10・8東京高裁包囲―10・12三里塚現地へ

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週刊『前進』06頁(2650号05面01)(2014/09/29)


10・8東京高裁包囲―10・12三里塚現地へ


 10・8市東さん農地裁判控訴審闘争―10・12三里塚全国総決起集会に向けて、三里塚芝山連合空港反対同盟の3氏が熱烈なアピールを発した。これに全力で応え、ともに闘おう。(編集局)

労農学連帯の固い結束
反対同盟事務局長 北原鉱治さん

 三里塚闘争48年を闘い、あらためてこの空港の完成は永久にありえないと断言する。それは空港建設に一片の道理もなく、闘う側にこそ正義があったからである。
 空港はそれを反省せず、今また成田市天神峰で親子3代にわたって営農を続けてきた市東孝雄さんに対し、「農地を明け渡せ」と迫っている。人びとの命をつなぐ糧を誇りをもってつくり続ける農家に対し、金もうけに走る空港が立ち退きを強いることに何の道理があるか。事態はまさに正念場。三里塚闘争の、さらに日本人民の未来がかかった決戦である。
 東京高裁では、市東さんと顧問弁護団の全力を傾けた法廷闘争と全国から駆けつけた労農学市民の傍聴・支援によって、裁判所の拙速審理を許さず、NAA(成田空港会社)側を圧倒してきた。それを上回る闘いを、10・8控訴審闘争で展開しよう。
 労働者と農民の連帯は切っても切ることのできない固い結束である。さらに若い学生の力も、ここにしっかりとつながっている。労農学連帯は、差し迫る戦争の危機と闘い、社会を変革する力の源であり、それは確固として三里塚に存在している。数多くの若者たちが反対同盟の闘いに触れ、自分に何ができるかを問い、進むべき人生の道筋を決定してきた。このことにあらためて、誇りと責任感を覚える。
 私は第2次世界大戦で海軍士官として南太平洋の戦場に赴き、敗戦を迎えた。その体験と反省を踏まえ、90歳を超えた今も、この日本の悪政に立ち向かうのである。
 命か金か。三里塚の大地を踏みしめ、「農地死守・空港絶対反対」の原則を守り抜いてきた農民の生き方に接すれば、答えは自ずと明らかだ。10・12三里塚に大結集し、ぜひそれを実感してもらいたい。

農地裁判に必ず勝つ!
天神峰 市東孝雄さん

 昨年3月の千葉地裁の不当判決を、絶対に二審・東京高裁でひっくり返すぞという気概で、今日までやってきました。そして、「文書提出」問題で審理が止まっていた耕作権裁判が、重大局面を迎えています。
 NAAに対して東京高裁から文書提出命令が出され、3回にわたるNAAの抗告がことごとく却下され、命令が確定しました。結局NAAは何も文書を出さなかった。理屈から言えば、これで裁判は私の勝ちです。
 私の父の署名・捺印(なついん)まで偽造して作成された「同意書」「境界確認書」、それに付けられた図面、これらはまったくの偽造で、土地の特定はデタラメだった。このことがばれるから、NAAは文書を出せない。
 しかし、この期に及んで向こうはどんな卑劣な手を繰り出してくるか、油断はなりません。やれるならやってみろ。こちらも望むところです。
 「第3滑走路計画」で今、地元は揺れています。反対同盟が一斉行動で周辺地域に入ると、住民の反応がこれまでと違います。48年前と同じような住民無視のやり方に、みんなが怒っています。地元での7・13デモに、とても大きな反響がありました。
 空港は「地域と共存共栄を」などと唱えてますが、成田市、芝山町、多古町とどこをとっても、実際に空港によって発展なんかしていません。NAAが潤うことが第一で、地元の住民は無視される。こんな「国策」に心から憤りを感じます。
 動労千葉を先頭とする闘う労働者と連帯し、沖縄・福島・三里塚を一つの闘いとして、これからもがんばります。
 私は15年前におやじの遺志を継いで、農業と空港反対運動を継ぎました。これからもこの地で農業を続けます。
 そのためにこの農地裁判に必ず勝ちます! 10・8控訴審、10・12集会に集まってください。ともに闘いましょう。

同盟こそ「拡大強化」だ
東峰 萩原富夫さん

 反対同盟はこの間、全力を挙げて成田空港周辺地域の一斉行動に取り組んできました。
 甚大な騒音被害をまき散らす空港がさらに深夜・早朝の規制をはずし24時間空港化への動きを強める状況下で、市東さん農地裁判支援陣形を一層強力につくるために何をなすべきか。地元住民とのつながりを再建することは必要不可欠という決断でした。
 署名用紙を携えて地元に入ったら、住民が空港に怒りと憤りを抱えて生活している実情がリアルに伝わってきました。
 そうした時に「第3滑走路」というとんでもない計画が持ち上がり、ただちに反撃を構えることができました。この空港はまだ「拡大強化」を狙っていた。2期工事をやれるとこまでやって終わりじゃなかった。市東さんの農地をめぐる攻防は、三里塚の50年近い歴史の中でもやはり、かけ値なしの大決戦であることがはっきりしました。だから同盟もこの闘いの中で「拡大強化」をめざします。ここに新しい三里塚闘争が始まったということです。
 第3滑走路計画は、荒唐無稽(こうとうむけい)とあなどることはできない。没落する成田に3本目の滑走路なんて理屈に合わないが、安倍戦争政治のもとで軍事空港の必要性を念頭に置いてることは明らかです。動労千葉との労農連帯の神髄をここで発揮し、廃港へ向け闘います。
 10月8日の控訴審弁論では、市東さんが全身全霊を注いでNAAの不法を暴き、「農地死守」の覚悟をたたきつける更新意見を陳述します。市東さんの決意は、同盟の決意です。
 先日私は全学連大会に参加し、活発な討議に刺激されて、自分も熱を込めてあいさつを述べました。学生諸君は力を存分に発揮して、全学生の先頭で闘う大衆的な自治会を再建し、三里塚勝利の実力闘争を担うよう期待しています。10・8―10・12に大結集しよう。

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