戦争法の参院採決絶対阻止へ全国学生は総力で決起しよう 8・20国会闘争―9月全学連大会へ 革共同中央学生組織委員会

週刊『前進』10頁(2692号05面01)(2015/08/03)


戦争法の参院採決絶対阻止へ全国学生は総力で決起しよう
 8・20国会闘争―9月全学連大会へ
 革共同中央学生組織委員会

(写真 「戦争法阻止・安倍打倒」を訴える全学連のデモに圧倒的な注目が集まり、新たな学生が次々と隊列に加わった。【6月15日 東京】)


 安保法案の衆院強行採決に対し、全学連は全国の労働者人民とともに国会闘争に決起した。戦争法阻止の決起は日々拡大している。7月東北大自治会選挙では「ゼネスト執行部」が樹立された。闘う労働運動・学生運動こそ時代の最先端に躍り出よう。戦争法粉砕・安倍打倒の8〜9月決戦への決起と9月全学連大会への大結集を訴えたい。

ゼネストで戦争阻止する展望つかんだ15年前半戦

 全国学生運動は2015年前半、日帝・安倍政権の侵略戦争国家化攻撃と対決し、4・27日米ガイドライン改定、辺野古新基地建設、5・14安保法案閣議決定、7月衆院強行採決と全力で闘い抜いてきた。
 「ゼネスト決起で安倍たおせ!」「国境をこえた団結で戦争とめよう!」の訴えが決定的だった。安倍が狙うのは「1%」のための帝国主義侵略戦争であり、労働者・学生のストライキと国際連帯で戦争を止め帝国主義を打倒できるとはっきりさせ、4・28沖縄デー闘争、5月沖縄闘争、連続的国会闘争(6・15扌7・1扌7・15)に、新入生を先頭に多くの学友の結集をかちとってきた。それと並行して、沖縄大(5月)扌京都大(6月)扌東北大(7月)と「戦争法粉砕!」を掲げた革命的自治会執行部を打ち立て、キャンパスを基盤に巨大な反戦闘争をつくり出す突破口を切り開いた。
 マルクス主義学生同盟・中核派へ新たな同志が続々結集している。国会前には多くの学生・高校生が授業を放棄して結集している。戦争への怒りが、人生をかけた感動的決起を生み出している。ここに戦争絶対阻止の全国大学ゼネストの展望がある。参院採決阻止の8〜9月国会決戦を全学連は最先頭で闘おう。
 国会へ駆けつける数万の青年・学生の怒りは根底的だ。人間が人間らしく生きることすらできないこの社会の根底的変革=革命を求めている。安保国会決戦の爆発は、不可避に日帝打倒へ発展する。この革命のダイナミズムに恐怖し、必死に資本主義の枠内に押しとどめようとしているのが、既成労働運動指導部や日本共産党と並んで、SEALDs(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)指導部だ。8〜9月国会決戦の革命的爆発へ、SEALDs指導部の過ちを批判し、行動化する膨大な学生と全学連運動が大胆に結合することが急務だ。

学生の決起を官製運動へ変質させるSEALDs

〝戦後日本〟を美化・翼賛する体制擁護運動

 SEALDs指導部の反動性は第一に、「戦後日帝の70年」を手放しで賛美していることだ。彼らは「戦後70年でつくりあげられてきた、この国の自由と民主主義の伝統を尊重します」「私たちは、日本の自由民主主義の伝統を守るために、従来の政治的枠組みを越えたリベラル勢力の結集を求めます」(HPより)と言う。「70年間戦争をしなかった日本」という言葉も多用する。
 だが、これはまったく歴史の事実に反する。日帝は第2次大戦で敗北し、戦後革命の爆発によって「戦争放棄」の憲法を強制されたが、その後日米安保体制のもとで一貫して戦争国家化を進めてきた。朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガン侵略戦争、イラク侵略戦争などあらゆる戦争に加担した。「戦後日本は平和国家」とはブルジョアジーの振りまく虚構だ。日本は一貫して「1%」が支配する帝国主義であり、その意味で戦前と戦後に本質的な断絶はない。
 SEALDs指導部は日米安保に一言も触れないが、安保も「自由と民主主義の伝統」なのか。沖縄への米軍基地の集中と戦争出撃基地化という真実から目をそらし、「自由民主主義の伝統」を叫ぶことは、安保に賛成し、沖縄の怒りを踏みにじるものだ。「平和な日本を守れ」「国民守れ」の合唱は、「国民の平和を脅かす外敵と戦おう」という排外主義扇動で容易に戦争の先兵とされる。SEALDs指導部は「個別的自衛権」を認めることで、すでにその道を歩み始めている。
 第二に、「東アジアをリードする日本」という大国意識で愛国主義・排外主義をあおり、日帝のアジア侵略を後押ししていることだ。
 SEALDs指導部は、「日本と近隣諸国との領土問題・歴史認識問題が深刻化しています。平和憲法を持ち、唯一の被爆国でもある日本は、その平和の理念を現実的なヴィジョンとともに発信し、北東アジアの協調的安全保障体制の構築へ向けてイニシアティブを発揮するべきです」「先の大戦による多大な犠牲と侵略の反省を経て平和主義/自由民主主義を確立した日本には、世界、特に東アジアの軍縮・民主化の流れをリードしていく、強い責任とポテンシャルがあります」(同)と言う。
 だが「領土・歴史認識問題の深刻化」の元凶は日帝・安倍であり、日帝と米帝こそ東アジアに戦争の火を放とうとしている張本人だ。「日本が東アジアの軍縮・民主化の流れをリードせよ」「北東アジアの協調的安全保障体制の構築へ向けてイニシアティブを発揮せよ」などという主張は、戦争の張本人である米日帝に向かって「諸悪の根源=中国・北朝鮮を武装解除しろ」と要求し、戦争と排外主義をあおっているに等しい。帝国主義者と同じ言葉を吐くSEALDs指導部は、もはや「戦争反対」でもない「リベラル気取り」の支配階級の一角だ。この傲慢(ごうまん)な大国主義は、民主労総ゼネストを先頭とする労働者国際連帯の対極にある。
 第三に、新自由主義の破産を押し隠し、労働者・学生を資本主義の鎖につなぎとめることだ。
 SEALDs指導部は、「持続可能で健全な成長と公正な分配によって、人々の生活の保障を実現する政治を求めます」(同)と言う。世界大恐慌が戦争と大失業をもたらし、これに対して膨大な青年・学生が資本主義の根底的変革を求めて立ち上がる中で、「持続可能で健全な成長」などという幻想をあおり、青年・学生に一生賃金奴隷として生きることを要求しているのだ。「健全なルールある資本主義」を吹聴する日共スターリン主義と完全に同一だ。
 だが、今や大恐慌と帝国主義間・大国間争闘戦からの脱落にあえぐ日帝は、自らの延命をかけて絶望的に戦争に突入している。「戦争か革命か」が問題となる時代において、「資本主義を守ろう」とあおるSEALDs指導部は労働者・学生の闘いの桎梏(しっこく)であり阻害物だ。

「日の丸」右翼まがいの警察権力とのゆ着

 では、実際の運動におけるSEALDs指導部の反動性は何か。
 それは第一に、警察権力とズブズブに癒着し、その先兵となることだ。ここにSEALDs運動の最大の特質がある。
 「デモのために沿道で立ってくださる警察のみなさん、本当にありがとうございます」「けっして迷惑をかけないようにしたいなと自然に湧き上がる気持ちがあります。見守ってくださる温かさを感じます。ここに立つ日があるとしたら、ありがとうを言いたかったんです」――これは「日の丸」を掲げた右翼の言葉ではない。7月16日の衆院強行採決直後の国会前集会での、SEALDs中心メンバーの演説だ。まさに「奴隷の言葉」だ。この女性メンバーは法大生であり、法大闘争での126人の逮捕―34人の起訴、日常的弾圧体制という現実を百も承知で警察権力にこびへつらっている。15日の特別委強行採決直後も、警察権力の不当な規制に怒りを爆発させて労働者人民が抗議する中、SEALDs指導部は「警察ともめないでください! もめたら終わりです!」「おまわりさんは敵ではありません!」と絶叫し、冷や水を浴びせた。SEALDs指導部は戦争法強行採決への怒りを統制し、国家権力に屈従させる「第2警察」だ。
 それは、警察権力の不当弾圧の全面容認につながる。7月国会闘争で計3人の仲間が不当逮捕されたが、SEALDs指導部とその取り巻きは何の抗議もせず「逮捕された者が悪い」「自己責任だ」「迷惑だ」などと悪罵(あくば)した。SEALDsの公式ツイッターでは、「(SEALDsは)学生だけでなく主婦など政治的思想のない普通の人の集まり......と判断しています」という「公安関係者」のコメントをわざわざ引用して、自己の「無害性」をアピールしている。国会前で決起している人びとを「政治的思想のない普通の人」などと貶(おとし)め、闘う労働者・学生に対しては「極左を排除しろ!」と叫んで暴力的に襲いかかり、それが破産するや警察権力に泣きついて排除を懇願する醜態をさらし、多くの人民の怒りを買っている。
 闘う労働者・学生は警察権力とは非和解だ。警察権力は帝国主義国家の暴力装置であり、安倍の先兵だ。労働者人民は三里塚闘争・沖縄闘争などでの激突を経てその正体を知っている。京都大学同学会は、昨秋にキャンパスに潜り込んだ公安警察を実力で摘発し追放した。これに対し、国家暴力に依拠するSEALDs指導部の立場は完全に支配階級そのものだ。
 第二に、労働者・学生が団結して職場・キャンパスで資本・大学当局と闘うことを否定し、悪罵を投げかける。SEALDs指導部は「自立した個人」「普通の人」「日常性」を強調し、労働組合・学生自治会という団結形態を破壊されてバラバラにされた労働者・学生が、「個人」で国会前に集まることに価値を見出そうとする。
 だが、戦争国家化攻撃の実体は職場・キャンパスの現実にこそある。労働者が首切り・賃下げに声もあげられず、学生が戦争反対のビラ1枚まけないキャンパスで「授業・就活・奨学金」に縛られる状態で、どうやって戦争が止められるのか。労働者・学生が現場から戦争阻止のストライキに立ち上がること、警察権力を粉砕する実力闘争をたたきつけることが戦争阻止の力だ。
 7月15日の国会前では、飛び入りで参加した首都圏の学生が「強行採決が許せないので授業を放棄して国会に来ました!」と発言し、「歴史に残る日。講義を受けている場合じゃない」(大阪市立大生、7月16日付東京新聞)とも報じられた。SEALDs指導部が「授業とテスト」を優先し、闘うことを放棄した15〜16日の日中、強行採決に怒る学生は続々と国会前に駆けつけた。SEALDs指導部は大学当局との非和解的対決から逃亡し、新自由主義大学の現実を絶対に批判しない。そのような運動は戦争翼賛大学をひっくり返せず、キャンパスを資本に明け渡すものだ。
 第三に、その行き着く先がブルジョア政党や改憲勢力とも手を結ぶ「オール野党結集路線」だ。
 SEALDs指導部の主張は、政治的激突を議会主義的ブルジョア政治へ流し込むスターリン主義イデオロギーそのものだ。「立憲主義、生活保障、平和外交といったリベラルな価値に基づく野党勢力の結集が必要だ」「この野党結集は......新しい政治文化を創出する試みです」「次回の選挙までに、立憲主義や再分配、理念的な外交政策を掲げる、包括的なリベラル勢力の受け皿が誕生することを強く求めます。これは自由で民主的な日本を守るための緊急の要請であり、現実主義的な政治対抗の提案です」と、「野党結集」や「現実的対抗策」などの使い古された言葉でブルジョア議会への幻想をあおっている。SEALDsの前身のSASPL(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)は、一昨年12月の特定秘密保護法成立直前に「(法案の)趣旨は理解できる」と「現実的修正案」を提出した。このような代案主義は無力であるばかりか、労働者・学生のラジカルな行動を押さえつけるものでしかない。
 SEALDs指導部とその取り巻きは、国会を包囲する労働者人民に「頭数になれ」「(国会包囲の)30万分の1になれ」などと要求し、「上から目線」で大衆を蔑視(べっし)する。SEALDs運動とは、警察権力・主催者がはめ込む枠内でしか声を発することはできず、主体性・自己解放性は禁圧され、個人を徹底的に貶めて「永遠に指導者を生み出さない」官製運動だ。

革命を憎悪するファシズム運動的な本質

 国会への決起には一個の「革命」がはらまれている。8〜9月国会決戦でそのうねりはさらに強まり、既成指導部の思惑をぶっ飛ばして激突的・革命的に発展する。再びの侵略戦争を労働者人民は絶対に許さない。政府を打倒してでも戦争を止める。これが、戦後革命期以来脈々と受け継がれる日本プロレタリアートの底力だ。
 これに対し、反戦闘争を「官製運動」に落とし込めるSEALDs指導部に貫かれるのは、労働運動・学生運動の爆発とプロレタリア革命への憎悪だ。労働者人民の怒りが革命に発展すること、社会変革の主体としての労働者の大隊列が登場することをたたきつぶし、青年・学生の怒りを圧殺しようとする。
 SEALDs指導部は国会前で執拗に「革命を起こしたいのではない」と強調する。他方で、自衛隊・機動隊という国家暴力を無条件に是認する。「自衛隊を活用する」と宣言した日本共産党と同様、「自衛戦争」に全面賛成する。まさに日帝の戦後支配体制とブルジョア議会主義の忠実な補完物だ。その本質は、革命情勢への小ブルジョア的恐怖を立脚点に、「日本を守れ!」と日帝の救済を懇願して革命派を圧殺する「青年ファシズム運動」=「青年愛国運動」だ。しかし、労働者階級の怒りは根底的だ。必ずそうした制動をのりこえて前進する。

党派闘争に勝利し今こそ全国大学反戦ゼネストへ

 われわれは、①機関紙拡大を軸に独自の労働運動・学生運動潮流を強固につくり、②国会闘争に決起する労働者・学生への広範な宣伝・扇動戦を展開し、③安倍政権の強行採決策動とSEALDs指導部の裏切りが生み出す巨大な分岐を丸ごと獲得し多数派となるために闘う。青年・学生をめぐる大党派闘争に勝ち抜こう。SEALDs指導部の裏切り、排外主義、国家権力との親和性、ファシスト性を勇気をもって批判・弾劾している多くの戦闘的人民の決起に真摯(しんし)に学び、心から連帯して闘おう。
 「安倍たおせ!」「ストライキで戦争とめよう!」の叫びをすべてのキャンパス・街頭に轟(とどろ)かせよう。全学連大会の歴史的成功へ、ストライキ=実力闘争を復権させることが核心問題だ。「いかに戦争法を粉砕し、戦争を止めるか」。この問いへの唯一の回答こそ、キャンパスで大学当局と激突する団結をよみがえらせ、全国大学でゼネストを実現し、戦争国会を万余の学生デモ隊で粉砕することだ。
 大学が戦争攻撃の大焦点だ。一方で軍事研究=戦争協力が推し進められ、他方で「経済的徴兵制」で青年・学生の戦場への駆り出しが始まっている。団結と実力決起=ストライキが必要だ。法大闘争9年半の地平の上に、全国大学反戦ゼネストを闘う学生自治会を建設しよう。
 8・20国会デモ―全学連大会、9月参院強行採決阻止闘争は、「闘いが闘いを呼び数倍数百倍の決起を生み出す激動期型の行動」となる。幾百万のうねりを指導する革命的リーダーが膨大に輩出される、胸躍る時代の到来だ。国会闘争と強固なマル学同建設を一体で推し進め、9月全学連大会を大成功させよう!

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戦争法の参院採決阻止!
8・20国会闘争
 8月20日(木)
 正午 国会・霞ヶ関デモ
 ※午前11時45分に日比谷公園霞門集合
 午後1時 国会前抗議行動 (衆議院第二議員会館前)
 呼びかけ/全日本学生自治会総連合

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第76回全学連定期全国大会
 9月2日(水)〜3日(木) 東京都内
 ※参加費 1000円(資料代・会場費など。宿泊費は除く)

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