帰還と被曝の強制許すな 常磐線全線開通阻止を 動労水戸スト貫徹しいわきで行動

週刊『前進』06頁(2696号03面01)(2015/09/07)


帰還と被曝の強制許すな
 常磐線全線開通阻止を
 動労水戸スト貫徹しいわきで行動

(写真 いわきの青年と動労水戸を先頭にデモ行進【8月29日 いわき市】)

(写真 平中央公園で集会。青年労働者と福島現地からの発言にとりわけ大きな拍手が送られた)

(写真 動労総連合の木科さん、會澤さん、照沼さんがいわき運輸区の労働者に決起を呼びかけた)


 動労水戸とNAZENいわき、いわき合同ユニオン、動労水戸支援共闘の共催で、8月29日、「帰還と被曝の強制許さない!8・29いわき行動」が闘われ、300人が結集した。動労水戸組合員はストライキを貫徹して闘争に結集した。
 戦争法案と一体の原発再稼働を強行する安倍政権は、福島原発事故をなかったことにするために9月5日に楢葉町の避難指示を解除し、避難している住民に帰還を強いようとしている。その安倍の先兵となったJR東日本は、常磐線の全線開通に全力を挙げている。動労水戸はこの日の闘いで総力の反撃を開始した。
 午後1時、いわき市平中央公園で集会が始まった。司会を動労水戸平支部の川俣辰彦さん(いわき合同ユニオン委員長)が務めた。
 動労水戸の石井真一委員長が、「原発事故は収束していない。なのに楢葉に帰れ、補償も打ち切ると安倍は言う。帰還が始まれば鉄道、自治体、教育、郵政、NTT、水道、運輸などすべての労働者に被曝が強いられる。労働組合として絶対に許せない」と怒りをたぎらせた。そして、「JRは常磐線を全線開通させるため、バラストを交換してどれだけ線量が下がるかを調べる工事を始めた。動労水戸は団交を要求したが、JRは応じていない。労働者が被曝しても関係ないという態度だ」とJRを激しく弾劾。また「労働組合が被曝や戦争に何も言えなくなった時に戦争は始まる。原発を止め、安全に収束作業を進めるためには原発労働者の労働組合が必要だ。原発労働者と連帯し、被曝労働を拒否する労働運動を全国につくろう。安倍を打倒し労働者が人生をまっとうできる社会をつくろう」と力を込めて訴えた。

原発止めるのは労働組合の力だ

 いわき合同ユニオンの青年は、除染労働者に対し危険手当だけでなく基本給さえまともに払わない会社と対決し、未払い賃金を支払わせたユニオンの闘いを紹介した。また解雇の撤回を求める自身の闘いにも触れて、「青年労働者の半分が非正規職でまともに生活ができない社会、収束作業に当たる原発労働者の安全を守ることができない社会を変えよう。そのためには労働組合が必要だ」とアピールした。
 NAZENいわきで闘う青年は、「仮設住宅にビラ入れをして住民の怒りの声、不安の声を聞き、地域に根ざして闘うことをあらためて決意した。安倍の福島切り捨て・原発再稼働を許さない」と力説した。
 動労水戸支援共闘呼びかけ人の小玉忠憲さん(国労秋田闘争団)が、「JRは津波に襲われた気仙沼線、大船渡線、山田線は復旧しない一方、誰も要求していない常磐線を何百億円もかけて開通させようとしている。『原発事故はコントロールされている、大丈夫だ、帰れ』と言うためだ。住民は死んでも構わないということだ」と怒気強く述べ、「安倍との闘いをあいまいにしたら戦争に動員される。安倍を倒し、被曝と帰還強制を許さず動労水戸とともに闘おう」と強調した。
 福島診療所建設委員会の佐藤幸子さんは、「避難している人たちを帰そうとすることは許せない」と声を強め、川内原発再稼働阻止の現地闘争に参加し発言したことに触れ、「動労水戸の西納さんの発言はピカいちだった。九州電力の労働者の中から立ち上がる人が出てくれば原発は止められる」「皆さんとともに子どもたちの未来を守る」と決意を述べた。
 ふくしま共同診療所の布施幸彦院長のメッセージが紹介された。
 原発ユニオンの労働者が、除染労働者として働き、労基法も労働安全衛生法も守られていない現実を告発して解雇された経験を語り、「人間らしい労働条件とまともな賃金を求める」と述べ、ともに闘う意思を表した。
 動労総連合の各組合が発言した。動労千葉の繁沢敬一副委員長は、国鉄解雇撤回・外注化粉砕の決戦に立つと表明し、動労総連合の拡大、とりわけ動労千葉の組織拡大を実現する決意を語った。
 動労西日本の山田和広書記長と2人の組合員が、組織拡大・ゼネスト実現への決意を示した。
 動労神奈川の青年組合員は2度の解雇策動を粉砕したと自信に満ちて報告した。動労総連合・新潟の杉野章書記長は、満を持して同労組を結成したと述べ、郡山総合車両センターの橋本光一さんも9月10日に動労福島を結成すると宣言した。
 動労水戸組合員の家族が、茨城県でも子どもに甲状腺がんが見つかったと述べ、帰還と被曝の強制にストで闘う動労水戸への支持を訴えた。
 動労水戸の會澤憲一さんと照沼靖功さんは、常磐線全線開通阻止へ、いわき運輸区の労働者を組織すると決意を述べた。
 小竹運輸グループ労組の野澤英人副委員長が、地労委の証人尋問から逃亡した会社会長を必ず引きずり出して組合つぶしを打ち破ると宣言し、星野全国再審連絡会議の狩野満男さんは9・6徳島刑務所包囲闘争への決起を訴えた。茨城県地域連帯労組の代表は、仮設住宅へのビラ入れの経験から、帰還の強制は絶対に許さないと決意を語った。全学連の斎藤郁真委員長は、戦争法案粉砕の国会闘争の先頭に立つとともに大学でストライキを実現すると表明した。
 まとめを動労水戸の辻川慎一副委員長が行い、「帰還の強制はまさに棄民。孤独死しろということだ。戦争、原発、非正規職化で死ねという攻撃とわれわれは非和解だ」と強く弾劾し、「ゼネスト情勢は国会前だけでなく、職場の現実、福島の現実、いわきの現実の中にある。動労総連合と全学連を全国に打ち立て、ゼネストで社会を根本的に変えよう」と訴えた。
 動労水戸の西納岳史書記のリードで団結ガンバローを行い、参加者は直ちにデモに打って出た。

動労総連合青年が運輸区前制圧

 いわき市の中心街を抜け、いわき運輸区前を通り、いわき駅前までのデモは、沿道の強い関心と共感を呼んだ。手を振ってデモ隊を激励する女性の姿などが見られた。
 いわき運輸区前では動労水戸の會澤さんと照沼さん、動労千葉の木科雄作さんがマイクを握り、運輸区の労働者に力の限り訴えた。「被曝したくないとはっきり言えるのが労働組合だ。動労水戸に結集して被曝労働をぶっ飛ばそう」「被曝したくないのなら声を上げよう。動労水戸に入って会社と徹底的に闘おう」「動労水戸は皆さんの決起に全力で応える」というアピールは、運輸区の労働者の心を大きく揺さぶったに違いない。
 デモ終結点のいわき駅前でこの日の闘いの勝利を確認し、参加者は翌日の国会闘争から11月に至る決戦に突入した。

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