SEALDs運動のりこえ大学から反戦ストライキを 国会闘争の大高揚をキャンパスへ 革共同中央学生組織委員会

週刊『前進』06頁(2699号04面01)(2015/09/28)


SEALDs運動のりこえ大学から反戦ストライキを
 国会闘争の大高揚をキャンパスへ
 革共同中央学生組織委員会


 安倍政権の戦争法制定の強行に際し訴える。来年3月の法施行日をゼネストで迎えうち、戦争法を無力化して廃止へ追い込もう! われわれは戦争阻止―安倍打倒へ、この秋、全国大学反戦ストライキ〜10・21国際反戦デー〜11・1労働者集会の先頭に立つ。

議会制民主主義の欺瞞を暴き実力闘争の思想復権

 強行採決で「戦争絶対反対」の怒りを押しとどめることはできない。戦争法制定は「暗黒の時代の到来」では断じてない。それどころか、この間の激闘は決起を開始した人びとに幾冊もの書物にもまさる偉大な教訓を与えている。
 第一に、戦争の問題――労働者人民の生き死にのかかった問題に妥協点はない。安倍をはじめ支配者と、それに抗する労働者人民とは「倒すか倒されるか」の非和解的関係にある。安倍を倒さない限りわれわれの生きる道も未来もない。国会前に集まった数万数十万の人びとの中には、何が何でも戦争を止める、国会に突入してでも安倍を倒すという怒りが満ち満ちていた。
 第二に、議会制民主主義の欺瞞(ぎまん)と野党勢力の腐敗だ。そもそも昨年12月の衆院選で、自民党は全有権者の2割程度の票しか得ていない。安倍の「解釈改憲」や「強行採決」に何の正当性もない。今こそ既成野党の腐敗を踏みしだき、真の革命党をつくろう。戦争法採決過程で行われたことは、労働者人民の戦争への怒りを踏みにじっての来年参院選への「議会内取引」でしかない。
 〝普通選挙は、支配階級のどの成員が議会で人民を代表し踏みにじるべきかを数年に一度決めるもの〟〝議会はおしゃべり小屋にすぎない〟――マルクス主義のこの金言を今こそ胸に刻みつけよう。
 第三に、階級対立の非和解性が日々明らかになり、既成政党・既成勢力の反動性が露呈する中、「実力闘争の思想」が闘いの中で復権された。国家暴力の最たる表現である戦争に対し、労働者人民が実力闘争で抵抗することは圧倒的正義だ。
 8月30日の12万人決起以降、国会正門前に結集した人びとの手で、連日車道が実力で解放された。警備用バリケードは路傍に無残にうち捨てられた。不当逮捕に備え「身分証を家に置いてくるように」との訴えが自主的にツイッターで流された。
 13人の逮捕者を出しながら闘われた9月16日夜の激突がその頂点だ。そこにはまぎれもなく、主催者の「総がかり行動」やSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動=シールズ)指導部の思惑を超えた怒りがあった。見知らぬ人同士が固くスクラムを組み、屈強な機動隊と6時間以上も渡りあって車道を占拠し続けた。「戦争への怒りはこんなもんじゃない!」「安倍が目の前にいるじゃないか!」。仲間の訴えに応え、スクラムの中に次々と人びとが加わった。この先頭に全学連が立った。
 「警察には抗議するな!」というSEALDs指導部のわめき声が不当逮捕への抗議のシュプレヒコールをかき消す中、全学連は路上での独自集会に立ち上がった。「戦争法案廃案まで、1週間でも1カ月でも車道占拠を続けよう!」との訴えが歓呼の声で迎えられた。学生の訴えに感動した人びとが、次々と発言に立った。

全学連が主流派に躍り出た

 第四に、この激闘を経て、いよいよ全学連と階級的労働運動潮流が日本階級闘争の主流派に躍り出る突破口を切り開いた。京都大・東北大ストライキをはじめ、全職場・キャンパスでの「ストライキ方針」を国会前で闘う人びとは待ち望んでいた。逮捕もいとわず実力闘争に立ち上がる全学連の姿を人びとは自らの「次なる行動指針」とし、名もなき一学生、一労働者が次々とマイクを握るわれわれの国会前路上集会に「新しい政治」「新しい社会」の原型を見た。強行採決を前後して全学連には数十万円のカンパが寄せられた。数万円単位でのカンパ、「帰りの交通費以外はすべてカンパする」という人も現れた。
 われわれが闘いの主流派となるのは歴史的必然だ。なぜなら、キャンパス・職場で生半可ではない激突を日々繰り広げてきたからだ。とりわけ昨年の「7・1閣議決定」と9月全学連大会以降、全学連は戦争法案を粉砕するために目的意識的に決戦をたぐり寄せてきた。昨年11月の京都大学での公安摘発事件をはじめ「大学の戦争協力絶対阻止」を掲げたキャンパスでの日常的な闘いと同時に、1・26国会開会日闘争以来、7度にわたって独自の国会闘争を重ねてきた。

警察と結託し闘争を圧殺するSEALDsと日共

 国会闘争の高揚は間違いなく、キャンパスの闘いの高揚へ波及する。秋の「法政大自治会建設」「京大・東北大ストライキ」の最大の核心は、SEALDs指導部および日本共産党スターリン主義との党派闘争だ。これこそ学生の政治意識を活性化させ、路線選択・党派選択を歴史選択へと導き、全国300万学生の革命への総決起の合図となる。
 国会闘争の最終局面でSEALDs防衛隊の全学連への公然たる暴力的襲撃が行われた。9月18日夜にその激突は頂点に達した。SEALDs防衛隊は突如、解放された国会正門前車道の最前線で闘っていた全学連の部隊に罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせ、後方へ「排除」し始めた。そして、公安警察・機動隊と綿密に打ち合わせを行った上でわれわれの部隊を取り囲み、京大同学会旗を引きちぎったのを合図に、一斉に殴る蹴るの暴行を開始した。その背後には公安警察が控え、われわれが少しでも反撃すればただちに不当逮捕しようと待ち構えていた。全学連旗のアルミポールは90度曲げられた。
 その暴挙へ労働者人民の抗議が浴びせられたことにあわてた防衛隊は、たまらず「中核帰れ」コールを絶叫し始めた。そして、この襲撃に抗議する人びとすべてを「過激派だ!」と規定して暴行を加え始めた。集会参加者は驚きのあまり、襲撃者どもを私服警察と思い込み、当然にも「警察帰れ!」コールを始めた。
 この反革命的襲撃の背景にあるのは、SEALDs指導部の思惑をはるかに超え、16日に実力闘争が爆発したこと(翌日には労働者人民は国会突入を目指していた)、当日の13人の不当逮捕をものともせずに人民が闘いを継続したこと、その先頭に全学連が立ったことへの憎悪と恐怖だ。
 SEALDsの代表的人格である奥田愛基(明治学院大学)は、活動の動機を「日常を守りたいだけ」と語っている。これは、生きることすら困難な青年・学生の現状への怒りから発せられたものではない。奥田が繰り返し「革命を目指していない」と語る通り、今の資本主義体制を維持することに核心がある。SEALDs運動にすり寄る学者どもが新自由主義の「大学改革」を推進し、自らの大学では学生を弾圧しているように、大学内で学生を当局と非和解の闘いに立ち上がらせないことに核心がある。
 SEALDs指導部は発足当初から、「従来の保守の流れも含むリベラル勢力の結集」を掲げていた。それは、9月の自民党総裁選で「安保法案賛成」を公然と語る野田聖子の応援運動にまで行き着いた。国会前行動が高揚すればするほど、「警察ありがとう」「民主警察」を声高に主張した。彼らのイデオロギーは、日共の「国民連合政府」構想と一体でますます闘争の圧殺者としての性格を明らかにする。
 日共は戦争法成立の19日に「国民連合政府」構想を発表した。委員長・志位は「戦争法廃止の一点で連合政府をつくる」と宣言した。「日米安保をはじめ諸問題での政策的違いがあっても留保・凍結する」と述べている通り、安保・自衛隊・天皇制・原発・労働法制改悪もすべて認め、改憲派とも手を組み、自らが「政権入り」して支配者の一角に食い込む宣言だ。終わりを迎えた資本主義の「最後の救済者」として登場し、闘う労働者・学生に容赦なく血の弾圧を加える宣言だ。
 日共は6月23日の記者会見で、「政権入りしたら自衛隊を活用する」と公言した。SEALDs指導部はこれと連動し、来年参院選での「戦争法賛成議員落選運動」を提唱して「国民連合政府」の音頭をとっている。

自治会建設に勝利し10・21へ

 SEALDs指導部、日共との党派闘争にキャンパスで勝ち抜いた時、戦争を止める道は切り開かれる。「戦争とは政治の延長」だ。経済的・社会的・政治的諸関係がそれを規定する。学生で言えば「大学改革」攻撃と日常的にキャンパスで闘い、具体的に戦争協力を阻止することなしに戦争は止められない。SEALDs運動に乗っかり、現在の大学政策を擁護する者は必ず戦争推進者に転落する。国会攻防を経て、SEALDs運動からの決別と全学連との結合が続々と開始されている。真に戦争阻止と社会変革を求める学生は必ず全学連運動に合流する。
 10月の広大自治会執行部建設から「法大自治会建設」「京大・東北大ストライキ」へ一挙に駆け抜けよう。11・1集会の大成功へ、10・21国際反戦デーで「戦争反対・安倍打倒」の闘いの先頭に再び学生が立とう。すべての学生はマルクス主義学生同盟中核派に結集しよう!

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