金もうけ狙う福島「廃炉拠点」構想 労働者に一層の被曝強制 動労水戸と団結し粉砕しよう

週刊『前進』08頁(2639号07面01)(2014/07/07)


金もうけ狙う福島「廃炉拠点」構想
 労働者に一層の被曝強制
 動労水戸と団結し粉砕しよう


 安倍政権は6月24日、「新たな成長戦略」を閣議決定し、「原発の再稼働を進める」と明言した。だが、今回の「新成長戦略」も破綻必至であり、大恐慌と争闘戦はますます激しさを増していく。しかし、それゆえに安倍・日帝は生き残りをかけ、集団的自衛権行使に踏み込むとともに、福島「復興」によるフクシマの怒りの圧殺と原発再稼働を狙っている。

 安倍政権は「福島復興」を大宣伝するために、これまでも子どもたちを被曝させる「キッズウォーク」や「駅伝大会」などのさまざまなイベントを企画し開催してきた。だが、それらの策動はフクシマの怒りで挫折し続けている。
 その打開を狙い、安倍は「福島・国際研究産業都市構想」なるものを掲げ始めた。「原子力災害からの復興は世界に例のないチャレンジであり、世界が注目している」(福島・国際研究産業都市構想研究会報告書〔案〕)などと大仰な言葉を並べ、特区制度を活用して、福島県の浜通りが一大産業地帯になるかのようなデマキャンペーンに乗り出している。
 そのようなものが絵空事でしかないことは何よりも大恐慌の進展が日々証明している。だが、その指摘だけで済ませることはできない。

帰還困難区域に居住施設

 内閣府・経済産業省が、この攻撃の突破口として位置づけている「廃炉産業のまち」構想は、避難者への帰還強制にとどまらず、福島第一原発の労働者や福島県民に一層の被曝を強要する許しがたい策動だ。
 具体的に見てみよう。前記の「報告書」では、現地に労働者向けの宿泊施設、住宅、商業施設などをつくると明記し、さらに「JR常磐線の早期復旧」「常磐自動車道の全線復旧」などを掲げている。常磐線復旧をめぐっては、すでに6月1日から広野―竜田間の運転再開を強行し、JR労働者や住民への被曝強制が始まっている。
 また宿泊施設については、現在は多くの労働者が20㌔以上離れた宿舎などから通っているが、原発から約10㌔離れた大熊町大川原地区に名ばかりの「集中的除染」をした上で、2018年までに廃炉作業の労働者や研究員ら3千人が暮らせる住宅をつくる計画だ。病院や飲食店も建設し、この地区を「復興の中核」にする方針である。経産省幹部は「浜通り全体で廃炉に必要な約5千人が住む街ができる。それを呼び水に避難者の帰還が進む」などと手前勝手なことを語っている。
 帰還困難区域(政府が「5年を経過しても年間20㍉シーベルトを下らない」と定めた区域)である高濃度の放射能汚染地帯に何千人もの原発労働者や、福島の労働者とその家族を住まわせ、被曝させ続けるという恐るべき攻撃だ。これを新自由主義攻撃の極致と言わず何と言うのだ。だが、ある首長が「夢のある話に聞こえるが......ますます帰還が遠のく」(朝日新聞6・8付)と胸の内を語っているように、こんな構想が安倍や経産省のたくらみどおり進むはずはない。福島第一原発で働く労働者、福島の労働者民衆の怒りの噴出は不可避だ。

汚染水を使う給食センター

 また、この攻撃と歩調を合わせ、東京電力は福島第一原発で働く労働者向けの食事をつくる「給食センター」の建設を、来年3月完成を目指して進めている。場所は、第一原発から約9㌔離れた大熊町だ。それだけでも許しがたいが、さらに、ここで使用する水は楢葉町を流れる木戸川から取水する計画だ。この川の岸辺の土からは1㌔グラムあたり最高8200ベクレルの放射性セシウムが検出されている。労働者の毎日の食事をつくるのに、放射能に汚染された水を使用するのだ。安倍政権や自民党、資本家どもの腐敗と非人間性もきわまった。
 生きるために、安倍の攻撃を絶対に粉砕しよう。動労水戸の竜田延伸阻止のストライキこそ、その最先端の攻防であり、この攻撃を打ち砕く闘いだ。動労水戸と団結して闘えば、安倍の「復興」攻撃を粉砕することができる。さらに3・11福島を繰り返させないために、川内原発の再稼働を絶対に阻止しよう。

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