12・16韓国 日韓国際連帯で安倍・パククネ倒せ 金属労組15万がゼネスト 労働改悪阻止へ波状闘争方針

週刊『前進』06頁(2711号02面01)(2015/12/21)


12・16韓国 日韓国際連帯で安倍・パククネ倒せ
 金属労組15万がゼネスト
 労働改悪阻止へ波状闘争方針

(写真 「労働改悪阻止! 2千万労働者の生存を守るゼネスト!」を掲げデモ行進【12月16日 ソウル】)


 12月16日、民主労総(全国民主労働組合総連盟)は「労働改悪阻止! 公安弾圧粉砕!」を掲げたゼネスト闘争を貫徹した。パククネ政権の総力をあげた弾圧をはね返し、「民主労総80万組合員全員がハンサンギュンだ」と叫んで決起し、民主労総の不屈の伝統を示した。特に現代自動車、起亜自動車、韓国GMの3大自動車労組がこぞって生産ラインを完全に止めるストに突入したのを始め、金属労組15万人がゼネスト闘争に決起した。
 16日午後、ソウルを始め全国12カ所で開催されたゼネスト大会では、この日を突破口に年末から年明けにかけ、第2波・第3波のさらに強力なゼネストを組織していくことが決意された。政府与党がパククネの号令のもと、12月10日から1月8日を会期とする臨時国会で労働改悪5大法案の強行突破を狙っていることへの実力阻止宣言だ。
 ソウルの集会ではチェジョンジン首席副委員長が委員長代行として発言。この日、ハンサンギュン委員長逮捕に続いてイヨンジュ事務総長とペテソン争議室長にも逮捕状が発布される中、民主労総役員全員が登壇して拘束覚悟で闘う決意を表明した。

蔚山 現代車支部先頭に5千人が集会・デモ

 重工業地帯の蔚山(ウルサン)では16日、現代自動車をはじめとする金属労組、建設プラント労組などがストに突入し、5千人がゼネスト大会を開催した後、市役所へのデモを行った。
 民主労総には所属していない現代重工業労組も、組合員の一部をストに入れてゼネスト大会に合流し、「今日ストライキに突入した代議員が組合員を現場で徹底的に組織して、19日の第3次民衆総決起に組織的に参加することを決定した」と明らかにした。

大邱 慶北大病院など1700人が街頭に

 大邱(テグ)では民主労総大邱・慶北(キョンブク)本部のもとに1700人がゼネスト大会に結集した。
 公共運輸労組慶北大学病院労組は「解雇は殺人だ」「非正規職も人間だ」の看板を掲げ、徹底抗戦の決意を示す白装束を着て登場した。
 集会には旭硝子労組のチャホンホ委員長も登壇し、非正規職労働者の生存権をかけて闘う決意を語った。

委員長逮捕に激しい怒り

 12月10日、ハンサンギュン民主労総委員長は、曹渓寺(チョゲサ)に身を寄せてから25日目にして不当逮捕された。
 この日、委員長は民主労総のベストを着てこぶしを挙げながら、曹渓寺内の観音殿から出てきた。そして「非正規職撤廃」と書かれた鉢巻きをしめ、逮捕前の記者会見に臨み、自信と確信に満ちた堂々たる演説(別掲)を行った。その真剣さと力強さは、聞く人の心を圧倒的につかんだ。
 民主労総は今、委員長逮捕への悔しさを激しい怒りに変えて新たなゼネストに立ち上がっている。「民主労総組合員にとって今回の事態は、喪失感や敗北意識を植えつけるというより、政権に対する怒り、民主労総の誇り、闘争の決意を集める契機になった。政権が80万人のハンサンギュンをつくり出した」(事務金融連盟委員長)と言うように、闘いの火は燃え上がっている。
 民主労総は、2015年初め以来、昨年末の全組合員の初の直接選挙によって選出されたハンサンギュン執行部のもとでの1年間の闘いを通して、組織的団結を強めてきた。ハンサンギュン委員長は、「組合員が敗北主義を克服し、労働者階級のもつ力を信じ、団結するならば必ず勝利できる」と訴えて、4月、7月、9月と3波にわたるゼネストを打ち抜き、闘いを牽引(けんいん)してきた。その中で、パククネ政権の「労働改革」が労働改悪であることを全社会に暴いた。
 ゼネスト闘争を通じて、この攻撃が解雇の自由化や超低賃金・長時間労働、一生非正規職の強制など、資本の搾取を極限的に拡大し、そのすべてにおいて労働者を死に追いやるものであることが徹底的に暴露され、国論を二分する攻防として大焦点化した。
 パククネは「労働改革」推進を、「青年雇用の確保」「少子化問題解決」のためと言って、マスコミを総動員して宣伝した。労働組合が反対するのは「正規職の既得権にしがみつくもの」と罵倒し、正規と非正規の分断を狙った。青年を労働組合への不信と絶望に追いやることで、国家主義的に動員しようともたくらんだ。

戦争の危機を世界革命へ

 だがその一切は粉砕された。2013年末の鉄道労組の23日間ストが「民営化反対」の世論を生んだように、今や民主労総の闘いが「労働改悪絶対反対」の全社会的な声をつくり出している。
 そしてこの声は、「命より金」という新自由主義の破産と犯罪性の極致を示したセウォル号事件への怒りと一体化し、さらには、大資本の利害を貫くための農業・農村の破壊に対する全国農民の激しい怒りと結合した。「再開発」の名による住民追い出しと生業破壊に怒る都市の零細自営業者や貧民の声とも結びついた。
 朝鮮半島をめぐる新たな戦争切迫情勢を前にした、軍事独裁時代の美化を狙う歴史教科書国定化攻撃への広範な怒りの決起とも結合した。そしてついに、11・14第1次民衆総決起と12・5第2次民衆総決起を、闘う労働組合のもとに全人民のあらゆる怒りを総結集し、パククネ打倒の大闘争として爆発させる地平を実現した。
 これに心底から恐怖し、民主労総の組織的壊滅に政権の延命をかけて襲いかかっているのが、現在のパククネ政権の姿である。だがそれは、パククネの墓穴を掘るものに転じている。
 委員長逮捕をめぐる攻防は連日のように報道され、10日の記者会見は生中継で現場から韓国全土に流された。全国民的注目の中で、民主労総委員長自ら堂々と闘いの正当性と必要性を訴え、逆に弾圧の不正義性を浮き彫りにした。
 労働者が日々殺されている今日の労働現場の過酷な現実と、それをさらに拡大強化しようとするパククネ政権への怒り、そしてこの転倒した資本主義社会を、財閥が支配する腐りきった世の中を本当に変えようという訴えが、全階級・全人民の心をとらえている。ハンサンギュン委員長の逮捕自体が、全人民を巻き込む壮大な階級闘争の爆発の契機になりつつある。
 10日午後の緊急抗議集会で、全国農民会総連盟のキムヨンホ議長は「私たち農民は死ぬまで民主労総とともに闘う。なぜなら民主労総の行く道が、私たち農民、都市貧民、大韓民国5千万国民がともに行かなければならない道であるからだ」と宣言した。公共運輸労組の代表は「今日、委員長にかけられた手錠をパククネ政権と財閥にかける手錠にしよう!」と叫んだ。闘いのやいばはさらに研ぎ澄まされた。

軍事独裁時代以来の「騒擾罪」の適用狙う

 焦ったパククネ政権は今後、11・14闘争への「騒擾(そうじょう)罪」適用も検討するとしている。騒擾罪が発動されたのは、日韓条約締結に反対して闘われた1964年の6・3抗争、1979年の釜山・馬山(マサン)抗争と80年の光州蜂起、87年民主化への引き金となった86年仁川抗争など、朴正煕(パクチョンヒ)や全斗煥(チョンドファン)による軍事独裁の時代だ。
 パククネ政権によるその30年ぶりの適用策動は、「独裁への回帰」と批判される現政権の本質を示すとともに、かつての朴正煕や全斗煥同様、パククネ自身が労働者階級人民によって打倒される危機に直面していることを示している。
 大恐慌下、新たな世界戦争の導火線に火がつく情勢に入った中で、民主労総のこの闘いはこれと真っ向から対決し、戦争の危機をプロレタリア世界革命に転化していく突破口を開くものだ。パククネはもとより全世界の支配階級、帝国主義とスターリン主義がこれに震え上がっている。だからこそ米帝と日帝は、東アジアにおける革命の圧殺をかけて、朝鮮侵略戦争策動に突進している。
 日本の労働者階級と学生は民主労総ゼネストと固く連帯し、朝鮮侵略戦争阻止、日帝・安倍打倒へ総決起し、勝利の2016年へ突き進もう。

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