知る・考える 用語解説 大恐慌とブロック化-世界経済の統一性が崩壊へ

週刊『前進』02頁(2720号02面06)(2016/02/04)


知る・考える 用語解説
 大恐慌とブロック化-世界経済の統一性が崩壊へ


 大恐慌のもとで過剰資本・過剰生産力にあえぐ帝国主義は、関税障壁や輸入制限、為替引き下げなどの保護貿易措置によって、おのおのの市場、資源、勢力圏を確保しようとする。世界市場を前提として成り立つ世界経済の統一性は崩壊し、経済の分裂、収縮が激甚なものとなる。ブロック化とはこうした保護貿易措置を、自国のみならず自己の勢力圏、植民地、従属国にまで拡大し、排他的に囲い込むこと。ブロック化によって世界経済の分裂は完全なものとなり、大恐慌は全面的本格的に激化する。
 帝国主義各国は生き残りをかけてブロック相互のつぶし合い、市場、資源、勢力圏の分捕り合いをエスカレートさせる。それは侵略戦争として展開され、帝国主義世界戦争に至る。
 経済ブロックは1930年代の大不況期と第2次世界大戦中に典型的に現れた。1932年、英帝国経済ブロックの形成が発端となった。経済ブロックの内実は、帝国主義によるブロック内の植民地・従属国からの収奪・略奪であった。
 今日、世界大恐慌下で各帝国主義と大国(中国・ロシア)が再び世界経済の分裂・ブロック化に突き進み、相互に促進しあっている。TPP(環太平洋経済連携協定)は、没落・衰退する米帝が主導する対中国のブロック形成であり、世界戦争の危機を促進している。階級的労働運動と国際連帯で帝国主義を打倒し、プロレタリア革命によって今度こそ世界戦争を阻止しなければならない。
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