「テロ非難」決議に賛成の共産党は戦争と闘えない

週刊『前進』08頁(2670号02面03)(2015/02/23)


「テロ非難」決議に賛成の共産党は戦争と闘えない


 2月5、6日、衆参両院本会議で「テロ非難決議」が全会一致で採択された。日本人人質殺害事件を「非道、卑劣極まりないテロ行為」「いかなる理由や目的によっても正当化されない」と非難し、「決してテロを許さない姿勢を堅持する」と表明した。これは「テロ非難」を掲げて日帝・安倍の中東参戦に加担・翼賛するものであり、断じて許せない。特に、その先頭に日本共産党が立っていることを声を大にして弾劾したい。
 集団的自衛権行使容認の7・1閣議決定をもって戦争と改憲の道に完全に踏み込んだことの先に安倍の中東参戦が続いている。7・1は、今日の中東参戦の布石でもあった。労働者階級が全力で戦争絶対反対で闘うべきこの時に、日共は安倍の戦争政治に完全に同調したのである。
 この国会決議と同じことをすでに志位和夫委員長は2・1声明で表明している。「(人質殺害は)いかなる口実をもってしても許されない残虐非道な蛮行であり、深い憤りを感じる。無法なテロ行為を、怒りを込めて断固として糾弾する」。しかも国会決議以上に激烈に、「いま求められているのは、国際社会が結束して、過激武装組織『イスラム国』に対処し……外国人戦闘員の参加を阻止し、資金源を断つなど、孤立させ、追いつめ、武装解除と解体に追い込んでいくことである。日本政府の外交も、こうした方向に資するものとなるべきである」と言った。完全に安倍のこの間やってきたことを容認し、免罪し、加担しているのだ。
 ここでは、帝国主義の中東侵略戦争こそが元凶であるということが完全に否定され、空爆をしている「有志連合」を先頭とする「国際社会」の結束(!)が呼びかけられている。「武装解除と解体」とは、武力=戦争によってせん滅するということではないか。
 安倍はこの間、2人が人質になったことを知りつつ、46社もの大企業幹部を引き連れて中東訪問を強行し、帝国主義的権益を獲得するための外交を行った。「『イスラム国』と戦うために2億㌦拠出する」とカイロ演説を行い、1・20人質殺害の映像が出た後では、イスラエルで「テロには屈しない」と演説した。この安倍の帝国主義外交、中東参戦が2人を殺したのだ。断罪されるべきは日帝・安倍である。
 もとより「イスラム国」は、労働者階級の解放闘争に敵対する武装反革命であり、まったく相いれない。だが、それは帝国主義の侵略戦争の中で生み出されたものであり、労働者階級の国際的団結によってこそ、打ち破ることができる。
 ところが、日共は帝国主義の側から「イスラム国」を非難するのだ。日共は「イスラム国」が超階級的な「人類の敵」であるかのように言う。日共にとって「テロ」こそ、帝国主義と一緒になって壊滅すべき最大の敵である。これは、革命に対する日共の恐怖の現れである。「資本主義の枠内での民主的改革」という彼らのスローガンは、その「枠」=体制を打倒しようとする者を「テロリスト」として粉砕するという意味だ。
 志位は、ペテン的に戦争反対のポーズをとるが、「人質事件」で安倍に翼賛しながら「戦争反対」などありえない。
 日共の池内沙織衆院議員がツィッターで「国の内外で命を軽んじる安倍政権の存続こそ言語道断」と言ったのを、志位は「政府が全力を挙げて取り組んでいる最中に不適切だ」ととがめて、削除させた。池内の至極当然な言葉をも排撃するほど、安倍に屈服しているのが日共中央だ。日共の党内外から今、「これはあまりにもおかしい」「誰が敵なのか?」という不信と憤りの声が猛然と起こっている。その通りだ。日共は現実の戦争と闘えないし、労働者階級の味方ではない。
 今こそ日共中央をのりこえ、「大恐慌・戦争を革命へ」と闘おう。
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