「農地守る会・茨城」結成 労農連帯集会 市東さん迎え動労水戸を軸に

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週刊『前進』06頁(2672号05面03)(2015/03/09)


「農地守る会・茨城」結成
 労農連帯集会
 市東さん迎え動労水戸を軸に

(写真 労農連帯集会の大成功を確認し市東さんへの熱い連帯を込めて団結ガンバロー【3月1日 つくば市】)

 3月1日、茨城県つくば市で、三里塚芝山連合空港反対同盟の市東孝雄さんを招いて、「許すな!米価と賃金切り下げ・非正規化/労働者農民連帯集会」が開かれた。県内を中心に50人が参加し、「市東さんの農地を守る会・茨城」を結成し、大成功した。
 茨城県地域連帯労組の女性労働者の司会で集会が始まった。まず、呼びかけ人で動労水戸書記長の木村郁夫さんが主催者あいさつを行った。「私も実家が農家。成田空港の完成を阻む市東さんの農地を、私たちの力で守ろう。安倍政権の戦争政策、農民を切り捨てるTPP、原発推進と帰還の強制などの攻撃に対し、労農が連帯して闘うことが未来を開く。茨城の地で市東さんの農地を守る会を発展させよう」
 続いて市東さんが登壇した。スクリーンに天神峰現地と空港施設の衛星画像、自宅周囲や畑の様子をスライド写真で映し出し、市東さんが自らレーザーポインターを使って説明した。作物の葉の鮮やかな緑と豊かな黒い土に、参加者の目が奪われた。そして「動労水戸の被曝労働拒否の闘いは本当に大切。安倍政権のもとでは、労働者も農民も生きられない。そういう世の中を変えるのはわれわれです。3・29には成田市のど真ん中で集会をやります。若い人にも集まってほしい。そして3万人署名を進めてください」と訴えて、大きな拍手を浴びた。
 次に、反対同盟と一体で闘う現闘本部の北里一枝さんが、「NAAはお金でなんとかなると甘く見て市東さんを裁判に訴えたが、それが誇りをもって農業に取り組む人の怒りをかきたてた。社会の99%である農民と労働者が連帯することを大きく打ち出した今日の画期的な集会にぜひ参加したいと思った」と感動を込めてあいさつした。
 「群馬・市東さんの農地を守る会」はメッセージを寄せ、「群馬のブランド米が1俵6千円。大規模農家が自殺に追い込まれている。力を合わせて市東さんの農地を守り、社会を変えよう」と訴えた。
 呼びかけ人の女性はカンパアピールで、「産直野菜が届くと、反対同盟の歌を口ずさんで調理します」と、市東さんへの限りない連帯を表した。
 休憩をはさみ、星野文昭さん奪還の決意を込めて「ソリダリティ」を歌ったあと、自治体労働者が「守る会・茨城」の規約と「結成の訴え」を読み上げ、拍手で確認された。参加者の自由発言では、農業とのかかわり、労農連帯への思い、市東さんへの質問が率直に語られた。小竹運輸グループ労組委員長の中村信幸さんは、「会社はつぶれてもいいが、農業をつぶしていいのか。食の安全、社会の未来を考えたら、安倍の農政は間違っている」と強調した。
 集会のまとめを動労水戸副委員長の辻川慎一さんが行った。組合結成以来の反対同盟・市東東市さん(孝雄さんの父)との交流の思い出を語り、「孝雄さんを茨城に呼ぶのは宿願だった」と胸の内を明かした。そして「食料の値段の押し下げと低賃金での労働者支配とは一体であり、戦争政策とも切り離せない。北陸新幹線開業に表される地方切り捨てに対し、3月ダイヤ改定阻止を掲げて立ち上がる。原発労働者を組合に組織して再稼働を止めよう。市東さんと団結して、全農民・労働者を獲得する時だ」とアピールした。
 集会を通して、市東さんの農地を守る闘いは、新自由主義と真っ向から対決する決定的な位置をもち、労働者人民の未来がかかった闘いであることが突き出された。そして労農連帯の発展をかけた挑戦の開始として、「守る会」結成の意義が明らかとなった。
 最後に、呼びかけ人で小竹運輸グループ労組副委員長の野澤英人さんが、「私も米作りの兼業農家。労農学の連帯で市東さんの農地を守ろう」と呼びかけ、会費とカンパを市東さんに手渡した。野澤さんの音頭で団結ガンバローを三唱し、豊かで熱い闘いのきずなを誓い合った。
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