福島圧殺と再稼働・戦争許さない 3・11反原発福島行動が高揚 集会での発言から

週刊『前進』08頁(2674号04面01)(2015/03/23)


福島圧殺と再稼働・戦争許さない
 3・11反原発福島行動が高揚
 集会での発言から

(写真 集会の最後に全員で「原発いらない 命が大事の歌」を合唱【3月11日 郡山市】)


 3月11日、郡山市民文化センターで行われた「3・11反原発福島行動'15」には1100人の労働者人民が参加し大高揚した(前号既報)。集会での主な発言を紹介します。(編集局)

主催者あいさつ

被曝労働拒否は労組の課題 国労郡山工場支部 橋本光一さん

 原発事故から4年がたったが、第一原発には大量の核物質が残されたままで、いつ爆発してもおかしくない危険な状況です。十数万人がいまだに避難生活を強いられ、放射線量は高い値を示し、日常的に外部被曝、食べ物や呼吸による内部被曝にさらされています。
 小児甲状腺がんが多発しているのに、政府と福島県は原発事故が原因だと認めず、内部被曝を抹殺しています。原発では労災死亡事故が相次ぎ、東電は第一原発から高濃度の汚染水が海洋に流れ出すのを1年以上も放置していました。
 今年の3・11反原発福島行動は安倍政権、そして大資本家どもの戦争と原発再稼働、福島圧殺と帰還強制との闘いです。
 常磐道開通が強行された。昨秋の国道6号線の再開に続く被曝の強制です。環境省は大熊、双葉両町へ放射能汚染土を輸送しようとしている。JRは常磐線の不通区間の代行バス輸送に踏み切った。いわき運輸区では被曝労働で乗務員が白血病で亡くなっています。
 多くの人びとが怒りを持ちながら、しかし、あきらめが強制されていく中で、私たちは勝てる確信と闘いの方向性を示さなければならない。
 今、福島の反原発運動には、二つの大きな希望の光があります。一つは動労水戸です。昨年は常磐線竜田延伸に対して被曝労働拒否のストを闘い楢葉町の帰町宣言をやめさせました。被曝労働との闘いを労働組合の課題に押し上げる。原発なしに維持できない社会そのものを変革していく動労水戸のような闘いが、福島の労働現場に求められています。原発労働者の労組をつくることが原発をなくし、労働者の社会をつくる唯一の道です。
 もう一つの希望の光はふくしま共同診療所です。子どもたちの甲状腺がんの不安と向き合い、福島県立医大と対決し、仮設住宅を1戸1戸訪ねていく医療活動が大きな支持を集めています。
 動労水戸やふくしま共同診療所のような福島の怒りと結びつく実体をさらに大きくし、職場・地域に次々とその実体をつくり上げ、原発を必要とする社会の変革をかちとろう。この地球上から原発をなくそう。

福島からのアピール

戦争のできる国にさせない 郡山の高校生

 4年前、僕は小学校6年生でした。3月12日にお父さんが「原発が爆発するかもしれない。すぐ山形に行く」と言い、米沢に行きました。翌日のテレビで原発が爆発した映像が流れ「昨日逃げてきてよかった」と思いました。郡山市に帰ってきたのはその年の夏です。
 福島市や郡山市の放射能まみれの土嚢(どのう)を浜通りに搬送すれば、地中深くに入っている放射能まみれの土が地上に出てきて高い放射線が放出されます。
 一番悪いのは国です。日本を戦争のできる国にしようと、4〜5月ごろに法律も決めていく予定でいる。ひとたび戦争が起きて原発に1発爆弾を落とされたら、この日本は終わってしまいます。
 「原発反対」と訴え、デモなどでどんどん国に反発しましょう。世界各地の方々も味方です。頑張っていきましょう。

福島大に闘う学生自治会を 福島大学学生 樋口正太郎さん

 2月3日に福島大学キャンパス内で不当逮捕された仲間が不起訴で釈放され、この集会で司会を務めています。この逮捕の背景には大学当局の学生支配がある。私たちが活動をするようになって以降、当局は〝反原発を語る過激派団体に注意〟という掲示物や看板をつくり、学生を反原発活動から遠ざけてきた。こうした反原発運動つぶしが学生に「原発に反対することは過激」という意識をつくったのです。
 福島県警は私に2度にわたる出頭命令を送ってきた。私はこの命令を拒否し、仲間と警察署前で抗議行動を行い、みごと奪還をかちとりました。
 こんな大学を変えなければいけない。そのためには、御用自治会と化した福大学生自治会にとって代わる、闘う学生自治会が必要です。福島から学生が立ち上がれば世の中は一発で変わるでしょう。4月新歓、5〜6月安保・国会決戦、福大学生自治会建設へ、全国学生と団結して闘いたい。

人が扱えない原発いらない 動労水戸 會澤憲一さん

 動労水戸に昨年12月末に加入して2カ月半です。この集会はこれだけ多くの方が集まっているとも知らず、すごいなと感心しております。
 自分は3月11日の震災の後、1週間ほど電気が止まり、それからテレビをつけたら原発がどかんといってました。最初は現実に起きているものじゃないような印象でした。本当に信じられないことだと思いました。
 もう4年たって、いまだに収束の見込みがまったく立っていない。人が扱えるような代物じゃない原発は本当にいらないと実感しています。労働者一人ひとりの力は小さいと思いますが業種・職種を越えてこうやってたくさんの人が集まって反原発の闘いを進めていきましょう。

高線量地帯を走らせるな! 動労水戸 羽部圭介さん

 去年の常磐線竜田延伸反対のストライキへのご支援、どうもありがとうございました。
 再稼働などと言われるが、福島の現状を見たら誰もそんなことは言えないと思います。福島第一原発を安全な状態に収束させることこそ一番先にやらなければいけない。
 国道6号線や常磐道が開通して、JRの代行バスも走り始めました。このニュースを聞き〝復興のために走ってもらいたい〟という気持ちもありましたが、原発が収束してない中で線量の高い危険な地帯を走る、これはやはり命と直結している問題なわけで、やるべきじゃないと思います。
 仕事で郡山によく来ています。その都度、モニタリングポストの線量を気にして見ています。そのたびに4年たっても事故は終わってないと意識を新たにします。
 3月11日は大震災で亡くなられた人への祈りの日でもありますが、原発問題、放射能問題に正面から向き合って、もう一度みんなで考える日にしたい。みんなで頑張っていきましょう。

がん激増の原因は放射能 ふくしま共同診療所院長 布施幸彦さん

 2012年12月に開院して以来今までやってこられたのは、多大なる募金のお陰です。この間、大きく三つのことをしてきました。一つ目は子どもの甲状腺エコー検査。二つ目は仮設住宅の住民の健康相談。三つ目は除染労働者の検診です。
 小児甲状腺がんは117人の悪性、ないし疑いが見つかり、そのうち87人が甲状腺がんと確定しています。しかしいまだに県は放射能と関係ないと言う。これをひっくり返し、小児甲状腺がんが放射能性であると認めさせなければいけない。
 仮設住宅には13年1月から年間15〜16回訪問しています。最近は事前に戸別訪問をして直接「明日やります」と声をかけている。自殺者や孤独死が出ているからです。
 公安調査庁が昨年12月に、わが診療所を中核派の拠点だと書き、それを地元紙・福島民友がリークした。その後、役場から〝仮設の集会場は使わせられない〟と言われた。公安調査庁は、わが診療所が全国で報告会を行い、仮設住宅の住民と結びついて活動していると書いた。そのとおりです。国や県が嫌がることはどしどしやろう。
 3月8日の「被曝・医療 福島シンポジウム」には200人を超える人が集まってくれました。日本の再稼働を止めることが世界の原発を止める第一歩です。診療所スタッフは全国に打って出て報告会をやりたい。募金もお願いします。

全国からのアピール

福島とともに闘う労組建設 沖縄日本IBM・ビジネスサービス労働組合委員長 富田晋さん

 3・11から4年。僕は福島とともに闘うことを誓って、3年前に職場に組合を建設しました。
 福島の現実に触れると沖縄の怒りと同じものを感じます。政府・資本家は「原発反対」と言えば犯罪、「新基地建設反対」と言えば犯罪と、福島と沖縄の圧殺を両輪で進めています。こうした新自由主義政策に対して、国鉄全国運動を軸に結集することこそ原発の再稼働、新基地建設を阻止する最大の力です。
 沖縄ではわれわれ非正規職労働者が次々に労組を結成し、NTTや全逓、主要産別に闘いの旗を掲げている。その実践としてIJBS労組の仲宗根書記長、それから隣にいる高橋君の解雇撤回闘争を闘っています。
 職場で闘いを訴えると、職場を奪われることに屈服するのか、隣の労働者を信じて社会変革、革命の道を歩むのかという議論になる。労働者階級は被曝労働も戦争政策も阻止できるし、労働者が主人公の社会をつくれる。3・14のダイ改を破綻させ動労総連合の力ですべてを変えよう。

団結して国と闘い未来開く 長崎 被爆者 城臺美彌子さん

 長崎の地方紙から先日、「福島とどうかかわっていくのですか」と質問され、「福島を忘れないこと、福島のことを知ること、長崎と共通したところで反原発、反核、反戦でつながっていくことです」と答えました。
 今も内部被曝のことが隠されている。福島で甲状腺がんが増え続けているのに、環境省専門家会議は福島第一原発事故によって続出している深刻な健康被害を否定し〝100㍉シーベルトまでは安全〟と言いました。
 長崎で生き残った被爆者は髪の毛や眉毛が抜け、血液が足りなくて青白い顔で手ぬぐいや防空頭巾をかぶって隠れるように生活をしていたが、米軍が無理やりトラックに乗せて、ABCC(原爆傷害調査委員会)、現在の放射線影響研究所へ連れて行かれた。若い娘さんたちを裸にし、すべての検査をして、アメリカへデータを送った。しかし何ひとつ治療はされなかった。被爆者の健康被害を否定し低線量被曝を安全とする根っこはABCCにあります。
 長崎での保養に取り組みながら、市民、労働者が団結して国と闘い、未来を開く力になりたい。

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