東京「君が代」不起立裁判 高裁で逆転勝訴 根津さん停職6カ月取り消し

週刊『前進』08頁(2685号04面02)(2015/06/15)


東京「君が代」不起立裁判
 高裁で逆転勝訴
 根津さん停職6カ月取り消し


 5月28日、東京高裁・須藤典明裁判長は、2007年卒業式での「『君が代』不起立」を理由にした根津公子さんへの停職6カ月処分を「裁量権の逸脱・濫用(らんよう)」で違法とする判決を出しました。処分を取り消しただけでなく、精神的苦痛に対する慰謝料として、河原井純子さんとともに各10万円の支払いを命じました。
 根津さんについては、「過去の処分歴」などを理由に減給処分も停職処分も適法とする判決が3度も最高裁で確定しており、07年処分の一審判決でも、処分適法とされてきました。今回その岩盤を打ち砕いたのです。
 この勝利をもぎりとった最大の力は、絶対反対を貫き、退職後も職場と結びついて闘ってきたことです。さらに都庁ビラを継続し、教育を破壊する都教委の教育行政を暴き、団結を崩さずに闘ってきたことです。
 裁判では、根津さんの過去の処分歴と不起立を呼びかけたことを持ち出し「学校の規律や秩序を乱した」とする都教委の主張を粉砕しました。
 判決は、回を重ねるたびに重くされる「累積加重処分」を、「裁量権の濫用」=都教委の過失として認めました。そして、停職処分が生徒と教師の人間関係を破壊し、教育活動を困難にするものだとしました。さらに、「累積加重処分」は、不起立を続ければ免職に至り、教職員に「自らの思想や信条を捨てるか、それとも教職員としての身分を捨てるかの二者択一の選択を迫ることとなる」と断じました。
 重要なのは、停職出勤(学校の門前で停職処分が間違っていると抗議したこと)を根津さんの意思表明として認め、「累積加重処分」の理由にすることを「相当ではない」としたことです。門前闘争を「学校の規律・秩序を乱した行為」ではなく、労働者の権利として認めさせたのです。
 今回の判決は、これまでの最高裁判決を踏まえて「職務命令」「戒告処分」を合憲としました。このことは打ち破れなかったとはいえ、都教委の「累積加重処分」の不当性を認めさせ、分断攻撃を打ち破った点において、画期的な判決です。
 「日の丸・君が代」を強制する03年「10・23都教委通達」は、学校現場への不当な支配介入であり、団結破壊の不当労働行為です。石原慎太郎都知事の組合つぶしの攻撃はここから始まりました。組合執行部が屈服しても現場労働者は自らの職責を果たすために、絶対反対を譲らなかったのです。10年を超えて闘い続け、安倍の戦争法案との闘いの真っただ中の今も教育現場に「日の丸・君が代」強制反対の旗を打ち立てているのです。
 今回の勝利の地平を「教育の民営化絶対反対」「非正規職撤廃」の闘いに発展させることが、安倍の自治労・日教組つぶし=国鉄分割・民営化型の攻撃を打ち破り、労組の産業報国会化を阻止する道です。今こそ階級的団結をよみがえらせ、安倍を倒そう!
(東京/「君が代」不起立被処分者・米山良江)
このエントリーをはてなブックマークに追加