国労組合員資格訴訟 9・3判決日闘争へ  国労解体に走る本部打倒を

週刊『前進』06頁(2645号04面01)(2014/08/25)


国労組合員資格訴訟
 9・3判決日闘争へ
  国労解体に走る本部打倒を


 国労組合員資格確認訴訟の判決が9月3日に出される。同日夕方に東京・文京区民センターで開かれる集会を含め、この日の闘いは、外注化阻止の9・11郡山闘争と11月労働者集会に向けた決戦陣形を打ち固める一日行動として闘われる。
 国労本部は2010年4月9日の国鉄1047名闘争の政治和解を経て、同年7月の大会で闘争団員を選挙権も被選挙権もない「特別組合員」とし、11年7月の大会では闘争団員から「特別組合員」の資格さえ奪って国労外に追放した。この暴挙に対し、和解を拒否した4人の国労闘争団員が起こしたのが、国労組合員資格確認訴訟だ。
 解雇された組合員を守り、解雇撤回まで資本と闘いぬくのが本来の労働組合だ。だが、4・9政治和解を強行した国労本部は、解雇撤回闘争の圧殺者になった。裁判で証言した本部の濱中保彦元書記長は、「政治和解をしたから1047名の解雇は不当ではなくなった」と言い放った。「一人の首切りも許さない」という労働組合の原則を根本的に否定したのだ。
 これに対し原告は、4・9反革命と対決し、組合員資格の有無という争いを超えて、労働組合とは何かの根本を問うものとして裁判闘争を闘ってきた。

大会でのクーデター的暴挙

 国労本部はこの裁判で、「規約に明文の規定はないが、JRないしJR関連企業に在籍することが組合員資格の前提」という主張を繰り返した。資本に解雇された労働者は、その時点で自動的に組合員資格を失うという言い分だ。こうした形で国労本部は、1047名の解雇だけでなく契約社員の雇い止めなどを含むあらゆる解雇を容認すると資本に表明した。まさに底なしの転向だ。
 しかし国労には、ストライキを禁止し、被解雇者を組合員と認めない公共企業体等労働関係法(公労法)と対決し、被解雇者を守ってきた歴史がある。労働組合の団結は資本と闘う中でつくられる。国労の歴史を否定した国労本部は、資本と闘ってきた組合員の誇りをも踏みにじった。
 法廷で原告側は国労本部の主張を全面的に粉砕し、完全に国労本部を圧倒した。だが、集団的自衛権行使の7・1閣議決定情勢と、寺田逸郎最高裁長官を頂点とする反動司法体制のもとで、判決は予断を許さない。9月3日は、労組の壊滅を狙う安倍政権や司法権力との大激突になったのだ。
 判決が原告勝利なら、国労本部とその背後にいるJRを痛撃するものになる。仮に反動判決でも、国労が全国単一体であり、被解雇者を組合員として守ってきた歴史的事実を認定した上で、裁判所はペテン的な理屈をこね回さざるをえない。
 先の国労全国大会で、国労本部は単一体としての国労を解体し、連合への合流を狙うクーデター的暴挙を強行した。これを規定したのは、10万筆署名運動を物質力とする国鉄闘争全国運動の前進、外注化粉砕と被曝労働拒否でJR体制と対決する動労千葉・動労水戸の闘い、国労内から外注化阻止の決起を始めた郡山工場支部の闘いと並び、4・9反革命との最先端の攻防を貫いてきた4人の闘争団員の不屈の闘いだった。
 これらの闘いに追い詰められたJR資本は、しびれを切らせて国労本部に国労自己解体方針の決定を迫った。その忠実な手先となった連合合流派は大会当日、単一体の解体と連合合流を狙う「補強提案」を急きょ出して、それを押し通した。
 高野苗実委員長―菊池忠志書記長という史上最悪の新執行体制は、国労を労働組合として体をなさない惨状に突き落とそうとしている。
 しかし、国労がすんなりと連合に行けるわけでもない。辞任を表明しつつ集約答弁を強行した真子俊久前書記長は、国労の名称変更にも言及した。だが、それへの批判が集中し、名称変更にかかわる答弁は全面撤回を表明する羽目に陥った。
 本部の底なしの裏切りをテコに、国労を自滅に追い込むことがJR資本の狙いだ。JR東日本は、国労も東労組もともに解体し、資本による専一的な支配を打ち立てようと画策している。

JR労働運動の責任勢力に

 だが、その資本の思惑もまた阻まれている。
 4・9政治和解に対して「国鉄闘争の火を消すな」と立ち上げられた国鉄闘争全国運動は、東京地裁・東京高裁にJR不採用を不当労働行為と認めさせた。動労千葉の外注化阻止闘争は、外注先の労働者を組合員に組織する巨大な勝利を切り開き、動労水戸の被曝労働拒否・常磐線竜田延伸阻止の闘いは、労働組合が反原発闘争の軸を担い、そこに地域の民衆を結集する歴史的な地平をつくり出した。
 そして、高放射線量下での労働を強いられてきた国労郡山工場支部の労働者の根底的な怒りは、外注化をたくらむJRに対し満を持してたたきつけられようとしている。
 JRの労働組合を巡る大再編情勢が始まった。11月労働者集会に至る今年後半戦は、階級的労働運動派=動労千葉派が「動労総連合を全国に」を掲げて国鉄労働運動の責任勢力となることをかけた決戦だ。その最初の勝負となる9月3日の判決日闘争に集まろう。

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国労組合員資格訴訟(判決)
 9月3日(水)午後1時10分
 東京地裁527号法廷

判決報告集会
 午後6時30分 文京区民センター
 主催 共に闘う国労の会

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