第2次ゼネストへ進む韓国 〝労働者を殺す資本倒せ〟 民主労総、正規・非正規の団結訴え

週刊『前進』06頁(2683号03面01)(2015/06/01)


第2次ゼネストへ進む韓国
 〝労働者を殺す資本倒せ〟
 民主労総、正規・非正規の団結訴え

(写真 ポスコ資本に抗議自殺した組合員の遺影を掲げて闘われた労働者大会【5月17日 光州】)

(写真 現代重工業の門前で労組への加入を訴えるハンサンギュン民主労総委員長【5月13日】)


 韓国では民主労総(全国民主労働組合総連盟)が呼びかける第2次ゼネストへ向け、資本・政権との攻防がますます激化している。パククネ政権は、4・24の第1波ゼネストに参加した教育労働者や公務員労働者への大量処分攻撃に出てきた。当日の年休申請を許可した校長も懲戒の対象とされた。だがこんな弾圧は怒りを倍加させるものでしかない。第2次ゼネストは、6月末から7月初めを山場に、約1週間、各産別の波状的・連続的決起の形で闘われようとしている。

「殺人企業」に噴出する怒り

 重要なのは、資本の悪質な労組破壊攻撃に対する根源的な怒りが燃え上がっていることだ。
 5月10日、ポスコの光陽製鉄所で働いていた、金属労組ポスコ社内下請け支会のヤンウゴンEGテック分会長が自殺した。ポスコは鉄鋼大手の大財閥で、その下請け会社EGテックはパククネの弟であるパクチマンが会長をしている。ポスコとEGテックは不当労働行為の限りを尽くし、50人以上いたEGテック分会をヤンウゴン分会長1人を残して全員脱退させた。だが分会長は度重なる減給・停職・解雇にも屈せず裁判で解雇撤回をかちとり、分会の旗を守り続けた。その存在に恐怖した会社は彼を監視カメラ付きの小部屋に終日閉じ込め、何の仕事も与えず、誰とも接触させない攻撃を1年間続けたのだ。
 ヤンウゴン分会長は遺書で自分の灰を工場の門前にまいてほしいと要望し、入ることを禁じられた職場に「たとえ鳥の餌になってでも」戻り、仲間とともにありたいという痛切な思いを伝えている。これを知った全国の労働者は憤怒にかられ、「会社が彼を拷問して死なせた。この犯罪を断じて許すな」と、金属労組組合員を先頭に、資本に対する絶対非和解の闘いに突入した。

現代重工業で始まった闘い

 民主労総のゼネストへの決起は韓国労働運動全体を揺り動かし、その中からまったく新たな闘いを生み出している。その一つが現代重工業での闘う労働組合の再生だ。
 現代重工業労組はかつて工場実力占拠などの激しい闘いをやりぬき、95年の民主労総結成に至る過程で最も中心的な役割を果たした労組である。だがその後、指導部が変質して民主労総を脱退、御用組合に転落し、現代重工業資本は20年近くもの間「労働争議のない職場」を誇ってきた。しかし一昨年の選挙で労働組合としての再生をめざす民主派の執行部が誕生した。闘う執行部のもとで今回のゼネスト過程でさらに決定的飛躍をとげようとしている。
 それを示すのが、民主労総ハンサンギュン執行部の路線との結合のもとで5月4日から本格的に開始された非正規労働者との団結を組織する闘いだ。正規職の組合である現代重工業労組が、非正規職労働者を組織する社内下請け支会(金属労組ウルサン支部所属)と連帯して、現代重工業4万人といわれる造船下請け労働者の組織化に全力で乗り出したのである。強まる資本の大量整理解雇の攻撃に対し、正規・非正規の団結をもってこれを真正面から打ち破るという決断だ。
 工場の門前で非正規職労働者に組合への加入を呼びかける宣伝戦には、ハンサンギュン民主労総委員長も参加し、次のように訴えた。「正規職労働者が生き残る道は下請け労働者と一緒に闘うこと。下請け労働者が生き残る道は正規職と一緒に労働組合で団結する道しかない。この真理が2015年の闘いに勝利する鍵であることを忘れず、共同闘争の旗を最後まで握りしめて闘おう」
 ゼネスト方針とその実践が、資本がはりめぐらした分断の壁をついに根底から打ち破る、歴史的な地平を切り開こうとしている。この闘いに続き日本でもゼネスト実現に向かって突き進もう。

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