全国大学で反戦ストを バリストの地平うち固め大学を戦争反対の拠点に マル学同中核派・京都大学支部

週刊『前進』06頁(2708号05面01)(2015/11/30)


全国大学で反戦ストを
 バリストの地平うち固め大学を戦争反対の拠点に
 マル学同中核派・京都大学支部

(写真 昼休みのスト貫徹集会で作部羊平・同学会委員長が「次は全学ストをやろう」とアピール【10月27日 京都大学】)

 10月27日の京大反戦バリケードストライキから1カ月が経過しました。この間、全国の闘う学生は権力や大学当局の弾圧を許すことなく、バリストの地平を死守しています。この圧倒的勝利を確認し、ますます激しくなる戦争情勢と闘いながら2016年決戦に突入します。

帝国主義とISの虐殺に労働者がストで反撃

 バリストから1カ月、世界で起きたことは何でしょうか。11月13日、「イスラム国」(IS)によるパリ襲撃で130人もの労働者の仲間が殺されました。戦争が始まっています。帝国主義が「テロとの戦争」を演じていますが、殺されているのは労働者です。この戦争の真実は、帝国主義とISが互いに補完しあって、本来社会を動かす力を持っている労働者を殺している、それだけです。徹頭徹尾、労働者階級への攻撃です。
 すでに各国で、戦争に反対し、支配階級に反撃する労働者の闘いが始まっています。ギリシャ公務員労働者の11月12日ゼネラル・ストライキ、ドイツ・ルフトハンザ客室乗務員独立労組の組合史上最長の7日間ストライキ、フランス非常事態宣言下でのバス労働者のストライキなどなどです。
 何より韓国・民主労総の仲間は、軍事政権と対決し闘ってきた民主化運動の歴史の総括をかけた闘いに立ち上がりました。韓国経済の要である現代、起亜など金属産別の正規・非正規労働者がついに一緒になって、11・14民衆総決起に合流しました。12月5日には、パククネ政権を打倒し労働者の社会を建設するまで終わらない大ゼネスト闘争が始まろうとしています。
 ただ世界中の労働者の闘いだけが各国政権の戦争的本質と労働者の革命的な本質を明らかにしてくれています。韓国、トルコの労働者との連帯にかけて立ち上がった京大反戦ストもまた、安倍政権の戦争的本質を暴き、キャンパスの主人公は誰なのかを明らかにする闘いとして、スト後ますます意義が高まっています。
 国家権力は事後弾圧を狙っています。京都府警はストから2週間以上たった11月14日(土)午前3時に講義棟の周りをこそこそと実況見分をしに来ました。また、学生の見ていないところで立て看板を押収しました。
 やはり、昨年の京大キャンパスでの公安刑事追放の闘いから今年の全学連へのスパイ化攻撃の摘発、そして監禁致傷デッチあげ弾圧粉砕の勝利など、国家権力との激突に勝ち続けている力関係がここに表れています。

ストへの弾圧策動粉砕し京大当局追いつめた

 ストは京大当局をも追い詰めています。当局は「ストは威力業務妨害である」という声明をストの翌日に発表し、国家権力に弾圧を要請しました。さらに、19日の情報公開連絡会の場で川添副学長は作部羊平・同学会委員長の追及に対して「被害届を出したかどうかは言えない」と逃げを打ちました。
 同学会再建から4年間、当局は同学会旧役員と一体となって、中央執行委員会のクラス討論、選挙など活動のすべてを抹殺してきました。反戦ストの総括をまともに議論すれば、こうしたあり方すべてが満天下にさらされることになります。だから、真っ向勝負できず、ただただブルジョア法に依拠して警察と裁判所に弾圧を懇願しているのです。こうした当局の態度に、「大学の自治はどこに行ったのか」「反戦ストライキを犯罪とはなんだ」という怒りの声が上がり始めています。
 やはり大学の主人公は学生です。そもそもスト当日、集会に参加する学生からバリケードを破壊する学生に至るまで、誰一人「威力業務妨害」だとか「警察に通報する」などとは言いませんでした。ストに対してどういう立場を取るのか、自分の問題として考え行動し、バリストを貫徹した授業2コマ分の時間、吉田南キャンパスは文字通り学生の手に取り戻されたのです。
 スト後、京都大学には二通りの学生、戦争反対だがストの意義が分からないと言う学生と、戦争というのはよく分からないがストライキはすごいと言う学生がいます。この2人の学生が一つになったとき、事態は次なるストライキに向かって進み始めます。

経済的徴兵制を許さず大学を学生自身の手に

 10・27ストに続き、これから学生に求められる闘いは何でしょうか。
 文科省は各国立大学14年度業務実績の評価結果を発表しました。その中で「特筆すべき進捗(しんちょく)状況にある」とされた大学の一つの帯広畜産大学は、実質上の1年契約である給与の年俸制を教員の8割に導入しています。また、運営費交付金対象支出予算の25%を学長裁量予算にし学長の独裁権限を強化したことが「高く評価」されています。このような評価基準が全国の大学に適用され、今後ますます競争があおられていきます。
 さらに、3月には安保関連法案が施行され、防衛関連大学からは私たちの仲間が兵士として戦地に送り出されることになります。経済的徴兵制は、国立大学における学費の値上げと、安保法による自衛隊任務の質的転換、そして防衛関連大の学費「無償」(本質は数千万円の借金)が複合して進められています。さらに、財務省はさらなる学費の値上げを狙っています。もう我慢なりません。
 学生の決起は間違いなく始まります。しかも、これからのすべての闘いは「われわれはこちらの要求が通らなければいつでもバリストをやるし、やれるんだ」という前提のもとで進みます。相当な恐怖を敵に与えるでしょう。より激しい弾圧が襲いかかってくるかもしれません。しかし、すべてはね返して全国大学ゼネストに向かって突き進みましょう。
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