川内原発の再稼働阻止を 9・28鹿児島現地闘争に立とう

週刊『前進』06頁(2641号05面02)(2014/07/21)


川内原発の再稼働阻止を
 9・28鹿児島現地闘争に立とう

(写真   6・13鹿児島県議会行動)

 原子力規制委員会は7月16日、九州電力川内原発1、2号機について、「新規制基準に適合する」とする許しがたい審査書案を公表した。何が「福島第一原発事故の教訓を踏まえ、安全対策を強化した」だ。鹿児島県・伊藤祐一郎知事と鹿児島県議会は、9月9日からの県議会で川内原発1、2号機の再稼働決定を強行しようとしている。安倍の再稼働宣言と、それに基づく原子力規制委員会の「新基準合格」が弾みになっている。福島第一原発事故を省みない再稼働策動に全国の怒りを集中しよう。

再稼働阻止は戦争・改憲反対と一体の決戦

 革共同九州地方委員会は、再建8年の闘いの上に、九州―全国の反原発勢力とひとつになって川内原発の9月再稼働決定阻止へ全力で決起する。9・28鹿児島現地全国大闘争の先頭で奮闘する。川内原発再稼働決定を阻み、安倍打倒へ突き進もう。11月労働者集会への闘いの一環に川内原発再稼働阻止をすえ、九州―全国の総決起をかちとろう。
 第一に訴えたいことは、川内原発再稼働をめぐる攻防を戦争・改憲とひとつの闘いとして、階級決戦として闘うことである。
 川内原発の再稼働強行策動は、7・1集団的自衛権行使の閣議決定と一体の、追いつめられた安倍の絶望的凶暴化そのものだ。「戦後レジームからの脱却」を掲げる安倍は、憲法9条を破壊し、戦争のできる国につくり変えるために踏み出した。日帝が、中国や北朝鮮と戦争をするという決断だ。
 川内原発再稼働策動はたんに電力資本のためだけではない。「核武装の偽装形態としての原発」の裏打ちなしに戦争なんかできない。争闘戦が軍事化・戦争化している今日では経済だって軍事力の背景がなければ勝てない。成長戦略の要である原発パッケージ輸出が破綻しかかっている。国内で一基の原発も動かせないで原発輸出がうまくいくわけがない。川内原発再稼働策動は安倍の絶望的あがきだ。
 だがそれは労働者民衆の怒りの火に油を注ぐ。青年・学生の怒りは日に日に高まっている。7月13日の滋賀県知事選での自民党敗北は、原発再稼働を宣言し集団的自衛権閣議決定に踏み切った安倍を倒せという声があふれている証拠である。
 原発再稼働をめぐる攻防は、国鉄闘争と並んで、2010年代中期階級決戦のど真ん中に位置する闘いである。まさに「戦争か革命か」が問われている。九州地方委員会はプロレタリア革命の勝利に向かって川内原発再稼働阻止の闘いを進め、9・28鹿児島全国集会に全力決起する。6・13鹿児島県議会闘争は決断をもった決起の始まりだった。

福島の怒りと闘いを共有し全原発廃炉へ

 第二に、川内原発再稼働阻止闘争は、フクシマとの連帯をかけた闘いである。
 福島第一原発事故から3年半、小児甲状腺がんの多発無視、高汚染地への帰還強要、中間貯蔵施設の強要など、安倍は、福島原発事故などなかったかのように福島切り捨て政策をどしどしと進めている。1%の資本家階級の利益を守るために、99%の労働者民衆を切り捨てる新自由主義だ。動労水戸のストライキ、国労郡山工場支部の被曝労働拒否の闘い、そしてふくしま共同診療所の闘いは、反原発闘争の最前線の闘いである。福島の怒りと闘いの前面に労働組合の登場が始まったことは決定的である。原発事故が引き起こした苦しみは、新自由主義によってもたらされ、日々拡大している。これはプロレタリア革命によってしか解決できない。
 安倍の再稼働宣言にもかかわらず、原発稼働がゼロなのは、福島原発事故がもたらしただけではない。闘う労働組合を中心とした福島の怒りと闘いが全国の労働者の心を揺さぶっているからだ。「3・11」によってもたらされた福島の現実は、原発とは何か、被曝とは何か、現代社会とは何かを真正面から問うている。ここから目をそらしたところで川内原発再稼働阻止も全原発廃炉もない。反原発の怒りを福島の怒りと結合する再稼働阻止の闘いの中にこそ、全原発廃炉の道がある。NAZEN運動の最大の意義もこれだ。

絶対反対貫き新自由主義を打倒しよう!

 第三に、絶対反対を鮮明にして闘おう。
 川内原発再稼働は新自由主義と電力資本の延命のためだけに行われるきわめて反労働者的で反人民的な暴挙である。
 政府と東電は、福島第一原発の原子炉内部がどうなっているのか、どこから汚染水が漏れているのか、いつ収束するのか、いまだに解明できていない。こんな現状でどうして「安全対策」ができるのか。再稼働とは福島第一に続く大事故を引き起こす。「1%」の利益を守るためにそれが強行されようとしている。これへの反対は「絶対反対」以外にない。その立場こそ犠牲にされる99%の労働者民衆の生きるための闘い方なのだ。
 そもそも川内原発を「再稼働の最有力候補」としたのは、新基準による審査中の11原発17基の再稼働のメドがつかない中で、「川内原発周辺には大きな活断層がない」という点が大きな理由だった。
 ところが昨年2月の地震調査研究推進本部の「九州の活断層の長期評価」によれば、川内原発近くの「甑(こしき)活断層」の長さとマグニチュードの想定が九電の想定より大きく、この活断層が動いた場合、九電の想定の11倍も大きな地震になることが暴露されている。
 また地震発生時の最大級の揺れを想定する基礎データとなった97年5月の鹿児島県北西部地震の地震モーメント(エネルギー)について、九電が気象庁の公式データの半分というデータを使ったことも暴露されている。ただただ再稼働ありきなのだ。
 もう一つ大きいのは、大規模噴火対策である。
 川内原発周辺は、霧島や桜島など現在も活発に活動する火山が多数ある。過去にも大規模な噴火が繰り返されてきた。川内原発付近も、大規模噴火の溶岩流が海まで流れ出ている。しかし、その対策は何もとられていない。なぜなら大規模噴火の対策は不可能であり、廃炉にするしかないからだ。
 錦江湾の「姶良(あいら)カルデラ」を抱える姶良市議会は7月11日、川内原発の再稼働反対だけでなく、「廃炉を求める」決議を採択した。周辺9市町村で初めてのことだ。大規模噴火対策など不可能であると誰もが感じているからだ。
 最も重大なのが避難計画である。川内原発30㌔圏内には240カ所の病院・福祉施設がある。避難といっても「屋内退避」のみという「1割の住民を置き去りにする」宣言だ。県知事からして「住民の命よりカネ」なのだ。百パーセント九電の手先そのものである。
 安倍が戦争と改憲を決断し、戦争国家へ踏み出し、それと一体で川内原発再稼働を進めようとしているとき、反原発の闘いを単なる異議申し立て運動にとどめてはならない。社会のあり方そのものを真っ向から問う闘いにしなければならない。ここが最大の課題である。全原発廃炉の闘いは、エネルギー政策の変更だけでは終わらない。体制の問題であり、原発を生み出した新自由主義の根底的変革まで行き着かないかぎり全原発廃炉は「絵に画いた餅」に終わってしまう。川内原発再稼働絶対反対のスローガンは、原発廃炉と新自由主義の打倒を求めるスローガンである。

国鉄を先頭に労働組合の決起かちとれ

 第四に、国鉄決戦と結合した階級的労働運動を前進させる反原発闘争として闘おう。
 問われているのは、労働組合の決起である。動労水戸や国労郡山工場支部の被曝労働拒否の決起は、全国の労働者階級の決起を促している。しかし、連合は反原発の闘いを投げ捨て、資本の手先に転落している。この連合支配を食い破って、今こそ労働者・労働組合が立つときがきたのだ。
 川内原発再稼働決定阻止の闘いを、動労千葉、動労水戸や国労郡山工場支部の闘い、国労共闘の闘いと結合し、国鉄決戦とひとつになって闘おう。動労千葉の闘いを全国に広げる「動労総連合づくり」を進めるとともに、9・3国労組合員資格確認訴訟判決闘争と結合し、9・28鹿児島現地全国集会の大高揚を切り開こう。川内原発再稼働決定をぶっとめ、安倍―伊藤を打ち倒そう。
〔革共同九州地方委員会〕
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