ダイ改はJR体制崩壊の始まり 全面外注化と労組絶滅の攻撃=第2の分割・民営化粉砕しよう 上野東京ライン 労働者に何が起こるか

週刊『前進』08頁(2674号02面01)(2015/03/23)


ダイ改はJR体制崩壊の始まり
 全面外注化と労組絶滅の攻撃=第2の分割・民営化粉砕しよう
 上野東京ライン
 労働者に何が起こるか



(写真 上野駅構内の平面交差)


 3月13日、国鉄高崎動力車連帯労働組合は、動労千葉の春闘第1波ストと一体のものとして、高崎車両センター籠原(かごはら)事業所と高崎鉄道サービス(TTS)籠原事業所の前で、ダイヤ改定=第2の分割・民営化攻撃への反撃をたたきつけた。この闘いはJRを追い詰め、資本と結託していた東労組や国労の裏切りの姿も暴き、動労総連合への共感を広げて大勝利した。

JR資本の妨害はねのけ籠原事業所前で抗議行動

 この日、籠原事業所前や籠原運輸区、籠原駅ホームには二十数人の勤労課がものものしい威圧態勢をとろうとしたが、労働者の怒りはそれを吹き飛ばして、もうけ優先、地方切り捨て、安全崩壊、労働強化、首切りのダイ改を徹底弾劾した。
 加須市職労の組合員やさいたまユニオンなどの支援が集まり、群馬の仲間もマイクを取って戦闘的機運が広がった。東労組の青年労働者がにこやかに話しかけ、車内広告作業の労働者から「とても張りきれないよ」と声が飛んだ。清掃労働者があいさつしながらビラを受け取った。圧勝だ!
 動労連帯高崎の漆原芳郎副委員長が、「勤労課は昨日から駅にもホームにもいる」「構内業務を一括外注化しているのにダイ改でJRに戻すのは外注化の破綻だ。外注契約はでたらめだ」「どろ縄式のダイ改で現場は大混乱している。担務指定が昨日夜10時過ぎまでかかった。さっきも点呼で大混乱した」「説明の場を急遽(きゅうきょ)『訓練』と書き換え、ダイヤ改正前に訓練したと言いくるめようとしている」と告発・弾劾した。
 清掃労働者は「何もかもあやふやで上野東京ラインを走らせ、清掃は超過重労働になり、賃金も上がらない。トラブルがあれば終電まで遅れ、睡眠不足が重なって過労死になりかねない。TTS労組(東労組傘下)に賃上げ交渉をしてくれと言ったがやらない。本音が言える職場にするために仲間をつくる」と決意を語った。

地上22メートルもの高架安全の崩壊はさらに進む

 これは日本帝国主義の根幹を打ち破り、労働者の団結を拡大する歴史的闘いの始まりだ。
 第一に、3・14ダイ改は今までのそれとも違い、鉄道事業者としての公共性をすべて投げ捨てた破滅的な大攻撃だ。
 97年の長野行新幹線の開通で寸断された信越本線は、今回のダイ改でさらに切り刻まれ、北陸本線も寸断された。
 中でも動労連帯高崎の職場がひとつの軸になる上野東京ラインは、安全無視のかたまりだ。神田駅付近で新幹線線路の上を地上22㍍(ビル7階部分に相当)まで一気に駆け上がる構造にした危険性も、その一つだ。この急勾配では、ラッシュ時に古い車両が止まった場合は再起動できない。
 上野駅の5・6番線ホームと7・8番線ホームの南北では、常磐線・高崎線・宇都宮線の上下線が行き違いに平面で交差する箇所が2カ所できた(図参照)。平面交差は運転士にすさまじい緊張と過重な負担を強いる。しかも、乗務員の乗務距離は延長されている。
 平面交差はポイント機器の摩耗も激しく、外注化・非正規職化されている保線の問題ともあわせて安全は一層崩壊する。
 動労水戸が暴露しているように、勝田運輸区では「月に12回も職場に泊まる」運転士行路がつくられた。宿泊場所はまったく休める場所ではないことも、籠原での追及行動で明らかになった。
 3月14日はJR体制の最後的崩壊の始まりだ。闘いはこれからだ。動労総連合の組織建設で勝利しよう。

体制内労組幹部の屈服を許すな

 第二に、こんな大攻撃が、東労組と国労指導部の屈服のもとに隠されたまま強行されようとしていたことを徹底弾劾し、動労総連合への結集をかちとろう。
 3月初旬に籠原で行われたTTSの説明会は、連帯高崎を先頭とした現場の追及で「大荒れ」になった。そこで明らかとなった作業の変更は、①車両の分割併合作業が増えるのでJRの本線運転士による入区もできるようにする、②E231系車両とE233系車両を区別なく連結する(「共通運用」「こみ運用」と言う)、③出区点検はしない――というものだ。これに現場の労働者からの批判が相次ぎ、TTSは「ここは団交の場じゃない!」と逆切れし、「訓練はしない」と一方的に通告、「なんかあったらどうすんだ!」と怒号が飛ぶ事態になった。
 東労組と国労が組合員に隠していたことが、こうして明らかとなった。
 新前橋にあったE233系車両を小山と国府津に移管するのは、資本とカクマルの結託体制の崩壊でもある。東労組組合員の広域配転を強行するなどJRが東労組解体に踏み出したことに震え上がったカクマルは、ダイ改に率先協力した。国労は2010年の4・9和解でJRへの忠誠を誓った。これがダイ改強行をもたらしたのだ。

過労死もたらす清掃での強労働

 清掃現場では超労働強化=実質賃金低下が強要されている。上野東京ラインの開業に伴い籠原折り返しの車両が増加、清掃作業は大幅に増えた。高崎事業所ではダイ改当日から清掃しない車両が出た。日勤の出勤時間が一方的に早められた。同意なき労働条件の不利益変更であり労働契約法違反だ。これは東労組傘下のTTS労組の裏切りと闘争放棄の結果だ。
 過労死をもたらすような強労働を清掃部門の労働者に強いつつ、JRはその労働者を使い捨てにしようとしている。絶対に許せない。JRは清掃労働者の根底的な怒りを思い知れ!

動労総連合建設の先頭に立ち連帯高崎を拡大する

 第三に、「動労総連合に入ろう」と明示して職場で闘うことこそ、展望を開くということだ。
 2012年10月の検修・構内業務外注化に対し、動労千葉・動労水戸とともに動労連帯高崎は強制出向無効確認訴訟に立ち上がった。以降、職場での食事体制を始め、一つひとつを組織建設への団結づくりとして取り組み、国鉄解雇撤回10万筆署名運動と一体のものとして、9回の公開学習会を重ねてきた。これがじわじわとJRを追い詰め、「JR本線運転士による入区」という、外注化攻撃の総破綻に至ったのだ。
 籠原駅は上下約300本の車両が通り、2千数百両を分割併合する拠点駅だ。分割併合作業は本線・構内の運転士、検査係が一体でやらなければできない。その一部分を切り離して外注化することなど本来はできない。
 今回のダイ改は12年10月の外注化が破綻したことを示している。他労組が屈服する中で、動労総連合が偽装請負を告発し、外注化絶対反対で闘ってJRを追い詰めた結果だ。JRは業務委託をやめて、すべての労働者をJRの社員とせよ!

国鉄闘争の持つ求心力を発揮し

 第四に、全国の人びとを安全に輸送するという国鉄労働者の誇りをかけた国鉄闘争は、公務員職場や民間職場を結び、反原発闘争など社会の全課題を結び、安倍打倒の求心力になっている。
 3月1日の「市東さんの農地を守る会・茨城」の結成や3月15日の動労水戸支援共闘結成もその象徴であり、さらに圧倒的な求心力を持とうとしている。まさに国鉄闘争は日本帝国主義を最後的に打倒する闘いだ。
 JR関連の全職場に動労総連合を建設しよう。階級的労働運動を国鉄現場に取り戻そう。階級的労働運動の労組拠点を建設しよう。革共同埼玉県委員会は青年労働者の獲得を最基軸に据え、動労連帯高崎の組織拡大と動労総連合を全国に建設する闘いの先頭に立つ。
(革共同埼玉県委員会)

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