知る・考える用語解説 全国水平同盟/UAゼンセン

週刊『前進』06頁(2691号05面06)(2015/07/27)


知る・考える用語解説
 全国水平同盟/UAゼンセン

全国水平同盟-部落差別撤廃めざす団結体

 ロシア革命の影響を受けて1922年に結成された部落民の自己解放組織、全国水平社がなし得なかった、プロレタリア世界革命の実現による部落差別の撤廃を目指す。2013年7月14日結成。
 水平同盟は、部落差別を既成の運動体が言う「封建制の残存物」「身分的差別」ではなく「資本家とその国家が労働者階級を分断し団結を破壊するもの」ととらえ、分断を打ち破って階級としての共同性を取り戻すために闘う。この分断は、資本が、部落民を賃労働と資本の関係の中にたたきこみ、その最底辺で失業・半失業状態におくことで労働者階級への搾取を貫くためだ。新自由主義は労働者の団結破壊を核心にあらゆる社会的つながりを断つ。水平同盟はこれに絶対反対で立ち向かい、労働者階級の団結を拡大していく。具体的には地域合同労組に結集し非正規職撤廃へ最先頭で闘う。
 生きるために戦後かちとってきた住宅や生業の場を、既成の運動体は幹部の利権のために明け渡し、腐敗を極め瓦解の一途をたどっている。水平同盟は、大阪の西郡支部を先頭に、非和解で労働組合とともに闘い、組織を拡大している。
 国家権力の殺人罪デッチあげと不屈に闘う無実の部落民・石川一雄さんこそ労働者階級のリーダーとし、連帯して再審・無罪獲得へ狭山闘争を闘っている。

UAゼンセン-労組の産業報国会化の先兵

 連合傘下の最大労組で組合員数は公称151万8千人。もともとは繊維産業の産別組織でゼンセン同盟と称し、総評と対抗した右派ナショナルセンターの同盟の中心的組合だった。02年にUIゼンセン同盟、12年にUAゼンセンに改称し、この過程で組織対象をほぼ全産業に広げた。流通業や介護産業など非正規職の多い産業に進出、組合員の半数が非正規職や女性だ。労働者の怒りをたたきつぶすための御用組合づくりを資本から請け負い、全従業員を丸ごと組合員にして支配するという手法で組織を拡大した。
 連合の「政治方針」改定が問題になっていた05年のUIゼンセン同盟第6回大会では、改憲、集団的自衛権行使、徴兵制賛成を公然と打ち出し、その立場からの意見書を連合中央に提出した。
 安倍はUAゼンセンを先兵に、連合を産業報国会に純化させようとしている。桜井よしこが産経新聞で〝UAゼンセン以下民間労組は官公労と決別し連合を分裂させよ〟と叫んだのも、安倍の意志そのものだ。次期連合事務局長に内定しているUAゼンセン会長の逢見直人は6月26日、安倍と首相官邸で会談し安保法制や労働法制改悪について意志一致した。外注化阻止・非正規職撤廃を闘う動労総連合と合同・一般全国協の建設で、この攻撃を打ち破ろう。
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