知る・考える用語解説 「暴力革命」/非正規職化

週刊『前進』08頁(2659号07面04)(2014/12/01)


知る・考える用語解説
 「暴力革命」/非正規職化

「暴力革命」-人間の共同性奪い返す闘い

 プロレタリア革命は本質的に暴力革命である。だがそれは、労働者階級の闘いと無縁なところで少数の武装集団がテロや陰謀を画策するようなものでは断じてない。支配階級や日本共産党は、暴力革命の内容をそのように意図的にねじ曲げ国家権力と闘う革命党を「過激派」「極左暴力集団」などと悪罵し続けてきた。
 このようなデマ宣伝とは異なり、現実のプロレタリア革命は労働組合を基礎とした膨大なプロレタリアートが支配階級を実力で打倒する闘いであり、その団結と自己解放の最高の表現である。
 そもそも現在の資本主義社会は、軍隊や警察、監獄制度といった暴力装置を実体とする国家権力が労働者人民を日常的に威圧・支配し、自由を奪うことで成り立っている。まさに国家とは「支配階級が他の階級を抑圧するための組織された暴力」(マルクス)であり、この国家暴力の全面的発動が戦争である。
 プロレタリア革命は、資本主義社会の搾取・収奪とこの陰惨な暴力支配を打ち破り、現存の国家権力を解体して労働者階級自身の権力を打ち立てる。この躍動感あふれる闘いを通じて、労働者階級は奪われてきた人間社会の共同性を奪い返し、人間の持つ力と可能性を根底から解き放ち、資本主義に代わる新しい社会を建設することができるのだ。

非正規職化-新自由主義の極限的な搾取

 労働者は生産と社会を成り立たせている主人公でありながら、今日の社会では資本の賃金奴隷にされている。非正規職化は、資本主義のもとで労働者が置かれているこの本質を鋭く突き出している。
 非正規職は、国鉄分割・民営化と労働者派遣法を機に拡大した。民営化・外注化と一体でパートやアルバイト、契約社員、派遣社員などへの置き換えを進め、いまや労働者の4割、青年・女性労働者の半数を超えた。さらに日帝の大資本は全労働者の非正規職化を叫んでいる。
 非正規職化は、労働者階級が闘いとってきたあらゆる権利を奪い取る。正規職の半分から3分の1の賃金、極限的な搾取と解雇の自由。労働者の誇りを奪い、使い捨て、団結を破壊。安全の崩壊と貧困を強制し、青年が子どもを生み育てることもできなくすることで、労働人口の急減と社会の崩壊をもたらした。既成の労働組合指導部がこの攻撃と闘わず、屈服・容認し続けてきたことは労働運動自身の弱体化・無力化を生んだ。
 だが職場での正規と非正規の分断を打ち破り、全労働者が一つに団結して立ち上がるなら、資本の支配を覆すことは必ずできる。非正規職撤廃は、韓国・民主労総をはじめ新自由主義と闘う全世界の労働者の共通の課題だ。闘う労働組合をよみがえらせる核心もここにある。
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