団結街道裁判 廃道手続きは無効だ 弁護団、関係文書提出を要求

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週刊『前進』06頁(2688号06面02)(2015/07/06)


団結街道裁判
 廃道手続きは無効だ
 弁護団、関係文書提出を要求


 6月26日、千葉地裁民事第3部(廣谷章雄裁判長)で団結街道裁判の弁論が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生がともに闘った。
 成田市は2010年6月、天神峰の市東孝雄さんが日常的に営農で使っていた団結街道を暴力的に封鎖・廃止し、その土地を成田空港会社(NAA)に格安で売り飛ばすという暴挙に及んだ。成田空港建設過程でも、農地に隣接する道路を一方的に廃止したという前例はない。また、市は「代替道路を整備したから廃道の要件は満たした」と居直るが、市東さんは南台の畑に通うために、団結街道が封鎖されてから、3倍もの道のりの「代替道路」往復を強制されている。
 前回に弁護団は、空港建設関連で市道を廃止した例について釈明を求めたが、成田市が今回出した書面は、「回答の必要なし」を繰り返す無責任なものだった。
 弁護団は再度の求釈明をたたきつけた。「廃道要件を満たしたのは2010年3月19日」と市の代理人は特定したが、成田市議会がこの廃止の件を可決したのは、同3月16日だった。つまり廃道要件を満たすよりも前に廃止を決めてしまったのだ。こんなデタラメな手続きは無効だ!
 そして弁護団は、成田空港用地内の市道の廃道事例に関する契約書、鑑定書などの文書の提出を強く要求した。
 裁判長は被告・市に対し、「〝耕作地に隣接する道路を廃止した前例はない〟ということについては成田市も認識に違いはないのですよね」と聞いた。市の代理人は、こそこそ話し合った末に「確認してきます......」と小声で答えた。回を重ねるたびに動揺し、自らの主張を変更し、過去に自分が言ったことさえ覚えていないというのだ!
 裁判長は、今度は弁護団に向かって「そこで双方に違いがなければ、文書の提出を求める必要はないのでは?」と言う。「余計なことは省いて早く進めたい」というわけだ。弁護団は、拙速裁判の道を許さず、被告・市への追及を容赦なく続ける姿勢を明らかにした。
 次回期日を9月8日として閉廷。
 近くの会場で報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士を始め、弁護団が法廷の解説と裁判勝利の決意を表した。
 動労千葉の滝口誠さん、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会が連帯発言を行った。
 最後に司会の伊藤信晴さんが、反対同盟の6・21一斉行動を芝山町を中心に展開したことを報告し、「第3滑走路への地元の怒りは高まっている。この計画は粉砕できると確信した。市東さん裁判とともに必ず勝利しよう」と呼びかけた。

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三里塚裁判日程
第3誘導路裁判
 7月7日(火)午前10時30分開廷 千葉地裁
 (傍聴券抽選のため30分前に集合)

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