安保国会を包囲せよ 全学連が全国学生に6・15アピール

週刊『前進』06頁(2684号05面01)(2015/06/08)


安保国会を包囲せよ
 全学連が全国学生に6・15アピール

(写真 4・28沖縄デーに全学連は法大―国会デモに決起)

 全学連の斎藤郁真委員長と坂野陽平書記長が、全国の学生に向けて6・15安保国会闘争への総決起を訴えるアピールを発した。これに応え、戦争法案粉砕・安倍打倒の気概に燃えて自らのキャンパスで仲間を募り、6月15日は首都東京、霞が関―永田町に攻め上ろう。(編集局)

戦争とめる歴史的な日
 全学連委員長 斎藤郁真(法政大学)

 私たちはすべての学生のみなさんに、安倍政権を倒し戦争をとめるために6・15国会デモに集まろうと訴えます! 「5・14安保法案閣議決定強行」への怒りが高まり、沖縄では新基地建設反対の5・17県民大会3万5千人の怒りが爆発する中、学生の決起が待ち望まれています。
 私は6・15国会デモを、全国学生の戦争絶対阻止の怒りを安倍政権にたたきつける行動にするとともに、大学キャンパスの現実を変える挑戦に踏み出す過程にしたい。戦争政治をとめる核心は、安倍首相へのお願いではなく、自らの力で社会を変えることです。
 みなさんの周りで、学生同士で政治について討論することはどれくらいありますか? 思いを行動にしたり、ビラなどでみんなに表明する機会はどれくらいありますか? 未来を語るべき大学の中で、「現在を問題にし未来をイメージすること」「それを仲間と話し合うこと」が厳しく制限されている。闘いの歴史がある大学では、見せしめのための厳しい学生弾圧がある。闘いが今はない大学では、学生が政治に関わるきっかけすら奪われている。
 「銃後」の生産を担う労働者か、「前線」を担う兵士か。いずれにせよ戦争を担わされようとしている私たち青年・学生が、国のあり方が根底から変わろうとしている。私たちの未来が勝手に決められようとしている。だからこそ、私たちの選択と行動が戦争をとめる実際の力となります。

歴史変える決起は現場から

 「6月15日」とは、学生の行動で社会がダイナミックに変わっていった出発点です。
 1960年6月15日、日本全土は「日米安保粉砕!」を掲げる労働者・学生のゼネストに覆い尽くされ、10万人の国会包囲のデモ隊の先頭で全学連の部隊が国会構内に突入。その決死の闘いは23日、時の岸信介(安倍の祖父)政権を打倒しました。しかし、安保条約そのものの自然成立を許してしまう。
 当時の学生・労働者は、「なぜ安保成立をとめられなかったか」を必死に考えました。そして、社会そのものを変革する組織・運動をつくる闘いへ突き進みました。60年代後半から「反戦派労働運動」と呼ばれる階級的労働運動が日本中の職場に生まれ、大学では学生自治会運動が力強く発展していきました。ペテンに満ちた国会に「救い」を求めるのではなく、職場・キャンパスに根ざした闘いの中から、自らの代表を自ら選ぶ。政治を根本から変える。まさに「革命」が日本中に巻き起こりました。社会党・共産党などが「70年安保闘争は爆発しない。職場・大学にそんな機運はない」と民衆を見下していた時、歴史を変える決起は現場からつくられていきました。
 66年10月21日、現場からの突き上げで、当時の日本労働運動の中心=総評が「ベトナム反戦」を掲げて210万人の政治ゼネストを敢行。闘いは世界へ広がり、翌年10月21日にアメリカの学生が国防総省(ペンタゴン)に突入。闘いの焦点は、戦争の最大実体=沖縄米軍基地をめぐる攻防へ向かいます。69年4月28日の沖縄デー、法政大の「沖縄奪還・安保粉砕」を掲げる全学ストライキをも起爆剤に、「70年安保闘争」は実力で切り開かれていきます。71年、沖縄・全軍労牧港支部青年部を先頭に、基地労働者が中心となった2度の全島ゼネストがうち抜かれます。B52爆撃機は沖縄基地からベトナムへ向け出撃できず、アメリカの侵略戦争は大打撃を受けます。その事実はベトナム民衆を鼓舞し、アメリカ帝国主義をベトナム敗戦へ追い込みました。
 しかし、72年の沖縄「復帰」はペテンでした。基地は今も存在し、沖縄の怒りは噴出しています。すべての基地と戦争をなくす闘いはまだ未完です。しかし重要なのは、一人ひとりの青年・学生の決起が突破口となって歴史は動き、社会が変わったことです。

学生の戦争動員打ち破れ

 戦争の爪あとが生々しかった60年代と21世紀の今では、たしかに時代の条件は変わりました。安倍政権は「大学改革」の名のもとに、「学費・就活・奨学金の三重苦」や学生への管理強化を進め、大学・学生を戦争に動員する政策を進めています。法政大総長・田中優子や沖縄大学長・仲地博をはじめ、「戦争反対」を自らのブランド商品にし、その実、キャンパスでは学生を弾圧する連中もいます。闘うことが困難な理由は多々ありますが、闘うことの意義は高まっています。
 沖縄大学学生自治会は沖大当局の妨害をはね返し、昨年の2倍をこえる得票で再建2年目の執行部選挙に大勝利しました。団結して闘えば必ず社会は変わる! それを6・15国会デモから始めよう! 韓国・民主労総を先頭に、世界で爆発する労働者・学生の決起と連帯し、6月15日を日本から戦争をとめる歴史的な日に! 全国の学友はストライキで授業をボイコットし、正午からの国会デモに集まろう!

今こそ革命が必要だ!
 全学連書記長 坂野陽平(上智大学)

 今から55年前の1960年6月15日、「安保粉砕! 岸打倒!」を掲げ10万人のデモ隊が国会を包囲。全国でも580万人が立ち上がった。「われとわが手で戦争をとめる、岸政権を倒す」と誓った全学連の行動は国会構内突入の実力闘争に発展した。それは命がけの闘いだった。
 この中で東大生・樺(かんば)美智子さんが機動隊に虐殺された。再びの戦争への道を阻むべく、自らの命も顧みず立ち上がる学生の姿は全民衆の魂を揺さぶり「6・15」を前後して労働者数百万人が参加する3波の政治ストライキが爆発する。全学連を最後に実力闘争に駆り立てたのは、軍事独裁政権下の韓国・イスンマン大統領打倒の「4・19学生革命」への連帯だった。
 戦後70年、全存在をかけ戦争を阻んできた日本労働者民衆の闘いの歴史を引き継ぎ、全学連は6月15日に国会デモに立つ。「今の学生は政治的行動には立ち上がらない」――この憎むべき「神話」に終止符を打つ時は今だ!
 安倍政権は戦争法案を8月までに成立させ、侵略戦争の正当化と総翼賛体制構築を狙う「戦後70年談話」を発しようとしている。

「平和」の名で行う侵略戦争

 来年の参院選後から改憲国民投票を数回行い、憲法9条の破棄を狙っている。「戦後レジームからの脱却」と称する「新たな戦前」の到来に際し、全学連は「護憲」や「立憲」ではなく、革命を対置する。
 沖縄では5月17日、3万5千人が「辺野古新基地絶対反対!」の声を上げた。なぜ沖縄の人々は基地・戦争にかたくなに反対するのか? それは「軍隊は住民を守らない」「国家は国民を守らない」という真理が記憶と肉体に刻み込まれているからだ。「3人に1人の命が奪われた」と言われるかつての沖縄戦の裏で、例えば財閥・三井系企業は戦争を通して総資産を1億円(41年)から3億円(45年)に膨らませている。
 戦争とは何か? 「国の存立を守る」とは何か? 一握りの大資本が市場を強奪し、労働者の反乱を圧殺することに他ならない。この真実を押し隠す安倍は絶対に許せない。「平和安全法制整備法」「国際平和支援法」――それは「東洋平和」を語り侵略戦争を行ったかつての帝国主義者の姿そのものだ。
 そもそも、戦後の「平和憲法」と沖縄米軍基地に象徴される日米安保体制は裏表の関係だ。朝鮮戦争、ベトナム戦争をはじめ絶えざる戦争。「銃剣とブルドーザー」による土地収用・基地建設。戦後日本は「平和国家」などではなく、まぎれもなく戦前の帝国主義の延長にある。戦後日本の出発点である、「戦争放棄」「軍備不保持」をうたった憲法9条はアメリカ帝国主義に「押しつけられた」ものでもなければ、「戦後日本の無条件の平和」を約束するものでもない。憲法9条とは、2千万のアジア人民―320万の日本人民の命が奪われる中、「戦後革命」で刻み込まれた日本の労働者民衆の怒りと闘いの証であり、かつ「革命回避のための譲歩」として日米支配階級が繰り出した苦渋の選択の産物だった。
 「戦後」とは、「戦争か革命か」の歴史選択をめぐる一貫したせめぎ合いだ。中東、ウクライナ、東アジアの3正面で三たびの世界戦争が始まろうとする今日、この歴史選択が全世界60億民衆に迫られている。
 今こそ革命が必要だ。労働者と一体でゼネラル・ストライキに立ち上がろう。韓国・民主労総をはじめ「自国政府打倒」で闘う労働者の国際連帯をつくろう。「日本が侵略されたらどうするか」――この排外主義宣伝をのりこえる実践が開始されている。世界史的選択としての革命は東アジアから開始される。「軍服を着た労働者」である兵士も決起し、侵略の銃を捨てて「本当の敵」に立ち向かう。

ストで大学の現実変えよう

 戦争・安保国会に対し、必ず学生の根底的決起が始まる。日本はゼネスト情勢だ。「戦争反対」と「生きるための闘い」は一つのものだ。
 この間、東大をはじめ3大学が米軍から資金提供を受け、軍事研究に関与していたことが判明した(東京新聞6・3付)。学生自治会のもとに団結して全国大学ストライキに立ち上がる中で、大学・学問を根本的に変革しよう。
 戦争・安保国会の6〜8月の過程は、学生の「就活」の真っ只中だ。そこでは何が行われているか? 100社以上に応募し、多ければ7〜8次の面接。追い込まれるほど学生は自らを従順な「人材」として資本に従属させなければならない。しかも、不採用なら「お祈りメール」一通でお払い箱だ。学生を縛る「学費・就活・奨学金」の鎖。「生きるため」に大資本・国家に従属せざるをえない現実。このありふれた日常にこそ、学生を戦争に動員する論理が貫かれている。
 この6月、ギリシャの財政破綻で世界大恐慌が深まる中、アベノミクスは一挙に崩壊する。ギリシャのように、日本でもゼネストが本格化していく。全国の学友のみなさん、全世界の労働者民衆の怒りを一身に体現し、6・15国会包囲へ立ち上がろう!

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