駅業務全面外注化と対決し第2の分割・民営化粉砕を 東京に動労総連合の旗立てよう

週刊『前進』06頁(2687号02面01)(2015/06/29)


駅業務全面外注化と対決し第2の分割・民営化粉砕を
 東京に動労総連合の旗立てよう


 JR東日本は7月1日の子会社再編を機に、第2の分割・民営化と言うべき全面外注化の攻撃に踏み込もうとしている。これとの攻防は全労働者階級の命運をかけた決戦だ。動労総連合をとりわけ首都・東京に建設し、外注化を粉砕してこそ、労働者は自らの生存と労働者としての誇り、階級的団結を守ることができる。今こそJR体制打倒の総反撃に立とう。

千葉支社内だけで100人に転籍を強要

 JR東日本が企てている子会社再編は、千葉鉄道サービス(CTS)、水戸鉄道サービス(MTS)、高崎鉄道サービス(TTS)から駅業務部門を切り離し、7月1日にJR東日本ステーションサービス(JESS)に統合するというものだ。CTSなどで駅業務に携わる労働者には、JESSへの転籍が強いられている。JRとその子会社で、大規模な転籍強要の攻撃がついに始まったのだ。
 動労千葉との団体交渉で、CTSは駅受託業務の要員はプロパー社員(直雇い社員)23人、パート77人、エルダー社員(JRを定年退職した後、再雇用された社員)97人、JRからの出向者87人、管理嘱託4人の計288人であることを明らかにした。うち、プロパーとパートの計100人がJESSへの転籍となる。千葉支社管内だけで100人もの労働者が転籍の対象とされるのだ。
 この団交でCTSは、JESSには生涯で3回の定期昇給しかないことも認めた。転籍が強いられれば、賃金・労働条件は大幅に低下する。
 この子会社再編を手始めに、JRは駅業務を全面的に外注化し、さらには鉄道の全業務を外注化しようとしている。
 国鉄分割・民営化は民営化だけでは終わらず、全業務を外注化することによってその目的は貫徹される。動労千葉・動労水戸―動労総連合を先頭とする闘いは、その攻撃を三十数年にわたり阻んできた。
 だが、JRはついに本格的にそこに手を着けてきたのだ。これは、車掌や運転士の外注化にまで行き着くものになる。大量退職時代に入る中で、JRは鉄道業務のすべてを非正規職に担わせることで生き残ろうとしているのだ。

青年の命がまたも外注化で奪われた

 これは国鉄労働運動の最後的解体をもくろむ攻撃でもある。国鉄分割・民営化に労働者の側から決着をつけるべき時が来たということだ。
 外注化は安全をとことん破壊する。
 JRでまたも青年労働者の命が奪われた。6月24日午前2時40分ころ、JR北海道の函館線・朝里―銭函駅間で、線路脇にある鉄柱の点検作業をしていたJR関連会社の25歳の青年労働者が、高圧電線に接触し感電死した。事故をもたらしたのは外注化だ。高圧電線と接触する危険性もある夜間作業なのに、送電停止の措置もとられていなかったのだ。
 JR東日本でも6月17日、池袋駅で信号装置故障が起き、山手線外回りは午後4時20分から同6時まで運転をストップした。山手線各駅は大混雑・大混乱し、2次災害が起きてもおかしくない状況になった。その中で安全が守られたのは、とことん要員を減らされ、肉体的にも精神的にも極限的な労働を強いられながら、事故防止に努めた駅員の奮闘があったからだ。
 安全に直結する運転取り扱い業務も含む駅の全業務が外注化されれば、安全の要としての駅の機能は完全に解体される。
 にもかかわらずJR資本は、ただただコスト削減と労組解体のために全面外注化に踏み込もうとしているのだ。これを許せば、まず真っ先に命を奪われるのは、現場の労働者だ。外注化との闘いは、労働者の命を守る闘いそのものだ。

総非正規職化攻撃の先頭に立つJR

 安倍政権は6月19日、労働者派遣法改悪案の衆院通過を強行した。派遣労働者は一生、派遣から抜け出せなくなるだけではなく、3年ごとに解雇に直面し、その都度、労働条件は劣悪になる。
 安倍は派遣法改悪について、「派遣労働者に正社員の道を開く法案だ」「雇い止めが生じることはまったくない」とうそぶいた。だが、法の成立を待たず、現に派遣労働者に対する雇い止め解雇の攻撃はあらゆるところで始まっている。
 こうした攻撃を最先頭で進め、青年労働者を使い捨ててきたのがJRだ。雇用期間が最長5年に限られている契約社員制度や、東日本環境アクセスなどの子会社で当たり前のように行われている数カ月単位の雇用契約はその典型だ。
 安保戦争法案を強行する安倍は、労働組合を解体・再編し、労働者を生存ぎりぎりの状態に突き落とすことによって、労働者を戦場に駆り立てようとしている。総非正規職化の攻撃と戦争・改憲の攻撃はまさに一体だ。
 だが、今や安倍に対する怒りは激しくあふれている。戦争法案への怒りと階級的労働運動が結合すれば、安倍は倒せるのだ。階級的労働運動が韓国・民主労総と連帯してゼネストをこじ開けた時、安倍政権もろとも総非正規職化と戦争・改憲の攻撃は根底から覆される。
 だからこそ、とりわけ首都・東京に動労総連合を建設することが決定的に必要だ。職場からストライキに立つ労働組合が今こそ求められている。
 今年10月には車両の検査・修繕業務の外注化から3年目を迎える。出向は原則3年とされているが、外注化とは戻る職場を根こそぎ奪う攻撃だ。10月を前に攻防はさらに煮詰まっていく。
 安倍打倒の7・5集会に総結集し、それを跳躍台に外注化粉砕の決戦攻防に立とう。
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