職場・地域から11・2日比谷大結集を 9・11郡山の地平広げよう 国労郡山工場支部 橋本光一さんのアピール

週刊『前進』06頁(2653号03面01)(2014/10/20)


職場・地域から11・2日比谷大結集を
 9・11郡山の地平広げよう
 国労郡山工場支部 橋本光一さんのアピール

(写真 9・11JR郡山工場包囲デモの先頭に立ち、工場【左】で働く仲間たちにマイクを握って訴える橋本光一さん)

郡工に配った『前進』3百部が展望を示す

 9・11郡山闘争の熱がまだ冷めやらぬ9月22日の出勤時、JR郡山工場(以下、郡工)門前で『前進』9・11闘争報道号の配布を行い、約300部が配布されました。全国のJR工場や各職場でも同様に『前進』が持ち込まれています。郡工では外注化対象職場・出向当該が食い入るように『前進』を読み、休憩所などではまさにスポーツ新聞を読むように紙面が広げられ、読まれ、話題にされていました。
 『前進』を読んだ人たちは、9・11闘争のすべての報道記事から労働運動の新たな胎動(たいどう)を感じ、闘いへの欲求と希望をつかんでくれたのではないかと思います。JR資本と国労本部がもたらす敗北感、失望を打ち砕く力が9・11郡山闘争にはありました。
 「デモを見に行った者は職場離脱として現認する」という職制の妨害をはね返して、デモを見に行った多くの郡工の労働者たちも、資本と労働者が非和解の関係にあることを実感し、新たな時代認識を獲得したはずです。
 9・11で私たちは、国鉄決戦を闘う気概(きがい)と力、勝利の展望を郡工の労働者を始め、JRで働く労働者全体に示すことができました。またそれは、JR体制崩壊情勢を労働者側から強制し、その中で起きる現場からの総反乱の可能性をも示しました。
 10・1外注化阻止の闘いを形成する過程においては組合員を信頼し、職場生産点の怒りに依拠し、組合員による徹底討議の中で革命の基礎的団結体としての労働組合の団結を固めました。その結果、国労内の一支部が唯一、外注化阻止のストライキ要求と9・11闘争を決断する段階まで到達したのです。この意義は画期的であり、画歴史的なことでした。
 一方で、9・11闘争は、今年の国労全国大会でハッキリしたように、「国鉄労働組合」の名称を変え、全国単一組織を解体し、国労を連合のような資本に従属・翼賛する労働組合に変質させようとする国労本部から、労働組合を現場組合員の手に取り戻す本格的な闘いの始まりでもありました。
 9月25日に開催された「外注化と強制出向に反対しJRの安全を守る国労郡工支部集会」は、安全を破壊するとともに「労働者から職場を奪う」すべての外注化に反対するという立場をあらためて明らかにし、「安全を脅(おびや)かす場合には」反対するという本部との違いを明確にさせました。
 求められているのは、職場の団結で闘う労働組合、資本と真っ向対決する労働組合、外注化阻止をストライキで闘う労働組合運動をつくり上げることです。

国鉄労働運動の責任党派に断固飛躍する

 9・11郡山闘争と、国労組合員による10・1外注化阻止に向けた職場における闘いは、職場全体の団結を強め、東労組組合員の強制出向に対する苦情申告など、労組の枠を越えた決起を生み出すとともに、外注先会社の労働者の声なき声を引き出しました。
 9・11闘争をやり抜いてあらためて分かったことは、職場に会社や労働組合を越えた、合理化絶対反対の団結体をつくり、それに依拠して資本と真っ向勝負を挑むことです。それは階級分岐と党派選択を、ストライキで闘う労働組合づくりと一体で実現するものであり、郡工労働者600人全体を組織するためには絶対必要な飛躍です。
 そういう意味で、動労千葉の10・1ストライキは、CTS(JR千葉鉄道サービス)において立て続けに起きている労災・労災未遂に対する反撃、安全より金もうけの外注化を進めるJR資本に対する反撃を、CTSの労働者に呼びかけるものであり、垣根を越えた団結を訴えるものとしても打ち抜かれたと思います。
 会社や労組を越えた職場の団結体づくりは、職場支配権を獲得し、労働組合内での圧倒的支持を受ける土台となります。これは将来、労働組合が資本家から社会的な権力を奪い返し運営するためにも、必要なことであると考えます。
 郡工労働者を始めとした11・2集会へのJR本体労働者の組織化の中で、特にJR関連労働者の組織化の前進が、全体をさらに活性化し、11・2結集運動を強力に推進していくのではないでしょうか。このような運動は、動労千葉、動労水戸とともに、国鉄労働運動の主流派、責任党派となる歴史的挑戦であるし、「動労総連合を全国に」の路線と重なると考えています。

フクシマの怒り解き放ち安倍を倒そう

 現在、『前進』を基軸に、また各地区国鉄集会を推進軸に、11・2全国労働者集会への大結集運動が取り組まれています。11・2労働者集会への結集運動は、9・11闘争の地平を広げる闘いとも言えますが、それは外注化阻止の国鉄決戦であるとともに、安倍を打倒しなくては生きられないフクシマの怒りの政治決戦でもあります。
 安倍打倒の怒りは、職場・地域に満ち満ちています。「オール福島」、「オール沖縄」という社会変革を押しとどめる思想と決別し、8・17集会を出発点とした安倍打倒、戦争・改憲阻止の政治決戦として、11・2労働者集会への1万人結集を何としても実現させましょう。
 国労秋田闘争団の小玉忠憲さんに対し、鉄道運輸機構訴訟費用として、約200万円の支払い請求がされています。いったん訴訟救助の判断がされたにもかかわらず、最高裁は一転して判断を覆(くつがえ)しました。絶対許せません。これへの反撃ののろしとして11・2労働者集会を大成功させましょう。
 『前進』を軸に、職場・地域に呼びかけ訴えていきましょう。

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JR郡山工場 福島県郡山市にあるJR東日本の工場。戦前に蒸気機関車の修繕を行う工場として創立され、国鉄時代、そして分割・民営化後も約1世紀にわたり鉄道車両の修繕を行ってきた。工場では車両を車体と台車に上下分離し、ブレーキやモーターなどを取り外して分解し、細部まで検査する。工場内で働く労働者の人数は外注会社も含めて653人(2011年)。03年にJR東日本は車両メンテナンス近代化・第三期の大合理化攻撃で工場機能解体に手をかけ、郡山工場は郡山総合車両センターに名称変更された。

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