「平和支援」をうたって戦争する 安保11法制を絶対阻止しよう

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週刊『前進』06頁(2683号04面01)(2015/06/01)


「平和支援」をうたって戦争する
 安保11法制を絶対阻止しよう


 憲法9条を破棄し、日本を「戦争する国」に大転換させる安保11法制の国会審議が5月26日から始まった。安倍政権は大うそとペテンで、「1%」の資本家の利益と延命のために、自衛隊員を含む「99%」の労働者人民の生活と生命を破壊する戦争を起こそうとしている。許してはならない。沖縄の辺野古新基地建設阻止の闘いと一体で、今国会での戦争法案の成立を絶対に阻止しよう。6―8月安保国会決戦の大爆発に向かって、6・7国鉄集会を大高揚させよう。

〝電力不足で派兵〟と安倍

 安倍政権は、戦争が狙いである安保法制に、あろうことか「平和安全法制」「国際平和支援法」などと正反対の名称をつけ、戦争法の正体をごまかしている。昔から帝国主義は「自衛」や「平和」「安全」をかたって戦争し、労働者人民の生活と生命を破壊して延命してきた。5月20日の党首討論で安倍は「外国の領土・領空・領海で武力行使をすることはない」と言い、中谷防衛相は「自衛隊員のリスクは増大しない。法整備すれば抑止力で安全性も高まる」(22日の記者会見)などと大うそを述べた。
 はっきりさせよう。安倍と日帝・支配階級は本気で戦争をやろうとしているのだ。大恐慌と世界的な争闘戦の激化、新自由主義の破産のもとで、米欧日の帝国主義も大国(中国・ロシア)も、軍事力を増強し戦争をしなければ、市場や勢力圏、資源を確保できないところにきている。それほどまでに帝国主義はどん詰まりの危機に陥っているのだ。
 その帝国主義の危機を最深部で規定しているものは、プロレタリア革命の現実性である。どこの国の支配階級も労働者階級の怒りが爆発して打倒されかねない革命の恐怖に震えている。だからこそ、革命の圧殺の狙いも込めて戦争に向かう攻撃を強めているのだ。
 日帝は国際帝国主義の「最弱の環」である。安倍は安保国会でぶざまな動揺と破産をさらけ出している。「戦後レジームからの脱却」と言いながら、「ポツダム宣言」すらまともに読んでいないこともさらけ出された。集団的自衛権や戦争法制定の一切合切の動きが、帝国主義者のでたらめで反人民的な歴史の歪曲、真実の抹殺と大うその上に進められている。

「存立危機事態」で何でもできる

 安倍は集団的自衛権を発動する「存立危機事態」の例として「電力不足」と「生活物資不足」を挙げた。すなわち、石油や天然ガス、小麦や大豆などの輸入が止まったりすれば、それは「日本の存立の危機」だというのだ。こんな理由で戦争を起こし、他国の兵士・人民に銃を向けて虐殺し、空爆し、石油や天然ガス・生活物資を奪うことがどうして許せるか!
 これはかつて日本帝国主義が行った侵略戦争の口実そのものである。日帝は戦前、「満州・蒙古(もうこ)は日本の生命線」「アジア南方の石油資源確保は日本の生命線」などと叫んで、日本の軍隊を中国大陸と東南アジアに送り、多数の兵士・住民が殺された。それで日本の労働者人民の生活・生命は守られたのか? とんでもない! 何百万人もの労働者が兵隊に取られ戦死や餓死を強いられた。国内では燃料も食糧もすべて軍事最優先で、一般家庭の生活は踏みにじられ、とことん犠牲にされた。「1%」の資本家どもが戦争で金もうけをした。
 安倍は「国民の命と暮らしを守る」「国民の生命、自由および幸福追求の権利を守る」などと言っているが、それは労働者人民をだまして戦争に動員する口実なのだ。本当に許せない。
 戦前、長期の中国侵略戦争に続いて日本帝国主義は1941年12月に対米英戦争を開始したが、その直接の理由も「石油の確保」だった。日本軍はフィリピンやインドネシアなど東南アジアへ石油資源略奪の戦争にのめり込んでいった。
 この強盗戦争を日本帝国主義は「世界の平和に寄与」「自存自衛のため」「東亜永遠の平和の確立のため」と正当化し国民に押し付けた(天皇ヒロヒトの「開戦の詔勅〔しょうちょく〕」より)。安倍政権は「戦後レジームからの脱却」と称して、侵略戦争を再び繰り返そうとしている。

青年や兵士の血を流すな

 しかし、事態は安倍の思いどおりにはまったく進んでいない。労働者人民の間に安倍への怒り、戦争法案拒否の思いは急速に高まり、安倍政権は危機を深めている。朝日新聞の世論調査でも「安保法制を今の国会で成立させる必要はない」が60%を占めた。「二度と戦争を繰り返さない」という誓いは、戦後70年たつ今も日本の労働者人民に深く刻まれている。
 再び青年・学生や自衛隊員の血を流させてはならない。そのために、安保11法制の成立をなんとしても阻もう。
 労働者がゼネストで一切の生産と輸送を停止して闘えば、戦争法案の成立を阻み、戦争を阻止することはできる。実際、1917年にロシアの労働者はプロレタリア革命で第1次世界大戦を終わらせた。
 しかし第2次世界大戦では、ソ連スターリン主義が帝国主義の一方の陣営にくみして参戦し、プロレタリアートの国際連帯と世界革命を裏切った。その結果、6年間の世界大戦で膨大な労働者人民が殺されたのだ。労働者階級の国際連帯とゼネストで安倍政権を打倒し、世界戦争をプロレタリア革命で阻止しよう!
 国鉄闘争6・7全国集会は、安保国会決戦と一体で労働組合の団結を拡大し、韓国・民主労総のゼネストに連帯し、壮大なゼネストの実現に向かって闘う集会だ。大結集で成功させよう。

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