ヒロシマ世界大会 世界から核なくそう 広島・福島と韓国つなぎ

週刊『前進』06頁(2644号04面03)(2014/08/18)


ヒロシマ世界大会
 世界から核なくそう
 広島・福島と韓国つなぎ

(写真 国境を越えた団結で戦争をとめ、核と原発をなくそうと誓ったヒロシマ世界大会【5日 東区民文化センター】)


 5日夕方、広島市東区民文化センター大ホールで「全原発廃炉・核廃絶ヒロシマ世界大会」が開かれた。広島・長崎と沖縄、福島、さらに国境を越えて韓国ともつながる画期的な集会になった。
 広島の被爆者・吉原美玲子さんは集団的自衛権行使容認の閣議決定を強く弾劾し、「私は敗戦時に8歳。被爆により重いやけどでケロイドをつくりながら、敗戦の報を聞いて『アメリカに敵討ちができないのが悔しい』と涙を流した。こういう子どもをつくるのが戦争。けっして繰り返してはならない」ときっぱり訴えた。長崎の被爆者・城臺美彌子(じょうだいみやこ)さんのメッセージが代読された。
 沖縄のIJBS労組の仲宗根光洋書記長の訴えに続き、福島から浪江町の希望の牧場代表の吉沢正己さん、ふくしま共同診療所の杉井吉彦医師が発言。吉沢さんは「原発も火発も造らせなかった浪江町の8割が帰還困難区域。震災死185人に対して、震災関連死は320人を超えた。黙って殺されていくわけにはいかない。再稼働を阻むため国会や官邸前を埋め尽くす実力行動を!」と訴えた。杉井さんは「診療所開院から1年半。今も14万人が避難している福島の現実の中で、毎月50人以上が『関連死』で亡くなっている。虐殺そのものだ。避難・保養・医療の3原則を貫いて、人生をかけて診療所で闘う」と述べた。

韓国反核医師会「原発ゼロ」訴え

 韓国から、核なき世界のための医師会(韓国反核医師会)の東国大学医学部教授のキムイクジュンさんが発言。「福島原発事故は私の人生すべてを変えた。韓国には今23基の原発があり5基が建設中、20基が建設予定で、合計したら40基を超える。勉強してわかったことは、事故は原発を多く建てた国の順番どおりに起きたことと、老朽化した原発で起きたこと。事故を避けるためには原発をゼロにし、老朽化原発を動かさなければいい。ふくしま共同診療所の運動を知り、必ず会いたいと思ってきた。これまで原発事故を起こした国はいずれも原発政策をやめていない。日本こそ原発政策をやめるべきだ」と強い危機感をにじませて述べた。
 韓国民主労総の慶北(キョンブク)一般労組・慶山移住労働者センター長のキムホンジュさんが送電塔建設反対運動について報告。「民主労総は、送電塔建設をとめることは原発でつくった電気の送電をとめることであり、原発をとめることだと考えて取り組んでいる。建設労組は『組合員は送電塔建設にかかわらない』と決定した。地元で建設を阻んでいるおばあさんたち、広島・福島とともに、核のない世界をつくるために闘おう」と呼びかけた。
 基調を全国被爆者青年同盟委員長で広島連帯ユニオン書記長の壹貫田康博さんが提起。「7・1閣議決定で新たな戦争を宣言し、再びヒロシマ・ナガサキを繰り返そうとする安倍が明日、ヒロシマに来る。階級的労働運動と国際連帯を根底に据え、ヒロシマとフクシマの怒りをひとつに、安倍打倒の8・6ヒロシマへともに立ち上がりましょう」と呼びかけた。
 外注化阻止・被曝労働拒否を闘う労働組合から元全日本運輸一般労働組合原子力発電所分会長の斉藤征二さん、愛媛県職員労働組合の宇都宮理委員長、動労水戸の石井真一委員長、国労郡山工場支部の橋本光一さん、動労千葉執行委員の川崎昌浩さんが発言した。自らの職場を含めた検修業務外注化の10月1日実施が提案されている橋本さんは「9月に外注化阻止の大衆行動を行うことを決めた。これは国労の現実をぶち壊して一からつくり直す闘いであり、日本の労働運動全体を変える闘い。改憲反対の人、原発反対の人もみな、この日は郡山に集まってほしい」と呼びかけ、大きな拍手を集めた。
 最後に鈴木達夫弁護士が閉会あいさつを行い、「どんな理由であろうと自国政府の戦争に絶対に反対しよう。あふれる怒りを8・17集会に集めよう。すべての力を合わせて安倍を倒すことをきょうの結論にしよう」とまとめた。

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