10・11三里塚に大結集し戦争阻止を

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週刊『前進』06頁(2698号05面01)(2015/09/21)


10・11三里塚に大結集し戦争阻止を

 三里塚芝山連合空港反対同盟の3氏から10・11全国総決起集会大結集のアピールが寄せられた。労農連帯の力で10・11の成功をかちとり、市東さんの農地を守りぬこう。(編集局)

軍事空港に反対し50年
 反対同盟事務局長 北原鉱治さん

 三里塚の闘いは50年目を迎えようとしている。全国の人びとに、新たな気持ちで10・11全国集会への大結集を呼びかけたい。
 ベトナム戦争で米軍のチャーター機が羽田にひしめき、手狭になったことから、新東京国際空港が計画され、1967年に三里塚に閣議決定された。反対同盟は当初から「軍事空港阻止」の旗を掲げて闘いぬいてきた。反戦の砦(とりで)として闘う労農学人民の結集軸となり、動労千葉と車の両輪として労農連帯を堅持し闘ってきた。
 「空港絶対反対・農地死守」の原則を守ってきたことが半世紀もこの闘いが続いたことの核心である。成田は今にいたるも欠陥空港としてのぶざまな姿をさらしている。反対同盟がある限り永久に完成しない。
 安倍は戦争への道へとはっきりと踏み出した。自衛隊の存在を誇示し、明日にでも「国際紛争」が生じれば派兵しようとの野望を隠そうともしない。何としてもこれを打ち砕こうではないか。
 三里塚農民は、日本農業の未来を担う気概に満ちて闘っている。天神峰の市東孝雄さんは、家と畑を空港施設に包囲されながら農業を営んでいる。これは本当に偉大なことだ。農地取り上げの強制代執行を絶対に許してはならない。
 折しも「第3滑走路」なる構想が浮上し、利権団体を中心にざわめき浮足立っている。反対同盟から逃亡した石毛博道、相川勝重らがこのお先棒を担いでいる。だが、このような途方もない計画がどれほど地元住民に不安と怒りをかきたてているか、考えてみたことがあるのか! 第3滑走路は紛れもなく「有事」の軍用滑走路として造られる。こんな空港は人民の総意で廃港にたたきこもう。
 安倍の戦争政治に断を下す日として、10・11に全国から集まり、三里塚の地を踏みしめ、ここから戦争への道を阻止しよう。

集会成功は農地守る力
 天神峰 市東孝雄さん

 戦争法案をめぐる闘いが国会を包囲する大きなうねりとなったこの状況で、10・11三里塚全国集会は一層重要な闘争日になったと思います。
 私の農地法裁判は上告審に移りました。これと表裏一体の耕作権裁判も重要な局面に入りました。祖父の代から耕してきた農地を空港に明け渡せなどという理不尽な要求を絶対に認めません。「裁判所の不当判決」という形をとった強制収用を絶対に許しません。文書隠しというNAA(成田空港会社)の卑劣なやり口を徹底的に追及し、耕作権裁判に必ず勝利し、農地法裁判の反動判決も最高裁で絶対にひっくり返します。そのために、反対同盟が打ち出した「緊急5万人署名」の取り組みを心からお願いします。
 反対同盟は空港周辺地域での一斉行動に取り組み、回を重ねてきました。第3滑走路への怒りは日々高まっています。国やNAAは卑劣にも、地元から新滑走路が求められているかのような体裁をとるために、自治体の長や利権団体に要望を出させています。そういう手先に成り果てたのが芝山町の相川勝重町長や石毛博道です。しかし、こんな滑走路を望んでいる住民など誰一人としていないのが実情です。
 成田空港の需要は減る一方なのに、何で地元住民の生活を破壊して3500㍍の滑走路を造るというのか。新聞でも、朝鮮半島で戦争になった時には米軍が大挙飛来し、成田を中継基地に使うと報じています。
 国会を取り巻いた数万の人びとと私たちの気持ちは同じです。50年も反戦を貫いてきた反対同盟の真価を今こそ発揮する時だと感じています。
 完全無農薬での有機農業は私の生きがいであり誇りです。私は、天神峰の地で農業を続けることが戦争を阻止する闘いだと確信しています。
 10・11の大成功は農地取り上げを阻止する大きな力です。多くのご参加をお待ちしています。

5万人署名取り組みを
 東峰 萩原富夫さん

 私も9月12〜13日、国会前に駆けつけて闘ってきました。安倍戦争政治に反対する人びとの熱気と交わり、反対同盟もいよいよ反戦闘争の最先頭に立ち、沖縄・辺野古の闘いとも連帯し、同盟旗を打ち振らなければならないと実感しました。
 反対同盟から脱落した者たちが空港の利権に群がり、第3滑走路を誘致する運動を行っていることを、人として許すことができません。
 成田空港の需要が低迷を続ける中で、これほどあせって新滑走路造りをわめくということは、成田が安倍戦争政治と一体の軍事空港であるという動かぬ証拠です。そんなもののために大規模な立ち退きと騒音地獄が襲いかかるような事態を私たちは絶対に阻止する決意です。地元の怒りは日々高まっています。
 反対同盟は、市東さん農地法裁判の上告審闘争にあたって、強制収用を許さない緊急5万人署名を提起しました。そして賛同署名による運動の推進を呼びかけています。市東さんの農地を守りぬく陣形を強力につくるために、全国のみなさんがこぞって署名を集め、賛同人に名乗りを上げていただけるよう心からお願いします。
 三里塚は、半世紀という歴史的な節目において、再び農地取り上げの攻撃を迎え撃ち粉砕するという一大決戦局面を迎えています。安倍政権に対する戦争反対の巨大なうねりの中で、そうした節目を迎えた意味を肌身に感じながら、三里塚から社会を変えていくという意気込みに燃え、私たちは闘っていきます。
 今回の10・11集会は会場をいつもと変えて、市東さん宅南側の開拓組合道路の脇にあるうちの畑で行います。目の前に空港警備隊(機動隊)の宿舎が見える場所です。
 全国の大学で奮闘する全学連の学生諸君が、ますます力をつけて三里塚で実力闘争を担うことを、心底期待しています。10・11に大結集し、ともに闘いましょう。

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