シリア空爆-世界戦争の危機とゼネスト・国際連帯で闘おう 16年国鉄・参院選決戦で安倍打倒を

週刊『前進』06頁(2709号02面01)(2015/12/07)


シリア空爆-世界戦争の危機とゼネスト・国際連帯で闘おう
 16年国鉄・参院選決戦で安倍打倒を


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 11・13パリ襲撃事件と米仏ロシアのシリア空爆に続き、11・24にはロシア軍機がトルコ軍に撃墜される重大事態が発生した。シリア・中東戦争は今や世界戦争の危機に全世界を直面させている。この対極で韓国・民主労総のゼネストが、新自由主義を根底から打ち破り労働者権力の樹立をめざす闘いとして闘われている。世界戦争かプロレタリア世界革命か、この二者択一が真っ向から問われる時代に入った。階級的労働運動の大前進と国際連帯で、革命への道を突き進もう。15年の闘いが切り開いた地平に今こそ圧倒的確信をもち、勝利の2016年へ全力で進撃しよう。

事態の本質は帝国主義とロシアの強盗的侵略戦争

 11・13パリ襲撃事件を引き金に何が起きているのか。それは米帝のイラク・シリア空爆に続くフランス帝国主義の残虐きわまるシリア空爆であり、さらにロシアによるシリア空爆の開始とイギリスの空爆への参戦、そしてドイツの参戦だ。
 この中で11月24日に発生したトルコによるロシア軍機撃墜事件は、一触即発の国家間戦争の危機をもたらしている。ロシア・トルコ間の激突がかつてのクリミア戦争、露土戦争となり、さらに第1次大戦の導火線となったように、11・24が今や、新たな世界戦争への発火点となろうとしている。この中東とウクライナ、さらには東アジア情勢がすべて連動し、第3次世界大戦の爆発へと向かう情勢が急速に引き寄せられてきているのだ。
 すでにこの間の空爆で労働者人民が次々と無差別に虐殺され、生きるすべてを奪われている現実がある。その現実はシリア・イラク・中東全域に広がるとともに、中東から欧州へ膨大な人民が命がけで脱出する難民問題の爆発として、日々、激烈に進行している。
 この重大事態を前にして今必要なことは、起きている事態の本質を徹底的にはっきりさせることである。これらの事態は世界大恐慌の進行下で、帝国主義間・大国間の争闘戦が市場・資源と勢力圏をめぐるむきだしの強盗的侵略戦争、領土分割戦争として展開されている姿を示している。このまま行けば第3次世界大戦に、しかも今度は世界核戦争に行き着く道の始まりだ。しかしそれは同時に、世界戦争の爆発に対する労働者階級人民の根底からの怒りと決起を全世界に呼びさまし、戦争を阻止する国際連帯の発展と世界革命を必ずもたらすものとなる。

フランス・韓国の決起と連帯して闘いの組織化へ

 こうした労働者の団結と国際連帯に真っ向から敵対しているのが、「イスラム国」(IS)による労働者人民への無差別襲撃だ。
 他方で日本共産党スターリン主義は「テロ根絶」のためには資本家階級とも一緒にやると叫んでいる。侵略戦争への「挙国一致」の旗ふり役をかって出るものだ。
 これらと対決し、「階級的労働運動とゼネストで戦争を阻止しよう」と真正面から訴えて職場・地域からの粘り強い闘いの組織化に直ちに全力をあげて突き進もう。
 フランスの労働者階級はすでに決起を始めている。11月17日にはパリ交通公団(RATP)のバス労働者4万3千人が24時間を超えるストに突入した。11・13の直後で非常事態宣言が発せられ、交通当局はこれをテコにスト中止の圧力をかけてきたが、現場労働者の強い怒りがストの実行をためらう本部の制動をはねのけてスト実行に至ったと伝えられている(本紙前号参照)。
 さらに11月23日には、フランス西部の都市レンヌの病院で、労働者が入り口を閉鎖、時限ストから全職場のストに闘いを拡大すると宣言した。
 そして何よりも11・14の民衆総決起15万人の大闘争を打ちぬいた韓国・民主労総は、パククネ打倒、労働者権力樹立に向かって、12・5の第2次闘争から12月大ゼネストへ、公安弾圧粉砕、労働改悪阻止を掲げて大進撃を開始した。
 今こそ、階級的労働運動と国際連帯の真価が全世界的に発揮されるときである。それは必ず、全世界にゼネストとプロレタリア革命の炎を赤々と燃え上がらせるものとなる。

国鉄闘争をめぐる攻防に勝利した15年決戦の地平

 11・1労働者集会は、韓国での11・14大闘争と一体の闘いとしてかちとられた。韓国・民主労総とトルコ、ドイツの労働者との国際連帯を通して中東―欧州とアジアを結び、日本の労働者階級はプロレタリア世界革命の主体として自らを打ち立てた。
 それを可能にした最大の力は、動労千葉・動労水戸を基軸にして、国鉄決戦での死活的反撃が開始されたことにある。
 6・7国鉄闘争全国運動集会の成功と「民営化と闘う日韓鉄道労働者の共同声明」の発表、そして1047名解雇撤回署名の10万筆達成(6・7集会当日10万853筆)は、日帝中枢、最高裁をとことん追い詰めた。その結果引き出された6・30最高裁決定という反動と真正面から対決し、あくまで国鉄闘争の継続・発展にかけた偉大な闘いは、9月動労千葉定期大会の成功から10・1ストへと発展した。それは、検修・構内運転業務外注化の撤回と「すべての出向者・CTS(千葉鉄道サービス)プロパーの仲間たちを仕事と一緒にJRへ戻せ、出向延長なら外注化をやめろ!」という、日本労働運動史上かつてなかったストライキ闘争をつくり出した。
 この闘いは10・31千葉運転区廃止・千葉運輸区新設絶対反対の指名ストに引きつがれ、動労水戸、動労連帯高崎、動労西日本、全日本建設運輸連帯労組関生支部の9〜10月スト決起と一体となって、11月労働者集会の成功を直接に準備した。
 6・30最高裁決定は、不当労働行為を認定してまで、解雇撤回・JR復帰は絶対認めないことで国鉄改革法体制は維持する、国鉄闘争は絶対に終わらせるというものだ。それはまさに追い詰められた日帝の死活をかけた尋常一様ではない大攻撃だった。しかもこの過程で第2の分割・民営化攻撃ともいうべき外注化・非正規職化攻撃が、日帝中枢とJR資本による地方切り捨てと一体でしかけられたことに、階級的怒りが爆発した。そしてついに動労千葉はCTSでの組織拡大を実現し、それは日帝・JRの動労千葉組織破壊攻撃への根底的反撃となった。この15年国鉄闘争の攻防の中に、新自由主義との闘いとその勝利の展望がしっかりと示されている。
 この過程をふり返って動労千葉の田中委員長は次のように訴えている。「(6・30)上告棄却は、日本の労働運動全体に終止符を打つ敵の意志の表れだったと思います。国鉄分割・民営化の根幹が国家的不当労働行為であったことを認めても、とにかく闘いの継続を許さない。戦争情勢と一体で、日本の労働運動を最後的に解体する攻撃です。この5カ月、われわれは『闘いはこれからだ』というシンプルなスローガンでこれに立ち向かった。これが階級的労働運動をめぐる最大の攻防だった」「だからこそ棄却決定だけでなく、戦争法案と一体で、オープンスペース街や学生に対する弾圧がしかけられた。怒りの声と結合しようとしている拠点を全部つぶす。われわれはこの攻撃をはね返し、戦列を守り抜いて11月集会をかちとりました」(『月刊労働運動』12月号)。

新たな労働者党の建設へ東京で闘う労組拠点を!

 今や国鉄決戦は、動労千葉・動労水戸を先頭とする動労総連合の全国的建設を先端にして、外注化阻止・非正規職撤廃・被曝労働拒否の闘いを全階級的、全国的に押し広げ、民主労総のゼネスト決起と結合して国際連帯の柱となっている。そしてそれは、戦争と闘い、「非正規化と貧困」「被曝の強制」と闘うすべての仲間との階級的団結を打ち固め、押し広げるものとなっている。
 16年決戦はその冒頭から、戦争と非正規職化・貧困の大攻撃との対決となる。改悪労働者派遣法はその引き金となり、さらに労基法改悪、解雇自由の金銭解決制度の導入との大闘争となる。
 安倍は1月4日に通常国会を召集し、5月26〜27日には伊勢志摩サミットが行われる。16年決戦は15年を引き継ぎ、そのすべてを超える大決戦となる。安倍打倒の空前の闘いの爆発は不可避だ。この激戦の中でこそ、新しい労働者階級の党の建設へ、何よりも首都東京の労働運動の拠点建設をめざし闘いぬこう。この中心に学生運動がすわり、全学連のキャンパスでの戦争阻止の大ストライキを爆発させよう。
 大恐慌の爆発と世界戦争情勢の超切迫は、党と労働組合の不屈の決起で1千万労働者と必ず結びつくことを可能とする。だからこそ日共スターリン主義を先頭とする体制内勢力の敵対を打ち砕き、闘う労働者党の建設へ、機関紙改革と印刷所建設をやりぬくために、冬期大カンパ闘争への総決起を心より訴えます。

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