日韓労働者の国際連帯で戦争阻む 安倍談話粉砕へ集会 8・15発言

週刊『前進』06頁(2694号03面01)(2015/08/24)


日韓労働者の国際連帯で戦争阻む
 安倍談話粉砕へ集会 8・15発言

(写真 割れんばかりの拍手と歓声を受け、弾圧を粉砕した「街」の仲間が登壇し勝利感あふれる発言を行った【8月15日 すみだ産業会館】)


 「戦争法案の成立阻止! 安倍70年談話粉砕! 8・15労働者市民のつどい」はパククネ政権打倒へゼネストを闘う韓国・民主労総との連帯闘争としてかちとられ、安倍政権を階級的労働運動の前進で打倒する9月決戦への展望を力強く示した。主な集会発言を紹介します。(編集局)

主催者あいさつ

国益と排外の改憲を阻もう
 8・15実行委員会代表 葉山岳夫弁護士

 本日の集会は、戦争法案の成立阻止、安倍70年談話粉砕、安倍政権打倒、国益と排外をふりかざした改憲を阻止する集会であります。
 安倍の戦後70年談話はとんでもないペテンです。安保・戦争法案を強行成立させて、朝鮮、中国を始めとするアジアへの侵略戦争を仕掛けようとしている中でのうわべをとりつくろったもので一片の正義もありません。「積極的平和主義」を振りかざした居直りの侵略宣言、まさに粉砕あるのみです。
 戦争法案を阻止する根本的力は、階級的労働運動を基盤としたストライキ、ゼネスト闘争であり、全世界、なかんずく韓国・民主労総、ギリシャ労働者、アメリカ港湾労働者と連帯したゼネスト闘争であります。
 一切の戦争に絶対反対し、これを強行する政府を打倒しなければ戦争は阻止できません。戦争法案を阻止して、国益と排外の動きと闘って、改憲攻撃を粉砕して安倍を引きずり倒しましょう。

講演

一日も早く安倍倒すべき
 平和遺族会全国連絡会代表 西川重則さん


 定年退職して迷うことなく99年1月から国会傍聴を始めました。99年以降、戦争が始まる可能性があると思ったんです。戦争は国会から始まる。それが私の研究の成果の一つです。
 30年代以降、国会で悪法をつくった時にそれを食い止めることができなかった。主権者、有権者が学ぶべきことを学んで、絶対反対だと声を大にして言うべきだ。ともなる闘いが必要だということです。
 今、内閣は戦争法案と言わざるを得ない法案を出してきている。戦争とは何ですか。首相の兄弟姉妹が戦争に行くんですか。行きませんよ。首相も行きません。行くのは18歳以上の若い世代です。仮に徴兵制がしかれたら、全部が戦争に関わってくる。
 国会は、私たちがけっして知らなくていいんじゃなくて、主権者、有権者が代表者を選んだ場所です。しかし代表者に値しない。国会議員は憲法も勉強しなければ、悪法についても知らない。
 私たちは徹底的に日本国憲法に習熟することが大事です。第9条で戦争を絶対しないと書いてあります。不戦の決意、それを実行していますか。戦争の準備をどんどん進めているじゃないですか。そして悪法を通そうとしている。
 主権者、有権者のわれわれが願っていることを無視して悪法をつくろうとする内閣の存在を許していいんでしょうか。一日も早く打倒すべきである。
 昨日、安倍談話を聞いて、私は一日も早くこの悪法を廃案にするべきであると内閣総理大臣に言っていきたいと思います。あなたのやっていることは根本的に間違っている。主権者、有権者はこんなものを認めていない。悪法を廃案にせよ。このように首相に問いかけたい。
 9月27日まで国会を延長したのは悪法を通すためです。安倍内閣だけでなく歴代の内閣すべてが悪法をつくってきた。にもかかわらず主権者、有権者が問題にしないことが問題です。
 日本はアジア、中国に対して何をしたのか。侵略と加害の歴史の事実に基づいて歴史認識を共有しましょう。
 政府は今、戦争ができる沖縄にしようとしている。戦争や基地のない平和な沖縄ではなく基地のある沖縄にして平然としている。こういう内閣をわれわれは許さない。沖縄の心とともなる闘いをしたい。
 そして中国やアジアの人びとと国際連帯でともなる闘いをしましょう。

基調報告

「階級協調」を拒否し闘おう
 8・15実行委員会 森川文人弁護士

 安倍談話は、政権支持率低下の状況下で安保法案を成立させようというグラグラの中、「侵略」「おわび」「植民地支配」という言葉を形式的に配置しました。しかし、この安倍談話は侵略戦争を再び行う戦争宣言です。弾劾しなければなりません。
 「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」などと言う。つまり、この時点で過去を清算し、その上で「積極的平和主義」の名のもとに侵略戦争を再び行うということです。はっきりしているのは、戦争法案を引っ込めるつもりなどまったくないということです。
 また、安倍談話は、朝鮮にほぼ触れていません。それは、韓国の労働者のゼネストをも視野に「朝鮮半島有事」を持ち出すためです。これは排外主義・ナショナリズムで「祖国防衛」「自衛戦争」に屈服させるためです。
 今、学生や青年、そして女性が立ち上がっています。国会前で戦後日本の体制を前提とする階級協調の日和見主義が現れ、牙を向いてきています。警官に礼を言いながら「過激派」排除をする「愛国青年」「愛国平和」の制動をのりこえなければなりません。
 戦争法案に一見、口先で反対していても実際に戦争情勢に突入した時、職場、大学などで階級協調を拒否し、戦争反対で資本と非和解的に闘うことができなければ「祖国防衛」と称した帝国主義戦争に加担する結果になってしまうでしょう。「資本を倒さなければ戦争は終わらない」のです。
 戦争を阻止する唯一の道は「自国政府打倒」の団結と国際連帯です。
 韓国、ギリシャ、中国を始め世界中の99%の人びとと団結・国際連帯を貫き、戦争をする政府・資本を打倒し、勝利へ突き進みましょう。これが安倍談話への私たちの回答です。

刑事司法改革粉砕

現代の治安維持法つぶせ
 憲法と人権の日弁連をめざす会 武内更一弁護士

 刑事司法改革関連法案とは、安倍政権が安保関連法案と同時に国会に上程し、審議している法律です。自分の罪を免れる、あるいは軽くしてもらうために他人の犯罪行為を警察・検察に提供しろと、提供したら刑は軽くしてやるという汚い司法取引、さらには警察による盗聴の対象罪種を窃盗や詐欺、傷害などまで含めてしまうなどの司法改革です。
 これは、人びとの通信や人びとの集まりを片っ端からつぶしていくための法律です。
 日弁連執行部はこれを丸のみして、早期立法せよとまで言う委員長声明を出しています。絶対に許せません。
 私たちは、1月に「現代の治安維持法と闘う会」という団体を立ち上げ、弁護士と市民、労働運動と一緒に反対の活動を展開してきました。その結果、日弁連も賛成していることで審議なしに通ってしまう危険があった法律ですけれども、中身の議論が一定程度され、新聞なども危険だと言ってきました。
 戦争法案が強行採決されていくのと同時に、それと一体をなすものとして刑事司法改革関連法案が強行採決されました。しかし、人びとの目はこの法案の汚さ、凶悪さにどんどん向いてきています。私たちは、戦争法案と一緒に刑事司法改革関連法案を粉砕しないといけないと考え、取り組んでいきます。

特別報告

団結した力で11月総決起へ
 民主労総ソウル地域本部女性委員長 キムジンスクさん

 今韓国社会は深刻な両極化、賃金格差など所得不平等が広がり、労働者庶民はますます貧しくなり、財閥だけ肥え太る正常でない構造が深まっています。しかし、政府は財閥改革は後回しにしたまま労働改革を行うという刃(やいば)を振り回しています。
 民主労総は4月24日先制ゼネスト闘争を通じて、労働市場構造改悪に強力に抵抗しながら「最低賃金1万ウォン争奪」を新たな代案として提示しました。
 民主労総は「さらに容易な解雇、さらに低い賃金、さらに多い非正規職」を狙った政権に立ち向かい、さらに強力な闘争を準備しています。
 8月末48時間集中闘争、1万人先鋒(せんぽう)隊闘争を通じて、ソウル都心が労働者の怒りで波打つような強力な闘争を行うでしょう。
 また労働者・庶民みな殺し政権の挑発を止める威力的なゼネストを成功させるでしょう。労働市場構造改悪が一方的に強行された時には直ちにゼネストに突入することを決議し、11月には労働者・農民・貧民がともに闘う大規模民衆総決起を予定しています。
 戦争屋の安倍政権に立ち向かう、日本の労働者の闘争もまた支配階級に対する正義の闘争であり、労働者民衆を生かす正当な闘争です。戦争は資本と政権の利益のためのものであり、それは労働者民衆の犠牲を必然的に伴うことになります。
 自衛権行使と戦争法に抵抗する日本労働者の闘争は全世界の労働者民衆のための歴史的闘争になるでしょう。
 全世界労働者民衆の団結だけが、この地の戦争の野望を終息させ、労働者民衆が明るく笑うことができる平和な世の中を闘いとることができると信じます。

歴史の前面に登場する時だ
 国鉄千葉動力車労働組合 田中康宏委員長

 敗戦から70年、戦争法案が審議されている中で、韓国・民主労総の同志を迎えて集会を開いていることは特別な意味があると思います。ゼネストを闘っている同志たちに銃を向けろという法案が国会で審議されている。私たちは絶対にアジアの労働者たちに銃を向けない。銃を向けるなら、戦争をしようとしているこの国の政府に対してです。
 また、3・11以降、ともに闘っているトルコの同志から「私たちは戦争と向き合っています。中東は火の海です」とメールが入りました。彼らは「一刻の猶予もありません。この連帯を力あるものにしたい」と、11月集会に代表団を送ると言ってきました。求められているのは日本の労働者階級が力を取り戻し、戦争を止めることです。
 30年間闘ってきた国鉄分割・民営化に伴う解雇撤回闘争で最高裁は上告棄却の判決を下しました。私たちは闘い続けます。長い闘いへのご支援ありがとうございました。でも、もう一つ力をお貸しください。
 第一に、採用差別、国鉄分割・民営化は国家的不当労働行為だったと認定したにもかかわらず、解雇を撤回しない。これはすべての労働者の権利にかかわる問題です。
 第二に、国鉄分割・民営化は「国鉄労働運動をつぶして総評・社会党をつぶし、立派な憲法を安置する」と言ってやられた。この問題は今まさに国会で争われている。今、起きていることは、日本の労働組合を戦争推進勢力にするための労働運動解体攻撃です。
 第三に、国鉄分割・民営化は1500万人もの労働者を非正規職に突き落としました。貧困、ワーキングプアが広がり、年金も社会保障も医療も教育も全部破壊された。この出発点が国鉄分割・民営化でした。
 今、すべてを非正規職化し社会丸ごと民営化しようという攻撃が進められています。だから闘いの旗を降ろすわけにはいきません。
 8月23日の総決起集会にぜひ結集をお願いします。8〜9月、戦争法案を阻止するために全力で闘い、この秋を、国鉄分割・民営化で失われた日本の労働運動の力を取り戻し、歴史の前面に僕らが登場する過程にしたいと思います。

沖縄ゼネストよみがえらせ
 日本IBMビジネス・サービス労働組合 富田晋委員長

 沖縄では辺野古基地建設が1カ月間、ストップしている。これは何か?
 いま米軍基地内の労働者の3人に1人が非正規職に突き落とされるという攻撃に対し、全駐労の闘う現場指導部はストライキを構え、座り込みや基地内でのビラまきを開始している。辺野古に基地を建設したら、ほかから玉突き的に基地労働者を移動させる。転籍させて非正規職化していく。この攻撃への反撃が始まっています。
 もう一つ、8月12日に特殊訓練中に墜落した米軍ヘリに自衛隊が乗っていた。安保法制の先取り、戦争に向かう実戦訓練にもう入っている。
 結論的に言えば、沖縄で非正規職撤廃を闘っている仲間は、国鉄闘争と一体で闘っている。国鉄闘争を闘っている仲間たちは国会前で闘っている。この一体的な闘いがいま辺野古新基地建設を止めているんです。
 共産党やシールズが出てきている。「70年間、平和」だ。ふざけるな! 沖縄から見れば平和だったことは一度もない。
 朝鮮戦争が行われたのはなぜですか? 沖縄が米軍基地化されたのはなぜですか? それは朝鮮での革命を、ベトナムでの革命をたたきつぶすためでしょう! 僕らの原点は、資本主義の軍隊は労働者・民衆を守らないってことです。
 仲宗根光洋書記長は、職場で安全闘争を闘い、その報復で解雇された。この解雇撤回の闘いが新たな青年を次々と立ち上がらせ、ゼネストに向かう情勢をつくり出している。71年ゼネストをよみがえらせ、安倍を打倒しよう!

原発再稼働阻止・被曝労働拒否

福島を反原発の拠点にする
 ふくしま共同診療所 布施幸彦院長

 ふくしま共同診療所は〈避難・保養・医療〉という原則を掲げています。3・11原発事故以降、避難できる人は避難すべきである。でも避難できない人は数日でもいいから保養に行こう、と。その上で、どこにも行けない、福島の地で生きなければならない人たちのための診療所です。
 127人の小児甲状腺がん、ないし疑いが見つかっていますが、今でも県は、甲状腺がんの多発は放射能ではなく、過剰診療によるものだと言っています。冗談じゃない!
 原発再稼働と戦争法案、この二つは一体の攻撃です。原発再稼働によって核を持って核武装し、戦争法案成立で侵略戦争に打って出る軍隊をつくる。絶対阻止です。
 福島を反原発、戦争絶対反対の拠点としなければならない。福島にはその力があります。

常磐線の全線開通許さない
 国鉄水戸動力車労働組合 石井真一委員長

 安倍はもうグラグラだと思います。勝負は労働運動です。中曽根以来の攻撃に動労千葉を先頭に30年間闘い、戦争を阻んできた。それが1047名の解雇が不当労働行為だと最高裁に認めさせた6・30決定の勝利の地平を切り開いた。次のステップは動労総連合建設を全国で切り開くことです。
 9月5日、楢葉町の帰町宣言が行われることになっています。帰町すれば広野・楢葉の自治体や教員や郵便局や水道、NTT、JRもすべての労働者が被曝させられます。JRは常磐線を18年までに全線開通することを狙っています。広野と楢葉だけ資本を投入してあとは全部切り捨てるというのが安倍政権のやり方です。ストライキも辞さず闘います。外注化との闘いも、安保法制の闘いも、ともに闘っていきたいと思います。

完黙を貫き弾圧に勝利
奪還された「街」の2人から

Aさん

 昨日奪還されました! みなさん、本当にありがとうございました。激文も力になり完黙を貫き、勝利しました。
 東京全体の団結の力が勝利を引き寄せたと思っています。連日のビラまき、街宣、デモ、東京中の作業所を回ってくださり、闘いがかちとられています。職場である「街」も、絶対に「街」を守るんだと連日たくさんの人が集まってくれました。ここから新しいリーダーたちが誕生しています。公安の弾圧に完全に勝利しました。

Bさん

 権力はマスコミも呼びつけて大々的にキャンペーンをしてきましたが、実は何ひとつ確信もなくグラグラなんだということがよく分かりました。
 弾圧に対して絶対反対、完黙・非転向の闘いは、必ず安倍、権力を打倒することができます。そして、新たな団結をつくり出しています。それは1000万人労働者と結びつく闘いそのものだと思います。

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