〝都労委命令履行=解雇撤回〟 鈴コン分会がストライキ

週刊『前進』06頁(2703号03面02)(2015/10/26)


〝都労委命令履行=解雇撤回〟
 鈴コン分会がストライキ

(写真 スト突入に際し、社前でマイクを握る鈴コン分会の吉本書記長【左】と鈴木会計【右】。同僚たちが拳を上げたり声をかけ激励した【10月17日 板橋区】)
(写真 故田口組合員の遺影とともに鈴コン分会員が登壇し、スト貫徹の報告を行った【杉並区】)


 労働者が腹を据えて団結して闘い続けるならば必ず勝てる。その一つひとつの勝利は、労働者=人間が本来持つ共同性をよみがえらせる――。東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の10月17日の2人の組合員の指名ストライキは、鈴コンで働く数十人の労働者の大半が支持し激励し合うストとなった。
 朝8時、東京都板橋区舟渡の鈴コン工場の前に、吉本伸幸分会書記長と鈴木善弘会計が「ストライキ決行中」のゼッケンを着けて立った。共闘の仲間が次々駆けつけ30人を超えた。出勤しミキサー車で出入りする組合員や同僚たちが社前に並ぶ2人に拳を上げ、声をかけていく。その中でスト突入集会を1時間以上やり抜いた。集会は冒頭に故田口組合員への黙祷(もくとう)を行った。
 分会の要求は以下のとおり。「①東京都労働委員会8月26日命令(09年の故田口組合員の解雇は不当労働行為、急逝するまでの1年9カ月分の賃金を支払え)を直ちに履行せよ。②契約社員の賃上げ。③差別的な会社都合休業の手当を上げろ。④新就業規則の60歳定年の撤回。⑤正社員(嘱託)の65歳雇い止め解雇を行うな。⑥要求書にきちんと回答せよ。⑦安倍政権の安保関連戦争法絶対反対」
 シュプレヒコールの後、吉本書記長と鈴木会計が訴えた。「この先黙っていたら賃金も雇用も切り下げだ。団結すれば勝てることを鈴コン分会は示してきた。御用団体SJK(鈴木コンクリート工業従業員の会)では権利は守れない。鈴コン分会に入って闘おう」
 共闘の仲間も鈴コンの労働者に呼びかけた。
 7年目に入った鈴コン分会と鈴木資本の力関係は一変している。
 社前行動後、工場最寄りの浮間舟渡駅前、東京西部ユニオンの地元・荻窪、阿佐谷で「スト決行中」の横断幕を掲げ街宣に立ち、熱い注目を集めた。「スト決行」が労働者の琴線に触れ伝わると確信した。
(東京西部ユニオン Y・S)

報告集会で団結強化 鈴コン闘争本完成に沸く

 スト貫徹後、夕方から阿佐谷で「鈴コン闘争勝利報告・決起集会」を120人でかちとった。
 集会は団結拡大と勝利を一層確信させた。鈴木会計は「勝ち続ける」、分会員も「これからも団結を固めて闘う」と発言。吉本書記長は基調報告で「動労千葉に学び、6年かけて労働者が団結すれば勝てることを粘り強くオルグしてきた。普通の労働者でも『今に見てろ』と屈しなければ闘える。故田口組合員の解雇撤回は分会の原点だ。3人が職場復帰してもうすぐ1年、今日のストで本当に労働者は闘いたいと思っていると感じた。職場全体を代表してストができた。鈴コン分会の闘いの本も完成した。組織拡大、11・1集会へ闘おう」と呼びかけた。
 集会冒頭、故田口組合員の墓前で勝利を誓う映像が上映された。支援・連帯共闘会議呼びかけ人代表の花輪不二男さんが開会宣言。全学連の斎藤郁真委員長、鈴木達夫弁護士、動労千葉の木科雄作執行委員、動労水戸の池田学執行委員が連帯のあいさつ。共闘会議呼びかけ人と各合同労組、青年も決意を表明した。
 東京西部ユニオンの山本敏昭副委員長と全国協の小泉義秀事務局長は、『非正規が闘って、勝った!』(鈴コン闘争の記録本)を紹介し、11・1集会の組織化を訴えた。
(東京西部ユニオン 奈良桃子)

このエントリーをはてなブックマークに追加