自衛隊が米軍と一体で戦争 新ガイドライン・安保法制粉砕を

週刊『前進』10頁(2680号10面01)(2015/05/04)


自衛隊が米軍と一体で戦争
 新ガイドライン・安保法制粉砕を

はじめに

 4月24日、韓国・民主労総の組合員27万人が歴史的な大ゼネストに決起した。パククネ政権打倒、新自由主義粉砕、そして南北朝鮮の革命的統一までやむことのない全人民的な大闘争が始まった。さらに民主労総は5・1メーデー闘争を経て6月第2波ゼネストへ進撃している。今や世界と日本のすべての階級意識ある労働者が固唾(かたず)をのんで民主労総の闘いを見守り、「次は自分たちの番だ」とその血を熱くたぎらせている。
 日本においては、辺野古基地建設に対する全沖縄県民の抑えがたい怒りが、今や日米安保を根底から撃つ全島ゼネストとなって爆発しようとしている。これは本土においても必ず、戦争と新自由主義に対する怒りの爆発=ゼネスト情勢を生み出さずにはおかない。
 第2次大戦終結から70年を経て、世界史は戦後最大の激動の時代に入った。大恐慌がいよいよ「恐慌の中の恐慌」へと突入する中で、アメリカ帝国主義が基軸国の地位から転落し、その世界支配力を急速に失いつつある。そして米、英、仏、独や中国、日本、ロシアといった帝国主義や大国が、自らの生き残りをかけて市場・資源・勢力圏の分捕り合いに乗り出し、全世界を戦火に巻き込もうとしている。資本主義・帝国主義のもとでは、「経済的競争が一層激しくなり、一層緊迫してくればくるほど、その上になお、軍事的にも競争相手を破産へと駆り立てようとする資本家の努力は一層強まる」(レーニン「第2インターナショナルの崩壊」)のだ。とりわけロシア大統領プーチンが「クリミア併合時、核兵器使用を準備していた」と公言したのをはじめ、帝国主義・大国が競って核戦争を準備している。絶対に許すことはできない。
 重要なことは、こうした全世界を巻き込む「戦争か革命か」の時代のダイナミズムの中で、日本における動労総連合建設を軸とした国鉄闘争があり、戦争・改憲をめぐる攻防があるということだ。安保国会決戦はその最先端の激突である。
 青年・学生を先頭に安保国会粉砕・安倍打倒の決戦へ、未来をかけて立ち上がろう。

日米安保「一変」の大攻撃

 安倍の訪米に伴う4月27日の日米外務・防衛閣僚会合(2プラス2)で、日米安保ガイドライン(防衛協力の指針)が18年ぶりに改定された。米軍と自衛隊の軍事協力を「まったく違うレベルに引き上げる」「日米同盟を一変するもの」(米国防長官カーター)であり、安保条約の全面改定に等しい。その転換性はどの点にあるか。
 第一に、集団的自衛権を含む自衛隊の武力行使を認めたこと、すなわち自衛隊が米軍とともに最前線で血を流して戦うことを前提とした「血の同盟」(安倍)へと、日米安保を転換したことである。具体的には、①交戦中の海域での機雷掃海、②「臨検」と呼ばれる強制的な船舶検査、③弾道ミサイルの迎撃、④戦闘中の他国軍への武器・弾薬の提供などが明記された。いずれも、この間の与党協議すら飛び越えた驚くべき内容だ。
 第二に、「周辺事態」の文言を撤廃し、米軍と自衛隊の共同行動の領域を全世界へ拡大したことだ。特に中東や南中国海の海上交通路(シーレーン)で自衛隊が米艦防護や機雷掃海を行うことを明記したのは重大だ。
 第三に、「平時から緊急事態まで切れ目のない協力」を掲げ、米軍と自衛隊の恒常的な軍事協力を明記した。自衛隊艦船による「平時から」の米艦防護や、航空機による周辺空域での「情報収集、警戒監視及び偵察」など多岐にわたる。
 第四に、日本側の要求で新たに「離島防衛」を明記した。他国軍の離島上陸の阻止、また占拠された離島の奪還のために、自衛隊が行う武力行使を米軍が支援するのを基本に共同作戦を行う。
 その上で、重大なのは次の点である。今回の日米2プラス2に先立ち、韓国政府は「韓国の主権尊重」を要求し、自衛隊が朝鮮半島の領土・領空・領海で軍事行動を行う場合には必ず韓国政府の「事前承認」を得るよう求めていたが、これはガイドラインに明記されなかった。安倍は韓国の意向を無視して、朝鮮半島への自衛隊上陸をも視野に入れた戦争準備を米帝と合意したのだ。

自衛隊の朝鮮半島上陸狙う

 今次ガイドラインにおける米帝の狙いは、台頭する中国を経済的・軍事的に封じ込めるために、自らの「アジア太平洋リバランス(再均衡)」戦略のもとに日帝を全面的に動員することにある。だが米帝はそれにとどまらず、朝鮮半島の革命情勢をにらみ、日韓を動員した朝鮮侵略戦争態勢の構築を急いでいる。韓国への終末高々度防衛ミサイル(THAAD)配備の動きはその最たるものだ。もとより旧ガイドライン(1997年締結)は93〜94年の朝鮮危機を背景とした米日の朝鮮侵略戦争遂行協定であり、この性格は今回も基本的に維持されている。現国防長官カーターはこの朝鮮危機の際に国防次官補として北朝鮮爆撃を強硬に主張した人物だ。
 他方で日帝・安倍の意図は、けっして日本共産党やカクマルが言うような「対米従属」ではない。むしろ対米対抗的に、領土や海洋権益をめぐる中国との衝突に「米軍を巻き込むための仕掛け」(拓殖大教授・川上高司)をつくることを狙い、さらに中東や朝鮮半島へ自衛隊が参戦することへの承認を米帝からとりつけたのだ。これを韓国政府の頭越しに合意した意味は重大である。
 だが、新ガイドラインは日米の矛盾と対立を本格的に爆発させずにはおかない。TPP(環太平洋経済連携協定)交渉の混迷にも明白なように、アジア太平洋地域の権益をめぐる日米対立は深刻であり、安倍の極右的言動に対する米帝中枢の不信と警戒も依然根深い。今回の日米会談でオバマが異様なほど「蜜月」ぶりを演出してみせたのも、実際には日米関係がまったく整合的でないことの裏返しであり、中国に対抗するために日帝を利用し尽くそうとする米帝の意図の表れである。軍事面でも日米は何ら一枚岩ではないのだ。
 何より日米安保の最大の矛盾は、沖縄の怒りが臨界点を超え、ゼネスト情勢を生み出していることにある。60年、70年闘争の地平を継承し、本土・沖縄を貫く安保粉砕の大闘争を巻き起こそう。

機雷掃海や臨検も無制限

 安倍政権は新ガイドラインの締結を踏まえ、5月15日前後に安保関連法案を国会に提出し、会期を8月まで延長して今国会で成立させようとしている。10本の法改定案の一括提出と1本の新法(国際平和支援法)提出となる予定だ(表)


 その内容は、大きくは次の五つに集約される。
 ①武力攻撃事態法を改定し、「存立危機事態」なる新概念を導入することで、日本が直接攻撃されなくても武力行使を可能にする。集団的自衛権の行使を含むあらゆる戦争行為を「自衛の措置」として合法化する。
 ②米軍への後方支援などを規定した周辺事態法を「重要影響事態法」へと改定し、「周辺事態」という概念を撤廃する。国連決議や国会承認なく全世界に派兵でき、米軍以外の他国軍への支援、戦争中の軍隊への武器・弾薬提供も可能になる。
 ③自衛隊の海外派兵を常時可能とする恒久法=「国際平和支援法」を新設する。自衛隊の活動内容は②と基本的に同じ。
 ④国連平和維持活動(PKO)協力法を改定し、国連の指揮下にない(PKO以外の)活動への参加、現地での治安維持活動も可能にする。
 ⑤自衛隊法を改定し、自衛隊任務を大幅に拡大する。武器使用基準を緩和し、平時からの米艦防護や武器を用いた日本人救出なども可能とする。
 以上のように、一連の安保法制は自衛隊の任務と活動範囲を大幅に拡大するものだが、その最大の柱は何と言っても「①武力攻撃事態法の改定」である。言い換えれば、安保法制は全体として「他国軍への支援」「PKO派兵の拡大」「平時からの米艦防護」など多岐にわたる内容だが、最大の眼目はあくまでも「存立危機事態における武力行使(=戦争)」にあるということだ。そこに法案全体の集約点があることをはっきり見なければならない。ガイドラインに明記した「機雷掃海」「臨検」「ミサイル迎撃」などを行う際の法的根拠となるのも、すべてこの①である。

「存立危機」と「自衛」で戦争

 そして、この武力攻撃事態法改定案のキーワードをなすのが「存立危機事態」「自衛の措置」である。すなわち時の政府の判断で、いや実際には国家安全保障会議(NSC)のたった5人の閣僚が「日本の存立が脅かされる明白な危険がある(=存立危機事態)」と断定した時点で、ただちに「自衛の措置」としての武力行使が「憲法9条のもとで許容される」というのだ。国会審議どころか閣議さえ経ず、問答無用で憲法を停止して戦争へ踏み出すことが可能になるのだ。
 すなわち、他の法案(②〜⑤)の中で部分的に「国会の事前承認」だの「武力の行使はしない」だのといったことが書かれていても、①の存立危機事態が発動された時点でそれらは何の意味もなさなくなり、無制限の武力行使が可能な状態へ移行するのである。
 したがって、野党や一部マスコミのように与党協議のペテン的な議論に振り回されて、各法案をバラバラに論評して「歯止めがあるかどうか」などと論じるのはナンセンスである。個々の法案の内容を正確に把握することは重要だが、まずもってこの①のすさまじい戦争法案の正体を徹底的に怒りを込めて暴露・弾劾すべきなのだ。
 では、武力行使の形態は具体的にどうなるか。

機雷掃海

 安倍は集団的自衛権行使の事例として「ホルムズ海峡での機雷掃海」を挙げるが、これには重大な意味がある。ホルムズ海峡は世界有数の原油輸送ルートだが、航路上には公海がなくイランとオマーンの領海で占められている。安倍は他国の領土・領空・領海だろうと日帝独自の判断で自衛隊を送り込み、自らの経済権益の確保のために武力行使できるようにするべきだ、と言いたいのだ。
 また安倍は、あたかも民間の原油タンカーの安全確保が目的であるかのように主張し、「機雷掃海は受動的かつ限定的な行為。空爆や敵地に攻め込むのとは違う」(昨年6月9日参院予算委)などと言っているが、ここに許しがたいペテンがある。軍事の常識から言って、交戦中に機雷が除去されれば、原油タンカーより先に陸上兵力を乗せた艦隊がその海域を通過して「敵地に攻め込む」のであり、それゆえ機雷掃海自体がきわめて能動的な戦争行為なのだ。しかも自衛隊が掃海を始めれば、当然相手国から反撃され、その場で交戦は不可避となる。米海軍省でさえ、機雷掃海は「能動的(active)」な作戦に分類される「戦争行為(act of war)」であると定義しているのだ。
 また機雷掃海とは、日帝が戦前の旧帝国海軍の時代から発達させてきた能力で、その技術は世界随一と言われる。日帝が他国に誇示できる数少ない「独自の軍事力」なのだ。安倍はそれを今日の戦争情勢下で「活用」しない手はないと考えているのだ。
 旧海軍掃海隊は戦後、米占領軍によって海上保安庁に移行され、朝鮮戦争下では米軍の要請で特別掃海隊を朝鮮半島沿岸に派遣、米軍の元山上陸作戦に先立つ機雷掃海を行った。その際、掃海船1隻が触雷・沈没し1人が死亡、18人が負傷した。このことからも明らかなように、機雷掃海は中東だけでなく、朝鮮有事の際の制海権確保のためにも必須なのだ。

臨検

 海上交通路などで自衛隊が船舶を強制的に停止させ、積み荷などを調べる「臨検」が、今回の新ガイドラインに明記された。これは7・1閣議決定にさえ書かれていない重大な踏み込みだ。
 現行の船舶検査活動法で可能なのは、国連安保理決議または旗国(船舶が属する国)の同意を得た上で、「船長の承諾」のもとで行う任意検査のみだ。これに対し、臨検は船長の承諾なしに強制検査を行うもので、海上自衛隊の艦船が船舶を拿捕(だほ)し、自衛隊員が殴り込み的に乗船し、抵抗する相手を武力で制圧して積み荷の検査を行う。対象が交戦中の国の船舶であれば、その場で本格的な海上戦闘や船員の射殺といった激烈な戦闘を伴うため、臨検は戦時国際法上の海戦法規の適用対象となる。
 この間の与党協議では「臨検は行わない」「自衛隊が行うのは平時の船舶検査に限る」などと言われていたが、新ガイドラインはそんなペテン的議論さえ飛び越えて、とてつもない踏み込みを明記しているのだ。

武器使用

 さらに自衛隊法改悪案では、これまで「正当防衛または緊急避難」の場合に限ってきた武器使用の基準が緩和され、「任務遂行のための武器使用」が可能とされる。これは何を意味するか。ある陸自幹部は「攻撃を仕掛けてくる相手の先手をうってせん滅すること」だと答えている(半田滋著『「戦地」派遣―変わる自衛隊』)。自衛隊の現場判断で先制攻撃も辞さないということだ。
 加えて重大なのは「武器使用を伴う在外邦人救出」である。「イスラム国」に対する武器を用いた人質奪還作戦も自衛隊の任務となる。これには自衛隊の事実上の機関紙『朝雲』も「人質奪還は極めて困難。米軍でさえ失敗している。現行法を改正すれば救出可能であるかのような主張は無責任だ」と社説で猛反対した。また別の陸自幹部は「人質を1人救うのに何人の自衛隊員が死ぬかわからない」(朝日新聞2・20付)と断言する。
 総じて安保法案全体が示す内容は、もはや自衛隊内からの任務拒否や反乱を含む怒りの爆発を不可避とするものだ。ここまで自衛隊兵士の命を軽んじた戦争法案を出しながら、「隊員の安全確保を条件に」などとぬけぬけとのたまう公明党もろとも、安倍政権と安保国会を労働者階級の怒りのデモとゼネストで吹き飛ばさなければならない。

5~8月安保国会決戦へ

 戦争・改憲をめぐる闘いは、日帝支配階級と労働者階級人民との壮大な「力対力」の激突である。勝利のために求められていることは何か。
 第一に、今日の戦争の階級的本質を暴き出し、「自衛の措置」と称して戦争をやろうとしていることを徹底的に弾劾していくことである。
 レーニンが何度も強調したように、「戦争とは別の手段による政治の継続である」という19世紀の軍事史家クラウゼヴィッツの格言を想起することが非常に重要だ。
 「戦争は別の手段による政治の継続である。どんな戦争も、それを生んだ政治制度と不可分に結びついている。ある大国のある階級が戦争前に長い間とってきたまさにその政治を、同じこの階級が、ただ行動形態を変えただけで、戦争中もとり続けることは必然であり、不可避である」(レーニン「戦争と革命」)
 今日の中東の戦争は、石油強奪をめぐる帝国主義諸国の20世紀以来の政治の継続であり、とりわけイラク戦争後の米帝の中東政策とその破産の継続として、今も泥沼の戦争が続いているのだ。
 また東アジアの軍事的緊張、特に領土をめぐる日中の対立は、極右排外主義者・石原慎太郎の「尖閣購入」策動を口火に日帝が意図的にあおり立てたものだ。戦争はある日突然、何の理由もなく偶発的に起こるのではない。こうした戦争政治の先に戦争があるのだ。
 総じて今日の戦争は、1%の支配階級が自らの利益と延命のために99%の労働者人民の命と生活を破壊する、その政治の継続としての戦争である。このことを徹底的にはっきりさせよう。
 第二に、新たな核戦争を絶対に許さず、核による支配を根底から打ち破ることである。
 核戦争の切迫という人類存亡の危機に対し、労働者階級はいかに立ち向かうべきか。核兵器は、材料のウランを採掘し、加工し、保管し、運搬し、ミサイルなどの弾頭に装填し、幾度もの実験を経て実際の使用に至るまで、全過程で膨大な数の労働者と兵士を被曝させることなしには成り立たない。だからこそ動労水戸が世界で初めて実践した被曝労働拒否の闘いには、核戦争を阻止し、すべての核と原発をなくす展望がある。核や放射能がもたらす一切の「絶望と恐怖」をはね返し、福島の怒りを先頭に8・6広島―8・9長崎闘争の爆発をかちとろう。

革命で決着をつけよう!

 第三に、国家総動員で戦争に突き進む帝国主義に対し、労働者のゼネストを対置することだ。
 戦争はゼネスト情勢を生み出し、ゼネストは本質的に革命をはらんでいる。それを歴史上初めて示したのが1905年の第1次ロシア革命だ。
 日露戦争のただ中で、「戦争をやめろ」「政府を倒せ」「8時間労働制の確立」などを掲げて闘われたこの革命は、「政治的・大衆的ストライキが非常に大きな役割を演じた世界史上で最初の大革命」(レーニン)だった。同年1月9日の「血の日曜日事件」(ペテルブルクで労働者のデモに軍隊が発砲し、数千人が死傷)を契機に始まったストライキは、10月には全国ゼネストへ発展し、労働者階級の権力機関である労働者評議会(ソビエト)を生み出した。
 「1905年1月9日以前には、ロシアの革命的政党は、ごく少数の人びとからなっていた。当時の改良主義者は、われわれを軽蔑して『宗派』と呼んでいた。数百の革命的組織者、地方組織の数千のメンバー、月に1回そこそこしか出ない新聞――これが1月9日以前のロシアの革命的政党の状態であった......。
 数カ月間に事態はまったく一変した! 数百の革命的社会民主主義者はたちまち数千に増加し、この数千の者は、200〜300万のプロレタリアの指導者となった。プロレタリアの闘争は、5000万〜1億の農民大衆の間の大きな動揺を、部分的には革命運動を生み、農民運動は軍隊内に共鳴をよび、軍隊の反乱を、軍隊の一部とその他の部分との武力闘争をもたらした。こうして1億3000万の住民をもった巨大な国が革命に突入した。こうして眠れるロシアは、革命的プロレタリアートと革命的人民とのロシアになった」(レーニン「1905年の革命についての講演」)。この経験が17年革命勝利への「総稽古(そうげいこ)」となったのだ。
 以後、歴史上のあらゆるゼネストは、革命をはらんだ闘いとして支配階級を震え上がらせた。
 安倍が憎悪する戦後憲法は、戦後革命の大高揚の中、47年2・1ゼネストの挫折を前後して成立した。それは革命の敗北と引き換えに支配階級が行った「譲歩と妥協」の産物、言い換えればゼネスト情勢の産物である。だからこそ日帝の戦争・改憲に対する労働者階級の回答はゼネスト以外にない。そして今度こそ革命で決着をつけよう。
 最後に、戦争する以外に延命できない日帝に最後の断を下すために、労働組合をめぐる攻防に全力で勝ち抜こう。本紙2678号で動労千葉の滝口誠特別執行委員が訴えているように、今や「どの産別だろうと『労組権力をとる』という激しい迫力が必要な時代」だ。動労千葉は70年代中期、日帝の新自由主義的帝国主義への転換と78年日米ガイドライン締結に伴う安保政策の転換の中で、反合・運転保安闘争と三里塚ジェット闘争を闘い、79年分離・独立をかちとった。今こそこの闘いに学び、動労総連合建設を軸に労組拠点建設、党と労働組合の一体的建設を全力で推し進めよう。
 民主労総ゼネストと連帯し、5〜8月安保決戦に立とう。6・7国鉄集会を大成功させ、7・5大集会にすべての怒りの声を結集しよう!
〔水樹豊〕

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安保法制で拡大される自衛隊の活動
改定・新設される法律
①武力攻撃事態法
「存立危機事態」を導入し、日本が攻撃されなくても武力行使が可能に
②重要影響事態法
周辺事態法を改定し、現在の周辺事態を撤廃して「重要影響事態」を導入
③国際平和支援法
派兵恒久法として新設
④PKO協力法
国連の指揮下にない多国間の活動にも参加
⑤自衛隊法
武器使用基準の緩和など
想定される活動
①武力攻撃事態法
武力行使に相当する停戦前の機雷掃海、船舶の強制検査(臨検)、弾道ミサイル迎撃など
②重要影響事態法
戦争中の米軍や他国軍への後方支援(燃料や武器・弾薬の補給など)
③国際平和支援法
②と基本的に同じ
④PKO協力法
「復興支援」の名目でのインフラ事業、停戦後の治安維持活動など
⑤自衛隊法
平時からの米艦防護、武器使用を伴う日本人救出など
他の法改定...⑥船舶検査活動法⑦米軍行動円滑化法⑧特定公共施設利用法⑨外国軍用品海上輸送規制法⑩捕虜取扱法⑪NSC設置法

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「血の同盟」 安倍は、元駐タイ大使・岡崎久彦との共著の中でこう述べた。「軍事同盟というのは〝血の同盟〟です。日本がもし外敵から攻撃を受ければ、アメリカの若者が血を流します。しかし今の憲法解釈のもとでは、日本の自衛隊はアメリカが攻撃されたときに血を流すことはない......これで完全なイコールパートナーと言えるでしょうか」(『この国を守る決意』2004年)。アメリカと対等になるためには、日本の若者も戦争で「血を流す」べきだ――これが安倍の安保政策の基調である。新ガイドラインと安保法制は、いずれもこの戦争政治の継続である。
朝鮮危機 北朝鮮のNPT(核不拡散条約)からの脱退表明に対し、米クリントン政権が93〜94年に北朝鮮攻撃を計画、米韓共同作戦計画「5027」の実施を検討した。米国防総省は「5027」を実行すれば米軍5万2千人、韓国軍49万人、民間人含めて100万人以上の死傷者が出ると予測。在日米軍司令部は日本に対し米軍による空港などの使用や自衛隊の後方支援など1059項目を要求したが、日本側は「憲法上不可能」と回答。最終的に戦争は回避された。

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