安保国会を斬る! 米日帝の朝鮮侵略戦争と「国家総動員体制」粉砕へ

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週刊『前進』06頁(2696号05面05)(2015/09/07)


安保国会を斬る!
 米日帝の朝鮮侵略戦争と「国家総動員体制」粉砕へ

公務員労働者を軍事演習に動員

 戦争法は、米日帝国主義の朝鮮侵略戦争の準備そのものとして進められている。それは自衛隊員だけでなく民間と公務員の労働者を戦争に動員する。さらに全労働者人民を戦争態勢に組み入れることで、反戦闘争とプロレタリア革命を圧殺する攻撃である。
 8月に朝鮮半島で韓米合同軍事演習が、北朝鮮に対する戦争挑発として強行された。演習には韓国軍5万人、米軍3万人のほかに公務員労働者40万人が動員された。
 米軍と韓国軍は新たな「作戦計画5015」を作成した。これまでの「作戦計画5027」よりも攻撃的であり、北朝鮮に対する先制攻撃を「自衛権の行使」として正当化する凶暴な作戦計画である。日帝・安倍政権も北朝鮮に対する先制攻撃を「自衛権」の名のもとに正当化しており、米日帝国主義の朝鮮侵略戦争が切迫している。
 毎日新聞8月20日付によると、12年10月、国内有事を想定した日米共同演習が行われ、これに東北6県の職員が参加した。「県境を越えた住民避難の方法を議論した」という。これが示すことは、日帝・自衛隊が朝鮮侵略戦争を想定して国内での戦争態勢づくりを本格的に進めていることである。軍隊の迅速な移動と、住民の戦争動員・統制・治安弾圧のために、公務員労働者を動員しようとしている。13年には北海道の、14年には関東甲信越の自治体職員が参加して同様の訓練が行われた。11年の東日本大震災・福島原発事故の翌年から、日米戦争訓練への自治体の参加を次々と広げている。朝鮮侵略戦争の準備そのものである。

鉄道・空港・港湾 成田も軍事利用

 安倍政権が狙っているのは「国家総動員体制」だ。武力攻撃事態法、重要影響事態法(周辺事態法を改悪)、特定公共施設利用法の改悪案及び国民保護法をみればそれははっきりしている。一連の法律を通じて「国、地方公共団体、指定公共機関の責務」「国民の協力」を規定している。
 外国で軍事衝突や危機的事態が起こり、時の政権が「日本存立の危機だ」と判断した場合、首相が対処基本方針を定める。この方針に従い、港湾、空港、道路、海域・空域、電波について、軍事利用が優先される。
 まず中央省庁や都道府県庁、市町村役場が協力を義務付けられる。それだけではない。日本赤十字、NHK、民間放送局、通信、電力、ガス、商船、航空、JR、私鉄、バスなど152社・機関が「指定公共機関」として協力を義務付けられている。
 空港や港湾は全国の大半の施設が指定される。そこで働く労働者がそのために動員される。もちろん航空機や船舶、パイロット・乗務員・整備士や船員も動員される。
 内部告発サイト「ウィキリークス」が暴露したところによると、米国防総省は08年7月に、朝鮮半島有事に備えて23の日本の空港・港湾の調査を早く完了するよう、日本政府に要求した。防衛省はいつでも軍事利用できるよう、民間空港の滑走路の長さや幅、全国の港湾の水深や岸壁の長さなどを日常的に調べている。
 毎年、北海道で行われる陸自の大規模移動演習では、本州から民間フェリーで戦車や軍用車両を輸送する訓練が行われている。
 幹部自衛官の内部向け研究誌「陸戦研究」の10年前の論文によると、朝鮮半島有事の際、米軍は50万人の兵力を出動させる。米本土から40万人が日本に来る。日本は米軍の兵員・物資の中継・出撃拠点になる。1日100機以上の輸送機や多数の貨物船が日本の空港や港湾を軍事使用するのだ。
 成田空港は最も重要な中継拠点となる。これに対して50年間、「軍事空港反対」を掲げて闘い続けてきた三里塚闘争の意義は決定的に重要である。市東さんに対する農地取り上げ攻撃と「第3滑走路」攻撃は、米日帝国主義の朝鮮侵略戦争攻撃そのものである。絶対に許せない。
 自衛隊の海外出兵ではすでに、輸送や装備品の修理、宿営地の運営などさまざまな分野が民間企業に委託されて行われている。04〜06年のイラク「復興支援」の時も物資や装備品の輸送に民間企業が動員された。現在も南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に、日本通運の社員が派遣され、自衛隊員の交代や荷物の輸送業務を行っている。総合商社の丸紅は宿営地の整備を請け負っている。

ゼネスト闘って戦争を止めよう

 このようにして戦争になれば、軍隊ばかりでなく多くの労働者が大規模に動員され戦争の犠牲にされる。かつてアジア太平洋戦争では、民間の客船・輸送船が軍事物資や兵員輸送のために動員され、多くの船が米軍に攻撃されて沈没し、6万人の船員が殺された。同じことを再び繰り返してはならない。
 「陸戦研究」では、結論として「作戦の成否はまさに民間等の協力をどの程度確保するかにかかっている」と言っている。これは逆に、労働者が一切の戦争協力を拒否し、ストライキで闘えば、戦争は止められるということだ。ストライキを闘える労働組合をつくろう。ゼネストで米日帝国主義の朝鮮侵略戦争を絶対に阻止しよう。
 日本共産党スターリン主義は「朝鮮有事がさもすぐ起こるかのようにあおられているけれど、そんなものではない」(志位委員長)と言っているが、これは米日帝国主義の朝鮮侵略戦争策動を容認し、助ける犯罪的な主張である。
 日本の労働者階級には反戦を闘う大きな力がある。連合の「産業報国会」化など、絶対に許さない決意と闘いがある。今こそ、ゼネストで闘う韓国の労働者階級と連帯し、米日帝国主義の朝鮮侵略戦争を絶対阻止しよう。戦争法絶対阻止へ、9・13国会闘争へ総決起しよう。
(畑田治)

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