ファイル」派の組合役員選挙での勝利、韓国・全教組のセウォル号事故に対する闘いなど国際連帯がかけがえのない激励となった。

青年とともに階級的労組を

 労働者階級の団結こそが新自由主義を打倒し資本家階級に代わって新たな社会を創造する力だ。その決定的武器が労働組合だ。問題は労働組合が安倍の手先・連合指導部に牛耳られている現実を変革することである。
 三教組は、米軍の空母母港化阻止闘争を大隊列で担い、「職場に組合を/闘いは職場から」を掲げ職場闘争を原点としてきた。総評解散・連合結成の中、国鉄分割・民営化反対の動労千葉ストライキをわがものとして、支援・連帯に現場から多数の組合員が決起し、動労千葉物販を分会で営々と取り組んできた。
 この対極で三教組の体制内幹部は、民営化攻撃への屈服と動労千葉労働運動への恐怖から、転がり落ちるように日教組主流と一体化し、日教組中央を支える最後の支柱に成り果てた。大恐慌が深化する中で、安倍や地元政治家・小泉ら右翼ファシストの先兵となって三教組の最後的な変質・解体に踏み込んできた。
 大会でこれを打ち破ったことは決定的だ。連合支配を覆せば、安倍政権も新自由主義も打倒できる。そのためにはただ一点、労働者の怒りを体現し団結することだ。
 次の前進のために何が必要か。一つに、「党と労働組合の一体的建設」を徹底的にかちとることだ。「階級の指導部形成」が一切の勝負を決する。『前進』を武器に、無数の青年リーダーを職場に生み出そう。同時に、大会決戦は党中央―県党―地区党、そして産別委員会が一丸となって切り開いた勝利だ。さらに団結を強化しよう。
 二つに、原点は職場だ。職場で自らを指導部として位置づけ、職場闘争をつくりだそう。
 三つに、国鉄闘争の前進を職場からかちとろう。国鉄闘争全国運動と動労千葉を支援する会の力を発揮し、6・8集会に大結集しよう。
 国鉄決戦・4大産別決戦をさらに前進させ、職場・分会から徹底的に闘いを推し進め、2010年代中期階級決戦の巨大な前進を切り開こう!
〔革共同神奈川県委員会〕
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