知る・考える 用語解説 ゼネスト/国家戦略特区

週刊『前進』06頁(2678号05面04)(2015/04/20)


知る・考える 用語解説
 ゼネスト/国家戦略特区

ゼネスト-権力奪取の突破口開く闘い

 ゼネラル・ストライキの略。ある国や地域のあらゆる職場の労働者が職種や産別の違いをこえて階級として一つに団結し、同じ要求を掲げて同時・一斉に生産を止めるストライキに立ち上がること。
 ストライキは、労働者階級の階級的に団結した闘いの中にこそ、資本の支配を根底から覆していく力があることを示す。ゼネストはこの力を最高に高め、全面的に解き放つ。それはもはや個々の資本との闘いにとどまるものではなく、資本家階級全体との一大決戦だ。労働者はゼネストにおいて、自分たちの職場の狭い個別的な利害をこえて、労働者階級全体の普遍的で死活的な利害を一人ひとりが自ら体現し、貫くために闘う。
 したがってゼネストは、ブルジョア国家権力打倒の闘いを本質的にはらんでいる。実際にも、労働者階級がゼネストによって社会的生産を一斉に停止させる力を持つことは、資本家階級に代わって全社会の運営に責任をとる準備がすでにあるということだ。1917年のロシア革命は、まさにゼネストを土台とすることで、ソビエトの形成と武装蜂起=権力奪取の勝利を可能にした。
 大恐慌と戦争下での労働者階級の「生きさせろ!」の叫びをゼネストに転化することは、プロレタリア革命勝利への決定的で不可欠な突破口である。

国家戦略特区-規制を全廃し実質改憲狙う

 13年12月成立の国家戦略特区法は、東京圏、関西圏、福岡市、沖縄県など6区域を特区に指定した。この6区域だけで日本のGDP(国内総生産)の4割にも及ぶ。国家戦略特区とは、「地域限定」というペテンで、憲法や労働基準法などの法律に縛られない区域をつくって規制を取り払い、資本による無制限の搾取を認めるものである。
 たとえば「解雇ルール」なるものをつくって解雇撤回闘争の「未然防止」を図る。有期雇用契約時に5年を超えても無期雇用への転換は行わないことを特例として認める。医療を金もうけの手段に変える混合診療(保険が適用されない最先端の高額な医療の併用)の拡充や、農業への企業参入の拡大、公立学校の運営を民間委託する「公設民営学校」、保育士資格制度を解体し総非正規職化する「地域限定保育士」の新設も狙われている。
 安倍政権は改憲で、憲法9条破棄とともに労働基本権などの全面解体をも狙っているが、国家戦略特区はそこに道を開く実質改憲の攻撃だ。とくに、これまでできなかった「岩盤規制」を打破する「ドリル」の役割を果たすと位置づけられている。「推進役は民間事業者」とうたい、資本のもうけとなるなら、安全が崩壊し社会が破滅しようがあらゆる規制や基準を取り払う大攻撃である。
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