動労総連合出向無効訴訟 出向延長を徹底弾劾 外注化による安全崩壊暴き

週刊『前進』06頁(2698号03面02)(2015/09/21)


動労総連合出向無効訴訟 出向延長を徹底弾劾
 外注化による安全崩壊暴き

(写真 裁判に先立ち「仕事も人もJRに戻せ!」とシュプレヒコールを上げた【9月11日 東京地裁前】)

 動労総連合強制出向無効確認訴訟の第12回口頭弁論が9月11日、東京地裁民事第11部(佐々木宗啓裁判長)で開かれた。
 その前日、JR東日本は検修業務の外注化により強制出向に出されている労働者に出向延長の事前通知を発令した。千葉、高崎支社では1年、水戸支社では3年の延長だ。そもそも「出向期間は3年」と言ってきたのはJRだ。その出向期間を延長すること自体、外注化の全面破綻を示している。
 法廷で原告代理人弁護団はまず、「出向が延長されるなら実質的な転籍だ。出向命令自体の無効は明白だ」と断言した。
 さらに、JR東日本で続発する事故の原因が外注化にあることを具体的に突き出した。2月、勝田車両センターで列車が車両止めに乗り上げて脱線する事故が起きた。外注化以前は構内運転士、検修係、誘導係が打ち合わせをし、細かい作業手順を意思統一して作業に当たっていたが、外注化で業務はJRと外注会社に分断され、事前の打ち合わせもなくなった。これが事故の原因だ。
 早期結審の姿勢をあらわにしてきた裁判長に、原告側は「さらに被告の主張に反論する」と反撃した。被告のJR東日本も、出向延長の問題を突きつけられ、「反論の書面を出す」と言わざるを得なくなった。原告側はまた、「裁判を大法廷で行え」と強く求めた。
 裁判後の総括集会で、代理人弁護団は「出向延長で出向命令自体が無効の状態に入った。この裁判でJRをそこまで追い詰めた」と強調した。
 動労千葉の関道利執行委員(幕張支部)が、出向延長の事前通知の受け取りを拒否し、管理者を追及した職場の闘いを報告した。出向解除を口頭で通告された幕張支部の渡辺剛さんは、「JRに戻っても仕事がない。仕事をJRに取り戻す以外にない」と怒りをたぎらせた。動労水戸の石井真一委員長は、外注会社のプロパー(直雇い)社員の養成ができていない現状を報告し、「外注化は全面破綻した」と喝破した。動労千葉争議団の中村仁さんが「出向中の仲間とともに必ずJRに戻る」と闘志を表した。
 動労千葉の田中康宏委員長は、「JRは建前としては『3年でプロパー社員を育成し外注会社が独自に業務を行えるようにする』と言ってきた。これは完全に破綻した。だから出向延長で労働者に矛盾を強いている。他方で、出向が解除されれば仕事がなくなるという汚い攻撃だ。動労千葉は出向から3年目の10・1へ外注化粉砕のストを構えて闘う」と宣言した。
 次回裁判は12月9日。外注化との闘いはまさに決戦に突入した。
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