国労大会 単一体解体の歴史的暴挙 連合合流断じて認めぬ 共に闘う国労の会 本部と対決して集会・デモ

週刊『前進』06頁(2644号02面01)(2014/08/18)


国労大会 単一体解体の歴史的暴挙
 連合合流断じて認めぬ
 共に闘う国労の会 本部と対決して集会・デモ

(写真 大会会場前にさしかかったデモ隊は本部打倒の声をひときわ強めた【7月31日 熱海市】)
(写真 会場前で国労本部を弾劾する小玉忠憲さん【中央】と羽廣憲さん【右】【7月31日】)


 7月31日―8月1日に静岡県熱海市で開かれた国労第83回定期全国大会は、国労の自己解体に向けて最後の留め金を外す、歴史を画する反動的な大会になった。これに対し「共に闘う国労の会」は、本部打倒を真っ向から掲げて大会闘争を貫徹した。

国労自己解体の「補強提案」

 国労本部はこの大会で、単一体としての国労を解体し、連合に合流する方針を押し通した。大会初日、真子俊久書記長は、本部自身が提起していた運動方針原案を自ら修正し、国労を企業別の連合体とし、連合加盟を図る趣旨の「補強提案」を行った。JR資本の意を受け、国労を自ら解体するクーデーター的な暴挙に踏み込んだのだ。
 これに対し批判意見が噴出する中で、真子書記長は辞任を表明した。ところが異様なことに、大会2日目には辞任を表明した真子が集約答弁を行い、「企業別組合化と国労の名称変更に向けて『諮問委員会』を設置する」という意図を露骨に表明した。1047名解雇撤回闘争の最後的幕引きを巡る攻防以来の「紛糾」の中で、本部は一層反動的な姿勢をあらわにしたのだ。
 そして、「補強提案」の撤回を求める修正動議が少数否決され、運動方針の採決が強行された。
 運動方針採決後、石上浩一委員長も辞任を表明。集団的自衛権行使の7・1閣議決定情勢下で反動を反動として貫けない石上は、真子辞任の道連れに引き降ろされた。役員選挙では委員長に高野苗実(東京地本)、書記長に菊池忠志(水戸地本)が選出された。いずれも連合合流派の最右翼で、高野は東日本エリア本部執行部時代に破産を突きつけられた人物、菊池はJRの手先となって常磐線の竜田延伸を推進した人物だ。こうして国労史上、最悪の執行部が形成された。
 この事態の本質は、JR資本が国労の解体と連合化を執行部に強烈に迫り、国労を牛耳ってきた全勢力がこれに屈服したということだ。6月初旬のJR総連・東労組の大会も、「スト戦術行使」をわめいたカクマルがそれを謝罪して資本への総屈服を誓う場になった。これと並び、国労大会でもJR資本は労働組合に直接手を突っ込み、その変質と解体を激しく推し進めたのだ。
 連合合流派は資本の忠実な手先となって国労自己解体方針を押し通した。日本共産党=革同もそれを容認した。大会では、高崎地本の代議員らが「補強提案」撤回の修正動議を提出し、役員選挙でも書記長に候補を立てたが、革同はいずれの投票でも「補強提案」追認の態度をとった。また新社会党や高崎地本グループも、JR資本と対決しない無力性をさらして連合合流派の攻勢を許した。こうした屈服と転向は、7・1情勢下では戦争協力にまで行き着く。2010年4・9政治和解で1047名解雇撤回闘争を解体した全勢力は、根底的に破産した。
 10月1日の郡山総合車両センターの業務外注化を阻止する決戦は、現場組合員の怒りや悔しさとは完全に無縁な存在に成り果てた国労執行部を打倒し、国労の解体的再生へ革命的突破口をこじ開ける闘いだ。

熱海駅前制圧し街宣に立つ

 この歴史的反動と真っ向から対決して、「共に闘う国労の会」は大会を巡る決戦を闘いぬいた。
 国労本部は今年も、静岡県警に守られ、組合員を排除して密室での大会を強行した。大会参加者を前日からホテルに泊まらせ、現場組合員との接触を断とうとした本部の策動を打ち破り、「共に闘う国労の会」は地元の静岡労組交流センター、神奈川労組交流センターの労働者とともに大会前日の7月30日昼から熱海駅前を制圧して大街宣に打って出た。
 大会参加者には、7・1閣議決定との根底的な対決と外注化阻止への総決起、闘争団員から組合員資格を奪った本部打倒を訴えるビラが配られた。解雇撤回・JR復帰を求める10万筆署名が呼びかけられ、熱海市民や観光客も足を止めて98筆の署名が集まった。『前進』も20部以上が販売・配布され、7・1閣議決定に怒る労働者・市民との討論が至る所で繰り広げられた。弾圧の機会をうかがう静岡県警やJR東日本は一切、これに手出しができなかった。
 大会初日の31日、「共に闘う国労の会」は「郡山工場外注化阻止」の横断幕を掲げて大会会場のニューフジヤホテル前に陣取った。4・9和解を拒否して闘う秋田闘争団の小玉忠憲さん、小倉地区闘争団の羽廣憲さんがマイクを握り、警察権力に守られた大会を激しく弾劾。解雇撤回を投げ捨て、闘争団員から組合員資格を奪い、外注化の手先となった本部に怒りをたたきつけた。

郡工外注化を絶対阻止する

 午後からは熱海市内で総決起集会が開かれた。集会で国労郡山工場支部の橋本光一さんは、郡山総合車両センターの外注化を巡る攻防について報告し、「支部執行委員会で『出向の事前通知前に決戦の山場を構えろ』と組合員から突き上げられた」と述べ、「私も皆さんに、郡工外注化阻止決戦にかかわらずに革命を目指す者としてやっていけるのかと突きつけたい」と力説した。そして「10・1外注化阻止決戦が爆発すれば全国の国労に波及し、国労が変わる。変わると言っても原型をとどめないくらいにぶっ壊れるような変わり方になる。郡山工場の組合員の苦悩はJRの労働者すべての苦悩だ。郡山工場支部が突き抜けたら全体が突き抜ける」と熱意をほとばしらせた。
 破産し崩壊する国労本部の対極で、現場からのJR体制への反乱が開始されたのだ。
 集会後、参加者は熱海市内のデモに打って出た。大会会場直近では本部打倒のシュプレヒコールをとどろかせ、熱海市民や観光客に向けては集団的自衛権反対・安倍打倒と浜岡原発再稼働阻止を訴えた。手を振ってデモ隊に応える人びとが続出した。この集会とデモは地元紙「熱海新聞」にも「解雇撤回訴え行進」と大きく報道された。
 国労大会闘争は、破産し衰滅する既成の国労内勢力に代わり、階級的労働運動派=動労千葉派が郡山工場外注化阻止決戦を軸に国労の解体的再編の主導勢力に躍り出たことを鮮明にした。

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