学校事務122人解雇許すな 「公設民営学校」法案阻止へ

週刊『前進』08頁(2651号04面02)(2014/10/06)


学校事務122人解雇許すな
 「公設民営学校」法案阻止へ


 文科省は、大阪府に対して「学校事務職員の就学援助加配定数に関する算定方法が間違っているので是正せよ。10月以降は、国は正しい算定に基づく定数分しか財政措置をしない」と通知してきました。これを受けて大阪府・市は、その対象校である大阪府・市122人の臨時主事(学校事務職労働者)に対して、9月30日の雇い止め解雇を通告してきました。
 臨時主事の労働者は、年度末には「来年もよろしく」と管理職や地教委担当者から声がかかり、10月からの更新では「暗黙の約束」として半年契約を繰り返しながら何年も働いてきました。
 今回問題とされた加配定数は、大阪府・市と文科省が20年も、30年も認めてきたものです。にもかかわらず、いきなり職を奪い、生きる権利を奪おうというのです。絶対に許せません。一切の責任は文科省・大阪府・市当局にあります。非正規職も正規職も協力し合って学校を回してきたのです。「人手がいるから加配があったんや。必要な人数や」「私たちに何の落ち度もないのになんで首なのか」「学校が好きだから学校事務職になったんや。任用替えは認めない」と激しい怒りが渦巻いています。学校事務職労働者の雇い止め解雇に絶対反対です。
 今回の雇い止め解雇に対する大阪市教組執行部の態度は、「年度途中の解雇は混乱が生じる」「学校間連携の推進にも大きな影響を与える」ので、「年度末までは産育休等の代替臨時事務職として市町村を超えてでも、組合員だけでも、雇用をつないでほしい」という地教委への哀願です。こんなことで解雇を阻止できるでしょうか!

事務職と教員の団結で阻止を!

 しかもこの問題を事務職員部のニュースには出しても、市教組のニュースには出しません。事務職だけの問題にとどめることで、事務職と教員を分断し、教組の団結を破壊し、噴出している怒りを抑え込んでいます。しかし解雇攻撃との闘いこそ教組の中心課題です!
 20年も、30年も認めてきたものを、なぜ今、しかも年度途中の解雇で学校現場を混乱させることもよしとして、雇い止め解雇するのでしょうか。
 それは7・1情勢のもとで安倍政権は、どんなにささやかであっても現場労働者による職場支配権や労組的団結が残っていては教育労働者を戦争動員の担い手にさせることはできないと追い詰められているからです。だから既得権は1ミリも認めない、屈服して従えと迫ってきたのです。焦っているのは安倍であり、大阪府・市当局です。  今回の学校事務職労働者の雇い止め解雇は、学校事務の「共同実施」「学校間連携」などによる事務職部門の合理化・外注化攻撃と一体です。また、公立学校民営化の切っ先であり、そのために教組を破壊する全教育労働者への攻撃です。

教育民営化粉砕、非正規職撤廃を

 文科省は、「公設民営学校」を特例として認める関連法改悪案の今秋臨時国会への提出を狙っています。橋下徹・大阪市長は学校の公設民営化を最先頭で推進しており、大阪市の提案は「国家戦略特区」としてすでに認められています。「民間のノウハウや人材の活用」を呼号し、民間人校長公募、公立高校の統廃合(府教委は、私立高校無償化でつくり出した4年連続の定員割れを口実に、府立の池田北高校と咲州高校を2016年度から生徒の募集停止・廃校にすると発表)などを進めています。
 しかし、橋下市長の大阪府・市丸ごとの民営化攻撃は、現場からの絶対反対の闘いでボロボロです。追い詰められて「部活の外部委託で教育労働者の負担軽減を」などと、過重労働を強制されている教育労働者が飛びつきたくなるような施策を打ち出しました。しかし、これはごく一部の運動部の競技能力の向上のためであり、教育労働者は「管理顧問」として責任を負わされ、さらなる過重労働を強制されます。部活の外部委託は、学校の公設民営化の突破口なのです。
 公立学校の民営化は事務職も教員もすべて非正規職にする攻撃です。すでに大阪府のある公立中学校の昨年の非正規率は41・3%に達しています。非正規職にすることで国や当局の都合でいつでも使い捨て=解雇にすることをもくろんでいます。非正規職化はさらなる過重労働の強制です。
 「学校事務職労働者の雇い止め解雇絶対反対! 教育の民営化反対! 非正規職撤廃!」で、分会・職場で討論を積み重ね、正規・非正規の分断、事務職・教員の分断を打ち破る分会・職場の階級的団結をつくり出しましょう。労働組合で団結して絶対反対で闘えば勝利できます!
 そのことを示したのが9・11郡山闘争です。国鉄闘争と一体となった橋下打倒闘争が安倍と橋下を追い詰め、労働者の総決起をつくり出しています。職場で闘い、10・17関西国鉄集会から、11・2労働者総決起集会に上り詰めていきましょう。
(革共同教育労働者委員会 大阪 大槻恵子)
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