杉並 児童館闘争の報告 「デモでも座り込みでもする!」現場に強い怒りと闘いへの共感 児童館全廃―丸ごと民営化阻止を

週刊『前進』08頁(2689号03面03)(2015/07/13)


杉並 児童館闘争の報告
 「デモでも座り込みでもする!」現場に強い怒りと闘いへの共感
 児童館全廃―丸ごと民営化阻止を

(写真 6月25日、杉並区職労大会会場前で「児童館廃止・まるごと民営化反対」を訴え40筆も署名が集まった)


■闘う労組つくろう!
 私たち東京西部ユニオン自治体・医療・福祉分野関連分会は、職場と国鉄闘争を軸に、児童館をなくすな! 杉並区立施設再編整備計画=丸ごと民営化の白紙撤回を求めて闘ってきました。
 昨年6月の杉並区議補選、12月衆院選を通じて「児童館全廃絶対反対の声と行動を一緒にあげよう」とビラで訴え、自治体関連、医療、福祉、学校、UAゼンセン傘下の職場・労組を訪問してきました。3月から「児童館をなくすな!」署名を始め、4月杉並区議選に立候補した北島邦彦副委員長を先頭に署名を持ち込み、「児童館全廃を阻止しよう! 闘う労働組合を職場につくろう!」と呼びかけてきました。
 ある自治体職場では「外注化には反対しなければ!」という声があがりました。JR駅頭や区役所前の街頭宣伝ではさらに強い共感と怒りが広がりました。「子どもが児童館を利用していた。廃止はあり得ない許せないとママ友と話になったし、大家にも話した」という女性など、青年層を中心に世代を超えて署名が集まりました。学校職場、自治体職場を始め署名が集まり、現在4100筆を超えました。
 区議選では約2千票で次点となりましたが、区議会が丸ごと、区立施設の再編整備計画に屈服・推進していた事実を暴露したことで、選挙の時だけ「反対」を言って言い逃れようとする候補が続出するなど、区議選の最大の焦点に押し上げました。
■児童館に闘いの機運
 何よりも私たちは、児童館全廃絶対反対を児童館で働く仲間に伝えてきました。「絶対反対で闘おう」というビラを渡して職場の状況を共有し、労働者が地域・保護者・子どもたちと一緒になって行政に迫り、児童館を作らせてきたこと、学校とは別のアプローチで地域とともに子どもたちの生きる場所を守り続けてきたことを学んできました。ある労働者は「先輩世代が力を合わせて正規雇用をかちとった」と児童館の歴史を語り、「雨の日の下校時、子どもたちが雨宿りできる児童館は民間ではできない」と話してくれました。児童館を全廃して労働者の誇りを奪い、民営化して職場を奪い、これまで営々とつくり上げられてきた安全を破壊することなど絶対に許せません。
 児童館廃止・社会丸ごと民営化を阻止する力は労働者にあると確信しています! 児童館職場では「組合が方針を出せばデモでも座り込みでもする」「反対の声をもっと伝えて欲しい」という声が出ています。児童館廃止を阻止する機運が職場に満ちています。
 動労千葉物販を持ち込み、動労千葉の闘いを共有してきたことが重要でした。87年の国鉄分割・民営化に対して、絶対反対を貫いてストライキで団結を守りぬき、JR職場で外注化・非正規職化を10年単位で遅らせ、労働組合の力で破断したレールをJR資本に取り替えさせたこと。労働組合が闘う姿を示して外注先のCTS(千葉鉄道サービス)の非正規職の仲間を組織し、CTSの労働条件をめぐりストライキを行ったことは決定的です。
■国鉄闘争と一体で
 こうした解雇撤回・非正規職撤廃の闘いが軸となり、産業報国会化を阻止し続けているのです。西部ユニオンは動労千葉労働運動に学び、鈴木コンクリート工業分会、アメリカン・アパレル分会を先頭に、解雇撤回・非正規職撤廃の闘いに挑んで次々と勝利していることを伝えてきました。
 「団結して絶対反対で闘えば勝てる」という訴えに、児童館の労働者が怒りを表明し始めています。この怒りと結びつき闘う労働組合をよみがえらせることは絶対にできます。労働組合が絶対反対でストライキを闘えば、児童館廃止は阻止できます。労働組合には非正規職撤廃を闘う力がある、正規職・非正規職がともに児童館の仕事を担っている、だからこそ労働者は分断を打ち破って団結できるのです。
■安倍と先頭で闘う
 6月25日、東京西部ユニオンが呼びかけた「41カ所の児童館をなくすな!杉並区立施設再編整備計画=丸ごと民営化の白紙撤回を!」集会には区外の参加者も多数、結集しました。自治体丸ごと民営化は全国でかけられている攻撃であり、国鉄決戦と一体で闘われる杉並児童館闘争は、安倍の戦争・改憲、民営化攻撃と激突し勝利する切っ先となる闘いです。
 大恐慌が深まり、株価暴落・国債暴落の危機に追いつめられた安倍は、UAゼンセンを持ち上げて「官公労と決別し、連合を分裂させよ」と叫んでいます。労働組合を産業報国会として再編しなければ戦争はできないことへの焦りの表明です。
 しかし国鉄闘争が解雇撤回、戦争・改憲絶対反対の軸となり、連合の産業報国会化を阻止し続け「動労総連合を全国に!」の闘いが前進しています。国会前を包囲する数万の労働者・学生との結合が始まっています。
 6・25集会は「労働組合をつぶし社会を丸ごと民営化して戦争に向かう第2の分割・民営化攻撃に対し、国鉄闘争を基軸に、闘う自治労・日教組を職場からよみがえらせて粉砕する時だ」と生き生きとした決意を生み出しました。
 西部ユニオンは合同・一般労組全国協の先頭で闘います。杉並児童館廃止絶対反対の闘いを公務員決戦として闘い、第2の分割・民営化攻撃を労働組合をつくって阻止する闘い、動労総連合を全国に建設する闘いに打って出る決意です。
(東京西部ユニオン自治体・医療・福祉分野関連分会 奈良桃子)

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