沖縄米軍ヘリ墜落 「朝鮮有事」を想定 日米特殊部隊が共同訓練

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週刊『前進』06頁(2694号05面04)(2015/08/24)


沖縄米軍ヘリ墜落
 「朝鮮有事」を想定
 日米特殊部隊が共同訓練

(写真 墜落し大破した米軍ヘリ)


 8月12日、沖縄で自衛隊員2人が同乗した米軍ヘリが墜落した。この事故は「朝鮮有事」を想定した日米合同の軍事訓練中の事故であった。
 日米帝による侵略戦争準備が白日のもとにさらされた。安倍が70年談話で語る、「70年間に及ぶ平和国家としての歩み」などデタラメもいいところだ。「軍隊は住民を守らない」――労働者人民を戦場に送り、殺し合いをさせる帝国主義を打倒しよう。世界革命こそ世界の労働者人民がともに生きる道だ。

中央即応集団が同乗し研修

 8月12日午後1時46分、米陸軍の特殊作戦用のMH60ヘリコプターが沖縄県うるま市沖の海上で米海軍艦船への着艦に失敗し、墜落した。乗組員17人中7人が負傷し、在沖米海兵隊キャンプ瑞慶覧(ずけらん)の海軍病院に運ばれた。このうち2人は日本の陸上自衛隊員だった。
 事故現場は近海で多くの漁業者が操業しており、漁船などの航行が多い場所だ。運よく事故災害を免れた。
 このヘリは船に降り立ち「テロリスト」を制圧する特殊作戦の訓練中であった。搭乗していた陸上自衛隊員は中央即応集団(CRF)の隊員で、「部隊研修」の名目で同乗していた。これまでも米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)の訓練に「研修」の名目で参加してきた。
 CRFは「テロやゲリラなど多様な部隊」に対処する専門部隊で、2007年の第1次安倍内閣の時に創設された。編成や装備、訓練内容などは一切明かされていない。
 また、今回墜落したヘリの通称はブラックホークで、パキスタン領内でのウサマ・ビンラディン暗殺作戦に使われたものと同型だ。グリーンベレーは戦争で正規軍として動くのではなく、「敵」の後方まで行って情報のかく乱をしたり、要人の暗殺をする部隊だ。
 在日米軍は13日に今回の訓練について、米太平洋軍による軍組織交流プログラムの一環で、「米軍と太平洋地域の多くの国々の参加で行われるものだ」と発表した。墜落したヘリを回収した米軍の艦船「レッド・クラウド」は、報道陣が待ち構えるホワイトビーチを避け、そのまま韓国の米軍基地に入港した。そして、その3日後の8月17日から28日まで、米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」が行われている。米軍3万人、韓国軍5万人を動員する大規模な合同軍事演習だ。
 まさにこの事故は、日米帝と韓国によって引き起こされた墜落事故だ。そして、訓練は北朝鮮侵略戦争を想定したものだ。絶対に許せない。
 1972年の本土復帰から43年、墜落事故は今回で46回目となる。年に1回以上の高頻度だ。
 米陸軍トップのオディエルノ米陸軍参謀総長は12日に記者会見し、「一つの偶発的な事故で過剰反応するつもりはない」と言い放った。19日には沖縄県議会で全会一致で飛行停止を求める決議が上がる中、同型ヘリ2機の飛行訓練が沖縄で行われた。断じて許せない。

ゼネストで安倍を倒そう

 安倍政権は日本労働者人民の根底的な怒りに包囲され、8月には広島―長崎で安倍への怒りがたたきつけられた。それでも、ぼろぼろになりながら凶暴化して安保法制の成立を狙っている。
 しかし、動労千葉労働運動の職場での不屈の実践は、「民営化・外注化、非正規職化」と闘うIJBS(日本IBMビジネスサービス)労組の闘いを生みだした。そして沖縄の労働運動の基軸をなす基地労働者のIHA(海軍販売所、売店、社交クラブ、劇場などの労働者)の非正規職化を突破口とした総非正規職化攻撃に対する全駐労組合員の決起を生み出している。それは辺野古への新基地建設を阻止する本格的な闘いの開始だ。国鉄決戦を基軸とする階級的労働運動派の闘いは、基地労働者を先頭に沖縄全島ゼネスト情勢を切り開いている。
 「基地の島」「非正規職の島」を「国際連帯と革命の島」へと変革しよう。求められているのは沖縄と本土との労働組合の団結であり、ゼネストだ。全国にストライキを闘える拠点労組をつくりだそう。戦争に突き進む安倍を打倒しよう。

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