三里塚50年の力で戦争阻む 農地死守・上告審勝利へ 第3滑走路粉砕誓い新年デモ

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週刊『前進』04頁(2715号04面01)(2016/01/18)


三里塚50年の力で戦争阻む
 農地死守・上告審勝利へ 第3滑走路粉砕誓い新年デモ

(写真 三里塚反対同盟の団結旗開きが135人の参加で盛大に開催。「農地死守・第3滑走路粉砕」の決意も新たに市東さんの音頭で乾杯【1月10日 成田市】)

(写真 東峰神社のしめ縄を付け替え三里塚50年の闘魂を示す反対同盟【10日 成田市東峰】)


 1月10日、三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する新年の三里塚現地デモ(1面に写真)と団結旗開きが行われた。闘争50年の歴史を刻む三里塚は、労農学人民の最先頭で安倍政権の戦争政策と対決する闘志に燃えて、意気高く2016年の激闘の幕を切って落とした。

 快晴の青空のもと、午前10時、反対同盟は東峰神社に集合し毎年恒例のしめ縄の付け替えを行った。この神社は成田空港の暫定B'滑走路の南延伸に立ちはだかる反対闘争の拠点だ。作業中も頭上40㍍をジェット旅客機がすさまじい騒音をまき散らして何度も通過する。作業を終えた反対同盟が決意と自信に満ちた表情で鳥居前に並ぶと、参加者のカメラのシャッター音が続いた。
 いよいよ新年初の敷地内デモへ。天神峰の市東孝雄さん宅南の東峰開拓組合道路に全国から115人が続々と駆けつけ、互いに新年のあいさつを交わす。
 10時30分、司会の伊藤信晴さんが、「三里塚闘争はついに50周年を迎えた。市東さんの農地死守、第3滑走路粉砕へ2016年を闘おう!」と第一声を上げた。太郎良(たろうら)陽一さんが反対同盟の「2016年闘争宣言」を力強く読み上げた(別掲)。沖縄・辺野古闘争と連帯し、農地死守・第3滑走路粉砕を呼びかけ「安倍政権打倒!」を真正面から訴える宣言に、参加者全員が熱い拍手で応えた。
 連帯のあいさつとして、動労千葉の繁沢敬一副委員長が、反対同盟50年の闘いに敬意を表しながら「JR外注化攻撃との闘いはこれからだ」と決意を述べた。発足から10年の「市東さんの農地取り上げに反対する会」、さらに反対同盟顧問弁護団に続き、全学連の坂野陽平書記長が朝鮮侵略情勢下での農地強奪攻撃と実力で闘う決意を表明した。
 意気高くシュプレヒコールを上げて、デモに出発。大量動員された機動隊、私服警官の弾圧策動をはね返し、反対同盟を先頭にデモ隊は勢いよく旧小見川県道に飛び出した。宣伝カーからは婦人行動隊・宮本麻子さんが、農地強奪を阻止し、騒音地獄と地域破壊の第3滑走路計画を許さぬ反対同盟の呼びかけを、周辺住民に向けて発し続けた。参加者は全員が「農地死守」の気概に燃え、南台の市東さんの畑までのデモをやりぬいた。

〝反動判決許さぬ〟市東さん決意示す 団結旗開きが盛大に

 午後からは市内のレストランで団結旗開きが開かれ、135人が参加した。前半の司会を宮本さんが務めた。闘争宣言の読み上げに続き、療養中の北原鉱治事務局長のメッセージを市東孝雄さんが読み上げた。「三里塚闘争は50周年を迎えました。安倍政権の戦争へののめりこみを許さない。皆さんの絶大なご支援をお願いします」
 続いて市東さんがあいさつした。「戦争反対、軍事空港反対を掲げて50年闘ってきた反対同盟が、今真価を発揮する時です。農地法裁判では最高裁に変な判決を出させないために、力の限り闘います」
 市東さんが音頭を取って盛大に乾杯。
 連帯のあいさつの最初に動労千葉の田中康宏委員長が立った。世界に誇る反対同盟との労農連帯の地平を確認し、「9月国会で派遣法の大改悪が行われた。労働者をすべて非正規に突き落とし、資本家が生き残るための攻撃だが、危機に立っているのは敵の側だ。この1年間で3けたの組織拡大を必ず実現し、動労総連合を階級的な産別労組としてつくり上げる」と宣言した。
 関西実行委に続き、反対同盟顧問弁護団があいさつした。葉山岳夫弁護士は、農地法裁判一審判決を下した千葉地裁裁判長の多見谷寿郎、同じく控訴審判決を起案した東京高裁の定塚誠が、沖縄・辺野古の代執行裁判でそれぞれ裁判長と国の代理人となって現れたことを「八百長裁判」と厳しく断じ、「耕す者に権利あり」を最高裁に認めさせ上告審闘争で勝利することを誓った。
 市東さんの農地取り上げに反対する会、さらに群馬、茨城の市東さんの農地を守る会が市東さんとともに並び、決意を表明した。群馬からは群馬合同労組中央タクシー分会の闘いが紹介され、茨城は小竹運輸グループ労組の野澤英人副執行委員長が発言した。
 婦人行動隊・木内敦子さんが後半の司会を務めた。「支援団体も闘争初期から約50年をともに闘ってきた」との木内さんの紹介で、最初に革命的共産主義者同盟・鎌田雅志同志が発言に立った。「3・27全国集会から7・3三里塚50周年集会への過程は、5月伊勢志摩サミット戒厳体制と激突し、7月参院選決戦を通して日帝・安倍を打倒する決戦だ」として、動労総連合建設、7月選挙勝利の決意を表した。
 さらにライフサイクル阻止の1・4ストを闘った動労水戸の辻川慎一副委員長、星野全国再審連絡会議の星野暁子さん、全国水平同盟の狩野正幸執行委員、婦人民主クラブ全国協の三浦正子代表、都政を革新する会の長谷川英憲さん、全国農民会議の小川浩共同代表など諸団体の発言が続いた。小川さんは「安倍政権の〝農政改革〟は日本農業を壊滅に導く」と弾劾し、三里塚に続く日本農民の総決起をつくり出す決意を表した。
 全学連の斎藤郁真委員長は、「全学連は大学からストで情勢を変える闘いに挑戦する。衆参ダブル選挙になれば、私が衆院選候補として立つ。2016年、革命を起こそう!」と力強くアピールし会場の熱気を高めた。
 最後に反対同盟を代表して事務局の萩原富夫さんがまとめの発言をした。「反対同盟は、空港24時間化、農地取り上げ、第3滑走路計画と真っ向から対決する。沖縄・辺野古の闘いと連帯し、戦争政治の安倍を打倒する。全国の農民に農地を武器に立ち上がることを呼びかける。5万人署名を推進し、裁判闘争を闘い、市東さんの農地を守りぬこう」と熱く呼びかけ、会場は大きな拍手で満たされた。
 伊藤信晴さんのリードで団結ガンバローを三唱し、闘志あふれる旗開きは締めくくられた。

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2016年闘争宣言

 2016年、反対同盟は安倍政権打倒へ総決起することを宣言する。三里塚闘争50周年を迎えるこの2016年は、間違いなく歴史的な一年になる。
 何よりも市東孝雄さんの農地を死守する決戦の年だ。からだを張って闘い抜いた三里塚闘争50年の真価をかけて闘いに立つ。最高裁5万人署名は、動労千葉、関西生コンをはじめとした労働組合や市民団体の協力によって1万人を突破し、賛同署名も442筆に達した。続々と賛同と署名の輪が広がっている。
 最高裁の反動判決を許さない支援陣形をさらに強化・拡大しなければならない。市東さん支援の輪を全国に広げよう。農地を実力で守る人の石垣を作ろう。
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 安倍政権打倒へ、激突が激しさを増す沖縄・辺野古のたたかいに連帯してたたかおう。安倍政権の意を受けた最高裁は、辺野古代執行訴訟に対して市東さんの農地取り上げ判決を強行した元千葉地裁裁判官の多見谷寿郎を送り込んだ。同じく法務省は、農地法裁判控訴審で判決を書いた定塚誠裁判官を国の訴訟代理人に指名した。
 これほど露骨な政治的人事があるだろうか。しかし、裏を返せば三里塚裁判で実績のある裁判官でなければ、沖縄圧殺・辺野古新基地建設は貫徹できないということだ。三里塚と沖縄が一体だと国家権力が証明しているのだ。連日のキャンプシュワーブ・ゲート前座り込み、海上抗議闘争に連帯し、市東さんの農地死守・第3滑走路建設阻止へ全力で決起しよう!
    ◇
 第3滑走路計画の具体案が明らかになる中、予定地に入った住民の怒りと一体となってたたかおう。50年前と変わらない住民無視、農地破壊、環境破壊の空港建設を誰が歓迎するというのか。Bラン1000㍍延長と24時間空港化による深刻な騒音被害とあいまって、芝山町には人が住めなくなり廃村化が進むことは間違いない。
 正義は我にあり。「農地は命」「この地で農業を続ける」という市東さんに続く新たな農民決起を、周辺住民とともに生み出し、軍事転用のための第3滑走路計画を絶対に粉砕しよう。
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 戦争と改憲、弱者切り捨て、TPP推進の安倍政治を一刻も早く止めなければならない。安倍打倒が市東さんの農地を守る道だ。国会闘争、辺野古新基地阻止、反原発、そして三里塚で、力強い大衆運動を作り出し、団結して安倍打倒へ総決起しよう! 3・27全国総決起集会へ結集しよう! 7・3三里塚50周年の集いの歴史的成功を勝ち取ろう!
2016年1月10日
三里塚芝山連合空港反対同盟

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三里塚裁判日程

新やぐら裁判
1月25日(月)午前10時30分開廷 千葉地裁
(傍聴券抽選のため30分前に集合)

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