1・22現代の治安維持法と闘う会結成集会へ 戦時弾圧立法を絶対許さない

週刊『前進』06頁(2664号01面02)(2015/01/12)


1・22現代の治安維持法と闘う会結成集会へ
 戦時弾圧立法を絶対許さない


 1月22日午後6時から東京の日比谷公園に隣接する弁護士会館の講堂「クレオ」で、「現代の治安維持法と闘う会」の結成集会が開催される。特定秘密保護法の施行に続き、安倍政権が盗聴法改悪などの治安弾圧強化や安保関連法制を推し進めることに、怒りを燃やして立ち上がった呼びかけ人の方々から、熱烈なアピールが発せられた。全力で結集しよう。(編集局)

「現代の治安維持法と闘う会」を結成しよう

■「7・1閣議決定」情勢下の治安弾圧強化と闘おう
 東アジア―朝鮮半島で戦争の危機が切迫しています。安倍政権は、世界大恐慌と国際的な権益争いにおける敗勢に追いつめられ、「この道しかない」と、戦争に突入していく「いつか来た道」を突き進んでいます。昨年、安倍政権は、集団的自衛権を容認する「7・1閣議決定」を強行し、「現代の治安維持法」と弾劾される特定秘密保護法を民衆の怒りの中で施行しました。さらに、日本を「戦争をする国」にするために、戦争関連法案と共に盗聴法の改悪や司法取引の新設、「共謀罪」等々の治安立法を成立させようと策動しています。
 「生きさせろ」という労働者のぎりぎりの闘い、反原発のとどまることのない闘い。私たちの怒りは、昨年末の「自民大勝」という選挙結果に対してますます燃え上がっています。
 15年戦争下では、社会運動が完全に封殺され、「国体」に反するとみなされたすべての思想・言論・信教が厳しい取締りの対象になりました。この抑圧に使われたのが「治安維持法」を筆頭とする治安法体制でした。治安維持法による最後の大弾圧である「横浜事件」は、出版関係者など六十数名が、当局によるでっち上げによって検挙され、激しい拷問の末に5名(1名は出獄直後に死亡)が殺された事件ですが、「総力戦」を遂行するための翼賛体制に不都合なものは全て圧殺しようとした権力の意図は明白です。権力が戦争を遂行するには「治安の維持」が絶対に必要な前提なのです。
 今、集団的自衛権行使のための法案と同時に、「安心・安全の市民生活」のためと言いながら、排外主義をあおり、人びとの団結を破壊しようとする治安体制作りが進められようとしています。
■警察の盗聴拡大を許すな!
 安倍政権は、盗聴の拡大をはじめ司法取引や匿名証人の導入などの新捜査手法を盛り込んだ法案提出を予定しています。全国の警察施設で警察が立会人なしの盗聴が可能になり、しかも、盗聴対象は飛躍的に拡大され、人びとのつながりが監視の対象とされます。電話やメール等の盗聴のみならず、盗聴器設置による室内盗聴も狙われています。「実行行為」以前の段階で弾圧する共謀罪新設策動と一体の治安立法です。
 司法取引とは、自分が助かるために他人を売り渡すことを奨励する仕組みであり、人びとを分断し、デッチ上げ弾圧を促進します。匿名証人制度も、スパイが身分を隠して犯罪を作り上げることにつながります。こんな悪法は絶対に許せません。
■労働運動を破壊し戦争に動員する秘密保護法を廃止せよ
 特定秘密保護法は、国家権力にとって都合の悪い情報を全て隠し、労働者民衆に「見ざる・言わざる・聞かざる」を強制して、戦争に動員するための言論弾圧をもくろむ治安法です。また、権力が情報を支配するだけではなく、「特定秘密」に関わる広範な労働者が「適性評価」の対象とされ、身辺調査や監視が行われ、思想や信条による差別・選別が合法化され、労働者の団結は破壊されます。
■「現代の治安維持法と闘う会」の結成集会に集まろう
 歴史を繰り返すわけにはいきません。治安弾圧は、原則的かつ大衆的に反撃をすることで打ち破れます。新自由主義下の戦争と治安弾圧攻撃の全体像を明らかにし、民衆の側に立つ弁護士の運動やえん罪との闘いとも広範に結合して、大衆の団結を作り出しましょう。安倍政権の「現代の治安維持法」攻撃を断固として拒否し、葬り去りましょう!
 この攻撃に立ち向かい共に闘うため、「現代の治安維持法と闘う会」結成集会にお集まりください。

〈連絡先〉
 東京都港区新橋2―8―16石田ビル4階
 電話03―3591―8224 FAX03―3591―8226
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現代の治安維持法と闘う会結成集会
 日時/1月22日(木)午後6時
 会場/弁護士会館2階講堂クレオ(東京都千代田区、日比谷公園霞門向かい、地下鉄霞ケ関駅から徒歩1分)
 記念講演/荻野富士夫さん「治安維持法の時代を考える」
 呼びかけ人
◎荻野富士夫(小樽商科大学教授)
◎内田剛弘(弁護士)
◎五野井郁夫(高千穂大学准教授)
◎長谷川英憲(救援連絡センター運営委員)
◎森川文人(弁護士)
◎山本志都(弁護士)

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呼びかけ人の紹介

荻野富士夫さん
 小樽商科大学教授。日本近現代史を専攻し、戦前・戦後日本の治安体制と初期社会主義思想を研究。小樽出身のプロレタリア文学作家・小林多喜二の研究にも長年取り組む。著書は『戦後治安体制の確立』(岩波書店)、『横浜事件と治安維持法』(星雲社)、『特高警察』(岩波新書)、『思想検事』(岩波新書)など多数。
 (おぎのふじお)

内田剛弘さん
 弁護士として54年間一貫して人権問題に取り組む。弁護士になってすぐ、60年安保6・15国会突入闘争で北小路敏同志を始め23人の学生の弁護人となる。数多くの公安事件、労働事件、表現の自由を争った大島渚監督の「愛のコリーダ」事件(無罪判決)、サリドマイド訴訟などの医療・薬害事件、横浜事件第3次再審請求などで活躍。1990年〜2001年、自由人権協会代表理事。著書に『司法の独立と正義を求めて半世紀』(田畑書店)。
 (うちだたけひろ)

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