知る・考える 用語解説 新自由主義/大学の自治

週刊『前進』06頁(2658号05面06)(2014/11/24)


知る・考える 用語解説
 新自由主義/大学の自治

新自由主義-帝国主義の最後の延命策

 現在の社会では、徹底した競争原理のもとで「命より金」「安全より企業の利益」といった考え方と政策がまん延し、資本の金もうけのためなら労働者をどれほど酷使しようが、安全を切り捨てようが構わないというあり方がまかり通っている。それはまさに資本の金もうけを第一とする資本主義の「究極の姿」だ。このように、資本にとって金もうけの邪魔となる制度や制約のすべてを撤廃し、資本の利潤追求を無制限に行えるようにすることを「新自由主義」と呼ぶ。
 この新自由主義が引き起こした大惨事こそ福島第一原発事故である。新自由主義の行き着く先は、まさに人間の生きる社会そのものの破滅・崩壊なのだ。
 新自由主義は、帝国主義の戦後発展の行き詰まりを歴史的背景とした「最後の延命策」であり、その最大の核心は労働運動・労働組合を破壊することにある。そうして一人ひとりの労働者をバラバラにして「無力な一個人」へとおとしめ、つながりや連帯感や仲間意識を一掃し、究極的には労働者の団結と自己解放の思想であるマルクス主義の撲滅を狙う。
 これに対し、動労千葉を先頭とする国鉄闘争は、日本における新自由主義の出発点となった国鉄分割・民営化と真っ向対決し、労働組合の団結こそ新自由主義を打倒する力であることを示した。

大学の自治-国家権力の支配を許さない

 大学は、思想や学問・研究の自由を守るためには、時の国家権力の支配から自由でなければならない。したがって、警察官といえども勝手に大学構内に立ち入ることは許されない。大学内のことは大学自身が決める。そしてこの大学の自治は、学生の自治が土台にあって初めて成り立つ。学生自治会と学生運動の存在、寮や学生会館の自主管理は大学の自治を守る上でも絶対不可欠だ。
 戦前の日本では、「特高警察(特別高等警察)」という名の思想警察によって天皇制への批判が禁止され、反体制・反政府の言動が徹底して弾圧されていた。大学は支配階級による「国策」推進の機関となり、学問研究の自由は奪われ、最後は大量の学生を兵士として戦地に送り出すなど戦争に全面協力していった。戦後に確立された大学の自治は、この歴史に対する痛切な反省に基づいている。
 だが今日、新自由主義による教育の民営化のもとで、戦後の大学自治は再び根本的に破壊されている。大学の最高決定機関を財界のトップが牛耳り、金もうけのための大学に変質させてきた。日帝・安倍はその上に、新たな戦争と思想弾圧の道に突き進もうとしているのだ。
 これを粉砕して大学を権力と資本の支配から解放することが求められている。学生自治会の再建こそその核心である。
このエントリーをはてなブックマークに追加