川内2号機再稼働阻止を 戦争法と一体の核武装化を労働運動の力で粉砕しよう

週刊『前進』06頁(2700号04面02)(2015/10/05)


川内2号機再稼働阻止を
 戦争法と一体の核武装化を労働運動の力で粉砕しよう


 安倍政権と九州電力は8月11日に強行した川内原発(鹿児島県薩摩川内市)1号機の再稼働に続き、2号機の再稼働を10月15日にも行おうとしている。断じて許すことはできない。「川内原発2号機再稼働を許さない!10・12全国集会」に大結集し、2号機再稼働を絶対に阻止しよう!
 川内原発2号機はすでに9月13日に核燃料の装填(そうてん)作業を終え、再稼働に向けた準備は最終段階に入ったと言われている。10月1日からは事故対応訓練が行われ、15日にも原子炉起動―再稼働が狙われている。
 川内1号機は、3・11福島原発事故後につくられた新規制基準下で初めて再稼働された原発だ。それは日帝・安倍政権にとって全国の原発再稼働と海外輸出への突破口であり、3・11をへてもなお原発政策を死守するために、帰還強制―福島圧殺を推し進めるという階級意志の表明そのものだ。同時に、9・19安保関連法成立と一体で日本の核武装を推し進める改憲・戦争攻撃そのものだ。断じて許すことはできない。

住民の命と生活が犠牲にされる

 福島原発事故は何ひとつ解決などしていない。8月31日に県民健康調査検討委員会は、福島県内の小児甲状腺がんが疑いも含めて138人に上ったと発表した。福島県立医大が実施した手術では悪性腫瘍の96人中88人から転移が発見されている。放射能汚染水の処理は完全に破綻し、トリチウムなどの核種を除去できないままの海洋放出が始められている。避難者への補償は次々と打ち切られ、高放射線地域への帰還が住民たちに強いられている。そして、この中で原発労働者の被曝上限は50㍉シーベルトから250㍉シーベルトに引き上げることが狙われている。すべては原発事故を「なかったこと」とし、原発政策を維持するためだ。まさに福島圧殺と帰還・被曝強制が安倍政権によって遂行されている。
 川内原発1号機の再稼働においても、住民の命と生活など一顧だにしない姿勢を安倍政権と九州電力はとり続けてきた。この間、九州では口永良部島、桜島、阿蘇山などの火山活動が活発化し、大規模噴火の可能性も指摘されている。加えて1号機は再稼働直後に冷却ポンプの破損が発生した。2号機については従来予定されていた蒸気発生器の交換も行わないままの再稼働が強行されようとしている。
 安倍政権と電力資本をなりふり構わぬ再稼働強行へと駆り立てているのは、日本帝国主義の絶望的な体制危機にほかならない。この間、東芝が1500億円に上る不正経理を行ったことが暴かれたが、その根底にあるのは2010年新成長戦略の中枢で「原発インフラの海外輸出」戦略をぶち上げ、1兆円の利益を得ようとした原発メーカー・東芝が3・11に直撃され、そのもくろみのすべてを粉砕されたという現実だ。
 加えてインフラ輸出戦略の要である鉄道輸出も、JRの第2の分割・民営化攻撃が生み出す事故の続発によって破産し、完全な敗勢にたたき込まれている。
 今や日帝ブルジョアジーと安倍政権は自らの死活をかけて武器輸出の全面展開と実際の戦争発動に訴えようとしている。原発輸出においてもその受注競争に敗北した要因を「競争相手であるロシアなどが発注国に対する軍事協力をも契約に織り込んだことに対応できていないから」としている。原発は核武装そのものであり、原発輸出もまた戦争体制構築と一体だ。だからこそ、安倍政権は福島圧殺と原発再稼働に対する労働者人民の怒りがどれほど深く大きくなろうとも引くことはできない。原発再稼働阻止の闘いは、日本帝国主義の体制そのものとの非和解的激突にほかならない。
 だが、それは安倍政権の強さを意味するものでは断じてない。むしろまったく逆に、原発再稼働も戦争法案の強行採決も、日一日と労働者人民の怒りを拡大し、日帝・安倍政権と労働者階級人民が根底的・非和解的な対立関係にあることを誰の目にも明らかにするものとなっている。今や1千万の人民が戦争か革命かの歴史選択をかけた巨大な決起を開始しているのだ。

被曝労働拒否の闘いの発展を!

 この中で求められているのは、決定的な勝利の展望とそれを具体化する鮮明な方針だ。今、日本共産党やシールズが戦争法案への怒りを選挙運動に歪曲しようとする中で、「ストライキで戦争をとめよう!」「戦争絶対反対を貫き、朝鮮侵略戦争を国際連帯で阻止しよう!」という階級的労働運動派の訴えが急速に労働者人民の魂を捉えている。ここにこそ鮮明な勝利の展望が示されている。
 反原発の闘いの勝利の展望もまた、階級的労働運動が3・11以来全力で切り開いてきた「被曝労働拒否」と「避難・保養・医療」の闘いの全面的発展の中に示されている。8月10日、川内原発再稼働阻止の現地集会で登壇し発言した動労水戸は、再稼働に突き進む安倍政権と電力資本を徹底弾劾するとともに、原発労働者に再稼働絶対反対で立ち上がることを熱烈に呼びかけた。自らの被曝労働拒否の闘い、福島における原発労働者との結合という実践に裏打ちされた渾身(こんしん)の訴えは、川内現地に結集した全参加者を獲得し、動労水戸支援共闘の拡大を次々に生み出している。
 それと一体で、ふくしま共同診療所を軸にした全国の保養運動はついに福島圧殺の分断攻撃を打ち破り、全面的な発展を切り開こうとしている。
 さらに川内に続き再稼働が狙われている高浜では、被曝労働拒否の闘いの発展として、周辺自治体の労働者が最先頭に立った再稼働阻止闘争が本格的に始まった。階級的労働運動を軸とするNAZENの全国的な発展こそ、原発再稼働を阻止し、全原発廃炉を実現する決定的な展望を切り開く。この闘いの基軸となるのは、ついにかちとられた動労福島結成に続く動労総連合の全国的建設である。
 川内原発2号機再稼働阻止の10・12全国集会から、10・17―18九州国鉄集会を始めとする全国の国鉄集会の大成功をかちとり、11・1全国労働者集会の大結集へ突き進もう!
(九州・菅原登)

------------------------------------------------------------
川内原発2号機再稼働を許さない!
10・12全国集会
 10月12日 午後1時(集会後、パレード)
 鹿児島中央駅東口広場
 主催/ストップ再稼働!3・11鹿児島集会実行委

このエントリーをはてなブックマークに追加