知る・考える 用語解説 帝国主義戦争/「官製春闘」

週刊『前進』06頁(2664号05面05)(2015/01/12)


知る・考える 用語解説
 帝国主義戦争/「官製春闘」

帝国主義戦争―資本家同士の強盗的戦争

 現在、中東やウクライナで戦争が始まり、東アジアでも新たな戦争の危機が切迫している。戦争当事国(アメリカ、ロシア、EU諸国、日本など)の政府は、いずれも「自衛のため」「国民の生命・財産を守るため」「テロとの闘い」等々の言葉で自らの戦争行為を正当化し、その真の目的を押し隠そうとしている。 だがこの戦争は、実際には、これらの帝国主義諸国と大国が全世界の市場・資源・領土・勢力圏を互いに分捕りあい、他民族を暴力的に征服しようとする侵略的、略奪的な強盗同士の戦争であり、列強を牛耳る1%の資本家階級の利益と延命のために、その他の99%の労働者人民を互いに殺し合わせる戦争である。
 資本家階級とその政府は、労働者人民の間に国家主義・排外主義と民族的憎悪をあおり立て、彼らを戦争に動員することで、その団結と国際連帯を破壊し、自らの支配を維持しようと狙う。その行き着く先は、第1次、第2次大戦に続く3度目の帝国主義世界戦争である。
 だが、戦争は労働者階級の全面協力なくしては遂行できない。労働者階級が戦争協力を断固拒否し、他国の人民と連帯して自国政府=帝国主義打倒の闘いに立ち上がること――すなわちプロレタリア革命こそが、戦争を阻止し、この世界から一切の戦争をなくす唯一の道である。

「官製春闘」―階級対立と賃金闘争の否定

 労働者反乱の恐怖におびえる安倍政権は、経団連、連合との政労使会議で「賃上げ努力」で合意したと大宣伝している。労働組合が資本と実力で闘うのではなく、政府が「賃上げ」を呼びかけ資本家団体が「最大限の努力を」と応える「官製春闘」だ。それは春闘でも何でもない。労働者と資本の非和解的な階級対立を否定し、労働組合の団結と賃金闘争の破壊を狙う攻撃である。
 これまで春闘は、ストライキを武器に全産別の労働組合が賃金の一律引き上げ(ベースアップ)や労働条件の改善を求め、団結を固める最大の闘いとして続けられてきた。安倍は「賃上げ」のうそとペテンでこの春闘を解体し、定期昇給の廃止と成果主義賃金への転換、8時間労働制の解体、労働者派遣法の改悪、大量解雇・非正規職化による大幅賃下げと団結破壊を一気に進めようとしている。
 しかし大恐慌が戦争に転化し、「生きさせろ!」の闘いが燃え広がる春闘の革命的再生の時だ。消費増税と物価高で実質賃金がどんどん切り下げられている。社会の富のすべては労働者が生み出したものだ。「資本のおこぼれ」のまやかしなど通用しない。職場生産点でストライキをよみがえらせ、外注化阻止・非正規職撤廃、解雇を許さず大幅賃上げを求める15春闘の爆発をかちとろう。

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