10・12三里塚 〝農地死守し軍事空港阻む〟 910人が安倍戦争政治と対決

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週刊『前進』06頁(2653号01面02)(2014/10/20)


10・12三里塚
 〝農地死守し軍事空港阻む〟
 910人が安倍戦争政治と対決

(写真 10・12三里塚集会は萩原さんの畑に労農学市民910人が全国から結集し、農地裁判控訴審勝利・第3滑走路計画粉砕・安倍政権打倒を誓う総決起の場になった【成田市東峰】)

 10月12日、三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する全国総決起集会が、成田市東峰で開かれ、快晴のもと、910人の労農学市民が結集した。集会場は空港を食い破る萩原さんの「清水の畑」だ。演壇には、昨年末急逝した萩原進事務局次長の遺影が置かれた。(反対同盟などの発言要旨を5面に掲載)
 伊藤信晴さんの司会で正午から集会が始まり、冒頭に萩原進さんへ黙祷(もくとう)を捧げた。
 北原鉱治事務局長が主催者あいさつに立ち、今日一日を闘おうと参加者を鼓舞激励した。
 続いて、反対同盟事務局の報告として萩原富夫さんが立ち、「安倍の集団的自衛権閣議決定は戦争突入宣言だ。軍事空港完成を阻むため、実力闘争を貫く」と宣言し、来春3・29三里塚全国集会開催を明らかにした。
 特別報告として、最初に動労千葉の田中康宏委員長が登壇した。安倍政権の戦争政策と労働者への「解雇自由・非正規職化」の攻撃を鋭く批判し、11・2全国労働者集会への大結集を訴えた。
 関西実行委の発言に続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部から2500筆を超える農地取り上げ反対署名が寄せられたことが、伊藤さんから報告された。

〝ここで生きる〟

 ひときわ大きな拍手に迎えられ、天神峰の市東孝雄さんが登壇し、「ここ天神峰に住みこれからも生きていく」と、不動の信念を表した。
 反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士は10・8農地裁判でNAA(成田空港会社)と千葉県に対し「12月までに認否・反論の提出」を裁判長に命じさせたことを、重大な勝利として報告。弁護団全員が決意を述べた。
 市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会が壇上を埋めて連帯発言を行った。群馬の会事務局は9・28国鉄集会の成功を誇らしく報告した。
 婦人行動隊の木内敦子さんのカンパアピールに続き、司会を宮本麻子さんに交代した。
 沖縄・市東さんの農地を守る会に続き、福島から3・11反原発福島行動実行委員会の椎名千恵子さん、福島診療所建設委員会の渡辺馨さんが発言した。椎名さんは「福島も三里塚も目指すところは国のあり方を変えること」と訴え、渡辺さんは「子どもの未来を奪う原発再稼働を許さない」と怒りをあらわにした。
 全国農民会議は、緑色ののぼりを林立させて登壇し、山梨の農民と共同代表・小川浩さんが農地決戦への連帯を表した。小川さんは安倍農政を怒りを込めて弾劾した。

水平同盟が登壇

 部落解放運動を代表して全国水平同盟西郡支部が初登壇し、久原正子さんが発言した。八尾市の住宅追い出し攻撃と闘い、水平同盟高槻支部を結成し、さらに植木団地労働組合を結成した大勝利を高らかに報告した。
 さらに婦人民主クラブ全国協の三浦正子代表、星野文昭さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の星野暁子さん、動労水戸の石井真一委員長などが次々と発言した。石井さんは常磐線竜田延伸阻止のストを報告した。
 共闘団体の発言で、白ヘル姿の全学連が真っ先に登場した。斎藤郁真委員長は、農地決戦は戦争阻止・国際連帯の闘いであることを突き出し、10・21国際反戦デーへの決意を表した。沖縄大学学生自治会の赤嶺知晃委員長は、辺野古基地建設阻止の決意を述べた。
 太郎良陽一さんの集会宣言朗読に続き、野平聰一さんの音頭で団結ガンバローを三唱しデモに出発した。飛行機が頭上40㍍を飛ぶ東峰地区を通り、市東さん宅前の天神峰の畑を横に見て、第3誘導路を突っ切り、さらに今回は取香(とっこう)地区へと回り、LCC(格安航空会社)専用ターミナル建設工事現場に迫った。
 デモの到着地は、誘導路をへの字に曲げている市東さんの南台の畑だ。この場所が国策との闘いの最前線であることを一同は実感し、「空港廃港・農地死守」を反対同盟とともに誓った。
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