新自由主義と全面対決 闘う労組が国境を越え団結 11・2全国労働者集会 国鉄解雇撤回!全国に動労総連合を

週刊『前進』06頁(2656号02面01)(2014/11/10)


新自由主義と全面対決 闘う労組が国境を越え団結
 11・2全国労働者集会
 国鉄解雇撤回!全国に動労総連合を

(写真 国境を越えて5700人が集まった集会は大高揚した。「動労総連合を全国に」の実践は猛然と始まった。集会の最後にインターナショナルを斉唱【11月2日 東京・日比谷野外音楽堂】)


 11・2全国労働者総起集会は東京・日比谷野外音楽堂に5700人を結集して開かれた。冒頭、新自由主義により殺された韓国・セウォル号事件の犠牲者に黙祷(もくとう)をささげた。集会には国鉄決戦を軸とした階級的労働運動の復権と安倍打倒の決意がみなぎった。韓米の労働者が国際連帯で闘う意思を表明。米運輸労働者連帯委員会のスティーブ・ゼルツァーさん、独ベルリン都市鉄道民営化反対行動委員会のラーベン・ブロンシュタインさんの参加も報告され、在日・滞日労働者としてクルドの人びとが発言した。集会後のデモは都心を揺るがした。集会の各発言の要旨を紹介します(編集局)。

呼びかけ3労組の訴え

公然と団結権破壊する者とは断固として闘う
全国金属機械労働組合港合同委員長 中村吉政さん

 11月労働者集会の原点は国鉄1047名解雇撤回闘争への反動判決がきっかけでした。国家総ぐるみの不当労働行為が正当化され、「こんなことがまかり通ったら、組合つぶしも首切りもやりたい放題になる」という危機感と怒りが3組合を結びつけ、以降、全国労働者総決起集会として闘われてきたのです。
 国鉄1047名解雇撤回闘争が一括和解をのりこえ国鉄闘争全国運動として継続してきたことの意義は計り知れません。関西でも10月17日、これまでの準備会から新たな全国運動の一翼を担う会として出発しました。
 安倍政権の目玉としていた女性閣僚が相次いで辞任しました。政権の足元から瓦解(がかい)が始まり、戦争と改憲に突き進む安倍政権の末期が見えてきました。
 大阪では、橋下市長による不当労働行為、団結権破壊攻撃と真っ向から闘ってきました。入れ墨アンケート調査を拒否して懲戒処分を受けた6人の闘いも大きな山場になっています。
 橋下市長の政策はどれもこれもうまくいっておりません。悲願である「大阪都構想」は議会の反発で前に進まず、もはやヤケクソの状態です。
 港合同は橋下市長のような労働組合法も守らない自治体の長を絶対に許せません。不当労働行為を黙認したら全国の労働者に悪影響をもたらします。公務員だけの問題ではないのです。だから港合同は、公然と団結権を破壊する者とは断固として闘うのです。
 引き続き、長年にわたり培ってきた官民連帯の地域共闘を軸にして闘い抜く決意です。

原点に立ち返り団結力見せつけて打倒安倍へ
全日建運輸連帯労組近畿地方本部書記長/全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部執行委員 西山直洋さん

 この集会は1998年からつくられ、現在に至っています。現在ますますひどい社会になっています。再度原点に立ち返り、私たちの団結力を見せつける闘いが必要です。年々この集会に参加する労働組合、労働者は増えています。この結集を大事にし、打倒安倍政権の力をつくり出さなければなりません。
 関西生コン支部は先々週、50周年の定期大会を迎え、新たな人事体制と方針を確立しました。私たちは50年一貫して、資本家による分断攻撃を避けるため、産別労組で闘ってきました。交渉権、行動権、団結権を支部が集約し、統一的な闘いを継続しています。
 大阪では生コン業界、建設業界のみならず医療や清掃業界の仲間たちを産業別労働組合でくくり上げ、労働者の権利をかちとるシステムを地域から全国へ広めようと議論を始めています。
 資本家や権力側からの攻撃も続いています。刑事弾圧は約2年間止まっていますが、行動すれば仮処分、損害賠償。私たちは労働組合ですから行動する権利はあります。しかし要求する権利は強要として事件化され、抗議する権利は脅迫にデッチあげられる。こうした司法の反動化を許さず、また司法に甘えるのではなく、現場の行動で勝利しなければなりません。
 そのために皆さんとの連携を拡大し、政治闘争に立たなければなりません。職場の経済要求で闘い、政治闘争をするのが私たちの役割です。
 国鉄1047名解雇の国家的な不当労働行為を必ず謝罪させ、解雇撤回を目指して闘います。全国の闘う労働者、労働組合の皆さんと団結し、勝利をかちとりましょう。

労働者の特別な任務は絶対に戦争とめること
国鉄千葉動力車労働組合委員長 田中康宏さん

 全国からの結集、そして韓国やアメリカ、ドイツからの仲間たちの結集ありがとうございます。
 私たちは国鉄分割・民営化に反対し、闘う労働組合の旗を守ってこの集会を16年間続けてきました。国鉄闘争を30年間闘い続けてきました。そして今この闘いのすべてが生き生きと、あらゆる怒りの声と結びつく時が来たと思います。ここに集まった力は、怒りと結びつくことで、無限の可能性をもって団結を広め、闘う労働組合をよみがえらせる力です。
 私たちは何があろうと1047名解雇撤回に向けて闘い続けます。この年末にも最高裁判決が下ろされるでしょう。しかし、どんなことがあっても国鉄分割・民営化に決着をつけ、闘う労働組合を取り戻します。
 2番目です。私たちは外注化・非正規職化粉砕に向けて闘い続けます。この闘争は単にJRのみならず、すべての労働者の権利、未来のための闘争です。この闘いは全国のすべての職場から闘う労働組合をよみがえらせる闘いです。ともに闘いましょう。
 3番目です。絶対に戦争への道を止めましょう。この国の政府は労働者の未来を破壊し、権利を破壊し、団結を破壊し、社会保障、年金、医療、教育、すべてを破壊し、それに飽き足らず憲法を破壊し戦争に向かって進もうとしています。戦争はどんなことがあっても止めなければなりません。それは私たち平和を求める労働者の特別な任務です。
 そのすべてを成し遂げるために闘う労働組合が必要です。30年間、労働運動は後退し続けました。でも反転攻勢の時です。安倍政権を打倒し、力を取り戻しましょう。

10万署名の力で最高裁勝利へ

解雇の撤回へ必ず勝利する
動労千葉争議団 中村仁さん

 皆さんには、署名、そして物資販売、本当にお世話になっています。
 私たちが85年、86年にストライキを闘い、支援を受けるために大阪に行った時にお世話になった富田さんが、先日亡くなりました。この人たちに私たちは支えられてきました。
 私たちは、皆さんの支えを受け、そして自分たちで闘う。今JRにいる動労千葉の組合員は、ずっと駅に行かされたり、本当の仕事をやらせてもらえない中でもよく頑張っています。そういう闘いを私たちの闘い、全国の闘いにしていきます。
 裁判では、解雇撤回をかちとる闘いを貫徹して、絶対に勝利していきたいと思います。しかし、これは裁判であって、私たちの闘いは先に続きます。ともに闘いましょう。動労千葉争議団の9名も頑張ります。

組合員権剥奪絶対許さない
国労小倉闘争団  羽廣憲さん

 私たち国労原告団は組合員権剥奪(はくだつ)訴訟で9月3日、一審判決を受けました。企業に雇用されていない者に組合員権などないという、とんでもない反動判決です。私たちは、この反動判決を絶対に許さず、控訴審闘争に突入し、12月2日、控訴審第1回裁判を迎えます。相手が誰であろうと、私たちの闘いは止めることはできない。全力で闘います。
 安倍政権の集団的自衛権行使容認の7・1閣議決定に対し、私たちは闘って闘って生き抜く。その闘いを広げ、団結を固めて、この国のあり方を根底からひっくり返す。
 先週、急逝された関西の富田同志の遺志を本当に引き継いで、最後まで徹底的に、原告団、争議団とともに頑張ります。

司法揺るがす署名の物質力
動労千葉顧問弁護団長/国鉄闘争全国運動呼びかけ人 葉山岳夫さん

 国鉄闘争全国運動を中心とする階級的労働運動は2013年9月25日、東京高裁で1047名解雇の核心をなす名簿不記載基準が不当労働行為であることを認めさせました。これに先立つ2012年6月に東京地裁で名簿不記載基準が不当労働行為であり、9名の動労千葉組合員は本来JRに採用されていたはずだと認めさせました。
 しかし、判決はJR不採用を不当労働行為と認定したにもかかわらずJRへの原職復帰を認めませんでした。その点ではまさに反動判決です。動労千葉は最高裁に上告、最高裁に合計7万4765筆の署名を突きつけました。皆さんの運動は司法当局を揺るがす物質力を獲得しつつあります。
 時代は戦争か革命かの歴史的分岐点にあります。なんとしても安倍打倒です。弁護団は階級的労働運動の一環としての裁判闘争に勝利します。

無数の運動をつなぎ育てて
国鉄闘争全国運動呼びかけ人 伊藤晃さん

 国鉄闘争全国運動の発足から4年目に入っております。今、私たちの運動は大きく開花しつつある。それは高裁宛て5万、最高裁宛て7万の署名に規定されています。
 国鉄闘争は終わっていないという呼びかけが、新自由主義のもとで苦しむ全労働者の共感を呼び起こしつつあります。
 課題は、署名運動がつくり出した全国無数の運動の芽をつなぎ合わせ、育てていくことです。
 9〜10月にかけて全国三十数カ所で国鉄集会が開かれました。国鉄闘争の成果を新たな拠点の建設に向けてどうつなげていくかという志(こころざし)が語られました。一つでも二つでもそれが実を結ぶならば、それは大きな展望になっていくと確信しています。
 全国運動にとっては来年が飛躍の年です。労働者の結集した力を、私たちは日本に再生しつつある。今、安倍内閣を阻止する最大の力は労働者の結集した力にあります。ともに頑張りましょう。

JR業務外注化阻止を

CTS労働者と一体で闘う 
動労千葉書記長 長田敏之さん

 今年の5・2ストライキでは初めて「CTS(千葉鉄道サービス)の労働者を守れ」というスローガンを掲げて闘いに立ち上がりました。
 昨年4月にCTSはプロパーの労働者を新たに雇用しました。外注化の目的は「高齢者の雇用の場の確保」と言っているにもかかわらず大量採用した。しかも、1年足らずの教育で現場に配置し、仕業検査につけることが強行された。このままだったら労働者がミスを犯す。それは必ず労働者に責任転嫁される。それを許してはいけないと、ストに立ちました。
 10・1ストもそうです。プロパーの労働者が構内運転をやらされるところまでいきました。安全に直結する業務です。
 CTSの労働者とJRの労働者が一体となって闘う。これが外注化を止める最大の道だと確認して闘い、CTS労働者3人が動労千葉に加入していただきました。

当たり前の生活をしたい 
動労千葉CTS組合員

 会社には、試験に受かれば正社員になれるということで入りましたが、所長とか上層部に気に入られなければなれないという実態が分かり愕然(がくぜん)としました。契約社員は手取りが、日勤だけですと下手をすると10万円を切る。夜勤で17~18万円です。
 動労千葉に入ったのは、働いて当たり前の生活をしたい、これに尽きます。

被曝の強制と断固闘い抜く 
動労水戸委員長 石井真一さん

 JRが6月1日から常磐線を竜田まで延伸して誰もいないところに電車を走らせたことに対して、動労水戸はストライキで闘い抜いてきました。健康被害は広がっています。いわき運輸区では3人に血液異常が出ています。国鉄労働者に死ねという攻撃に対し、断固、闘い抜きます。
 今、大子事業所で水戸鉄道サービスがやっていることは、デタラメきわまりないことです。たった1カ月の教育で仕業検査の仕事をやらせる。誘導担当の人に2~3回の見習いだけで仕業検査をやらせる。これで安全が守れるでしょうか。俺たちがそんなに簡単な仕事をやってきたんでしょうか。怒りではらわたが煮えくり返っています。
 私たち動労総連合が、外注化を粉砕し全部JRに戻して、断固復帰することを宣言します。

動労総連合の決意に応える 
国労郡山工場支部 橋本光一さん

 9・11郡山闘争は、JR東日本に目にもの見せてやることができました。国労という組合は、現場の組合員が外注化阻止の闘いに立ち上がろうとしたのに、中核派がどうのこうのなどと理由にもならない理由を付けてつぶしてしまうような組織であることが明らかになったということじゃないでしょうか。
 重要なことは、動労総連合がJRの反合闘争・外注化阻止闘争全体に責任を取る立場で決起したこと、特に動労総連合の青年がきわめて主体的にその先頭に立ったことです。この動労総連合の決意に私は応えなければならないと思っています。
 切迫した情勢の中で「俺は国労だ」「俺は動労だ」のスタンスのままでいいはずはありません。私たち自身の変革が求められています。

(写真 動労総連合の青年が登壇。左から北嶋さん、照沼さん、演壇中央に立つ山田さん)

大量退職問題に立ち向かう
動労千葉青年部長 北嶋琢磨さん

 大量退職問題が大きい課題として立ちはだかっています。動労千葉青年部が団結し、若い力の結集をかちとることが、今一番必要なことです。
 動労総連合青年部の一員として全国に俺たちの力を広げる。それを実現したいと思います。

総連合青年部全国につくる
動労水戸 照沼靖功さん

 JR体制の外注化、被曝労働、すべて止められるのは労働組合の力しかない。「俺は国労」「俺は動労千葉」という壁を越えて団結すること、職場で正規、非正規が団結して闘うことです。動労総連合青年部を全国につくりたいと思います。

JRは尼崎事故の責任とれ
動労西日本書記長 山田和広さん

 JRは尼崎事故への批判や国鉄解雇撤回、分割・民営化絶対反対を職場で訴えることも許さず、裁判所もそういう判決を出しました。動労総連合を全国につくり外注化・非正規職化を覆そう。尼崎事故の責任をJR西日本にとらせよう。

貪欲な資本への反撃に立つ セウォル号の惨事究明せよ

韓国から/民主労総ソウル地域本部副本部長
イヒョンチョルさん

 セウォル号惨事は単純な事故ではなく、虐殺でした。「じっとしていろ」という言葉で、300人を超える無辜(むこ)の生命が海の中に沈んでいます。
 資本の貪欲(どんよく)が生んだ人災でしたが、ただの1人も救出できなかった無能な大統領は責任を負っていません。「国家大改革をする。真相を究明する。責任者を処罰する」と言った大統領の約束も守られていません。
 慰労されねばならない遺族たちが光化門広場で、国会前で、青瓦台前で、特別法制定のために闘い続けています。数万人に近い市民たちがハンストに参加しました。
 遺族が願う捜査権と起訴権を付与した特別法を無視したまま、国会で与野党が特別法について合意しましたが、遺族の要求は反映されませんでした。私たちは最後まで遺族とともに闘います。
 昨日はセウォル号惨事から200日の日でした。ソウルで多くの労働者・市民が集会に参加しました。10月22日には民主労総ソウル本部が「セウォル号惨事の徹底した真相究明を要求するソウル街頭行進」を行いました。民主労総は毎週金曜日に「待つことのバス」に乗ってチンドのペンモク港に行って、今も海の中から出てこない9人の遺族たちを守るために一緒にやっています。
 安全が保障される国のために、利潤より生命のために、人間が中心になる世の中のために、黙っていません。行動します。トゥジェン(闘争)!

組合員は誇りを取り戻した 
アメリカから/ロサンゼルス統一教組(UTLA)首席副委員長 セシリー・マイアトクルスさん

 この3年間は、UTLAにとって本当に厳しい時期でした。教育長ジョン・デイジーと、組合員の求めることを優先しない組合委員長という、最悪のコンビだったからです。
 教師の評価に生徒のテスト成績が導入されました。また、「教師監獄」が生まれました。これは教師から仕事を取り上げ、学区の事務所の小部屋に隔離するものです。
 そこに団結して立ち上がったのが、私たち「ユニオンパワー」です。私たちには学校や教師が求めるプラン・綱領・展望があり、反撃して変化を起こそうと誓いました。これを成し遂げるのに2年を要しました。一人ひとりと話し合うことがきわめて重要だからです。
 私たちはシカゴなどの闘いを伝えようと考えました。生徒に目を向けた運動が自らの闘いと一体で推進されています。ユニオンパワーも「ロサンゼルスの生徒にふさわしい学校づくり」を最重要テーマとしました。
 14年5月、執行部7人全員と中央委員27人の当選を果たしました。UTLA史上初の快挙です。
 組合員は組合への疎外感から離脱しつつあります。組合員としての誇りを取り戻してきました。
 私たちは教育長デイジーに圧力をかけ続けました。彼の破綻した戦略、彼のiPad導入に向けた自社株購入権、生徒の出席と成績を記録するコンピューターシステムの導入に対してです。私たちは記者会見や教育委員会の会議、学校現場で堂々と発表し続けました。
 最も重要なことは、絶対にあきらめなかったことです。10月16日、教育長デイジーはついに辞職しました。
 学校で組織化し現場で力をつけていくことを開始して、私たちは勝利できることを実感しています。ガンバッテ!

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