医療介護職場に渦巻く怒り組織し主流派に飛躍しよう 革共同医療福祉労働者委員会

週刊『前進』08頁(2702号03面02)(2015/10/19)


医療介護職場に渦巻く怒り組織し主流派に飛躍しよう
 革共同医療福祉労働者委員会

「介護事故」の一切の責任は資本にある!

 9月に川崎市幸区の介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で発生した入所者死亡事故をめぐって、「介護労働者による虐待」がマスコミで連日キャンペーンされている。広島では施設2階から転落した高齢者を「放置した」なる容疑で青年労働者が逮捕・起訴された。「救急車を呼ぶのでさえ所長の許可がいる」職場でだ。
 ふざけるな! 冗談じゃない! 全国の介護職場では怒りがふつふつと沸き起こっている。不当なデッチあげ弾圧、解雇、団結破壊の攻撃に対して、東京北部ユニオン・アミーユ支部、広島連帯ユニオン・医療福祉支部を先頭に、直ちに反撃ののろしが上がった。資本にがんじがらめに縛られ、医労連やUAゼンセンのような体制内御用組合によって当たり前の怒りが押しつぶされてきた介護労働者、とりわけ青年労働者の怒りは深く激しく、堤防決壊寸前の状況である。
 「労働者に責任はない。事故の一切の責任は資本にこそある」と真正面から宣言して、団結を呼びかける階級的労働運動の旗が目に見える形で打ち立てられた時、この怒りに火が放たれるだろう。
 そしてそれは間違いなく始まっている。大恐慌と戦争の時代、最末期帝国主義の絶望的な延命のための新自由主義攻撃に対して1千万人の労働者階級が行動を開始し、安倍をグラグラになるまで追い詰めている。
 革命に向かう荒々しい時代の真っただ中にあって、われわれに求められていることは、決起を開始した1千万プロレタリアートの怒りとしっかりと結びつき、勝利のための路線を鮮明に提示し、その怒りの先頭に立って闘うことだ。
 とりわけ介護職場をはじめとして全国津々浦々の医療・福祉・介護関連職場で巻き起こる根底的な怒りに火をつけ、巨大な炎にしていくための全国的司令塔として、わが医療福祉労働者委員会こそが立つということだ。そしてそのための拠点と、とりわけ青年指導部の建設を待ったなしでやりきることだ。そしてその実践の一切を11・1集会の1万人結集として結実させよう。

人間的共同性奪還=革命の先頭に立とう

 安倍政権は総崩壊の危機にあえぐ新自由主義の最後の生き残り策として「成長戦略」を呼号し、その最大のターゲットとして医療・福祉・介護分野の徹底した民営化、営利化を進めてきた。過剰資本の投資先として、残された「最後の聖域」である医療分野が新自由主義にとって絶好のターゲットとなった。「医療の岩盤規制打破」を掲げ、資本が寄ってたかって医療・介護を食い荒らしカネもうけをたくらむ――それこそが安倍成長戦略だ。そして9月16日に成立した改悪医療法は、ついに持ち株会社による病院経営を合法化した。
 あらためてはっきりさせよう。医療や介護という人間の命を扱う労働、人間社会が人間社会であり続けるために必要不可欠なこの労働は、もともと社会全体のものである。それは資本家が利潤を得るための手段ではない。そうであってはならないのだ。病気になった人間、介護が必要になった高齢者、障害者を社会全体で守ることは、人間社会の共同性の根本にかかわることだからだ。
 資本主義社会では医療・福祉・介護現場の労働者が賃金労働者としてこれを担っている。ところがこの労働は同時に、資本家たちによっても、日本共産党をはじめとする体制内勢力によっても、労働者階級と資本家階級の絶対非和解性とは無縁の、何か特別な労働、いわば「聖職」として位置付けられ、医療・介護労働者が当たり前の労働者として声を上げることが抑えつけられてきた。本来は人間的共同性の根本にかかわる医療・福祉・介護の労働が資本主義社会では転倒させられ、「患者さんのため、利用者さんのため」に文句を言わず自己犠牲精神で頑張るのが当然とされてきたのだ。それは疎外労働の極限的な姿だ。
 患者や高齢者、障害者の命を守るという最高に人間的共同性が発揮されるべき労働の現場で、医療・福祉・介護労働者は極度に疲弊し、人間性をも、命さえも奪われてきた。そしてそこでは患者、高齢者、障害者の人間性も、命もまた奪われてきたのだ。
 その裏側で資本家たちは巨大な利潤を蓄積する。本来患者、高齢者、障害者のための医療や介護、社会保障費は社会全体で負担すべきであるにもかかわらず、資本家階級は蓄積した巨大な剰余価値をそこに支出することを極限まで回避する。また直接にも医療・福祉・介護労働者の劣悪な労働条件と低賃金、患者・高齢者、障害者の自己負担増を通して、資本家階級が得る利潤が増やされる。安倍成長戦略のもとでの医療・福祉・介護の民営化、成長産業化は、それを一気に極限的に加速させる。
 わが医療・福祉・介護労働者が人間社会の共同性の根本にかかわる労働者としての誇りを取り戻し、患者、高齢者、障害者の命を守り抜いていくためには、資本主義、新自由主義を打ち倒すしかない。そして同時に、患者、障害者を生み出す最大の要因である戦争、核、長時間労働、安全破壊と真正面から闘う階級的使命をもった存在であることを、誇りをもって自覚しよう。
 安保国会決戦でわれわれは1千万人の怒りと結びつき、その全体を獲得する闘いをやりぬいた。1%の支配で99%を戦争に引きずり込む安倍のやり方と、これとまったく闘えない既成勢力の「第2インターの崩壊」的状況のもとで行われた戦争法案の強行採決に対して労働者階級の中にはあきらめや敗北感など微塵(みじん)もない。それどころか、さらに多くの労働者階級人民が怒りを新たにかき立てている。

日共、UAゼンセンとの党派闘争に勝利を

 戦後70年、体制内労働運動や「平和運動」の総転向・総屈服の流れの中でも、「侵略戦争は絶対的に悪である」ことは日本の労働者階級人民の魂に刻み付けられた「常識」として、拭い去られることはなかった。安倍はここに反動的に決着をつけようとしてきたが、それは完全に破産した。
 30年に及び国鉄分割・民営化と非和解で対決してきた国鉄闘争は、「国鉄労働運動解体でお座敷をきれいにして改憲」という分割・民営化に賭けた支配階級の狙いをぶち破ってきた。改憲に手をつけられないままの戦争法の暴力的制定に追い込まれたのだ。1千万人の規模の労働者階級が後戻りすることのない根源的な怒りを爆発させて決起するこの情勢を最も深いところで切り開いてきたものこそ国鉄決戦―階級的労働運動の力である。このことに圧倒的な確信を持とうではないか。
 世界大恐慌の本格的激化と朝鮮侵略戦争情勢の急切迫は、ゼネスト―革命の大チャンスを決定的に引き寄せている。国鉄決戦、動労総連合建設を軸とする階級的労働運動の前進、ゼネストと国際連帯、労働者権力の樹立のみが勝利への道であることを、確信を持って呼びかけよう。医療・福祉・介護労働者を支配する日本共産党・医労連、そして介護労働者の決起を抑圧するUAゼンセンとの党派闘争を今こそ階級の平場でやり抜こう。全国の医療・福祉・介護職場に渦巻く怒りを組織し、 11・1全国労働者集会の大結集をかちとろう。

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