3・1ビキニデー集会へ 労働者の力で核戦争阻止を 内部被曝から命を守りぬこう

週刊『前進』04頁(2721号04面01)(2016/02/08)


3・1ビキニデー集会へ
 労働者の力で核戦争阻止を
 内部被曝から命を守りぬこう

(写真 1954年3月1日、ビキニ環礁で行われた米帝の水爆実験)


 ビキニ水爆実験・被爆から62年。核戦争の危機が強まり、内部被曝をめぐる福島の攻防が激化する中、ビキニデー闘争はますます重要になっている。3・1集会に総結集しよう。

世界革命に大挑戦する激動の時代が始まった

 本年は「激動の時代」の幕開けとなりました。朝鮮半島をめぐる米日韓の核戦争の重圧、サウジアラビアとイランの国交断絶に象徴される中東での戦争情勢の激化、原油安に直撃されてシリア空爆に踏み切ったロシア。世界戦争の導火線に火がついています。「崩壊」と言える世界の金融市場。アメリカ帝国主義の没落・衰退を始め帝国主義・大国による世界支配の瓦解(がかい)が明らかです。
 それは世界中の労働者民衆にとって、資本主義体制のどん詰まりを示す革命の時代です。韓国・民主労総は、「労働改悪阻止・政府指針粉砕―パククネ政権打倒」を掲げ、1月25日から無期限ストに突入しています。昨年11月の「イスラム国」による襲撃事件を受けた非常事態宣言下のフランスでも、交通・医療労働者のストライキが闘われています。世界中で労働者のストライキが爆発しています。
 昨年7〜9月、安保法制に反対し国会周辺を埋めた日本の労働者民衆の闘いもまた、世界の労働者階級の闘いと一体のものです。革共同が1・1アピールで打ち出した「世界革命への大挑戦」が、具体的実践をもって問われる時代です。3・1ビキニデー集会を「世界革命への大挑戦」の道筋の中にしっかり位置づけて大結集しましょう。

「ビキニ事件」の衝撃が原爆への怒り解き放つ

 3・1ビキニデー集会を、核戦争を絶対に阻止し、福島第一原発事故による内部被曝から命を守る集会としてかちとりましょう。
 日本の労働者人民にとって、核戦争の危機は絶対に看過できません。米帝は東アジアで軍事的重圧をかけ続けてきましたが、1月の北朝鮮の核実験を機に、戦術核を搭載できるB52を派兵しました。さらには原子力空母「ロナルド・レーガン」と「ジョン・C・ステニス」の空母2隻体制にし、核攻撃を含む大々的な侵略戦争の態勢に入りつつあります。これに日帝・安倍も韓国パククネ政権も加わり、米日韓による核戦争の危機が日に日に深刻化しています。
 これを阻止するのは、何よりも日韓労働者の国際連帯の闘いです。その意味で、あらためてビキニ事件はヒロシマ・ナガサキと一体であり、反戦反核の思想と運動の原点であることを確認しなければなりません。
 1954年3月1日、南太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁で強行された米帝の水爆実験は、マーシャル諸島の住民や第五福竜丸を始め日本のマグロ漁船(1千隻におよぶ!)乗組員に、甚大な放射能被爆をもたらしました。さらに漁獲されたマグロから高線量の放射線が計測され、大量のマグロが廃棄されました。
 この「食卓の危機」と魚商などの生活苦を基盤にして、杉並などを発信地として原水爆実験禁止署名運動が始まりました。あらゆる階層の民衆をひきつけ、6月までに杉並区で26万筆(全区民の67%)、全国で3200万筆の署名が集まりました。日本の労働者人民の原爆への怒りが一気に爆発したのです。
 この過程で、GHQによるプレスコードやさまざまな差別・排除によって沈黙を強いられてきたヒロシマ・ナガサキの被爆者が、自らの被爆体験や原爆への怒りを語り始めました。こうした意味でもビキニとヒロシマ・ナガサキは一体です。
 ビキニ事件はまた、内部被曝の脅威をクローズアップしました。しかし日米政府による政治決着(第五福竜丸乗組員への見舞金を始めとする200万㌦の支払い)によって、内部被曝問題は隠蔽(いんぺい)され放置されました。それから60年をへて、福島5年の現実は、子どもの甲状腺がんが2巡目の検査で新たに39人(総計153人)が確認されているにもかかわらず、「原発事故の影響とは考えにくい」と政府や福島県は強弁しています。またも内部被曝の現実は隠蔽されようとしています。3・1ビキニデーを闘う意味は、この許しがたい現実を弾劾し福島の怒りをともにする闘いです。3・1集会に結集し「ふくしま共同診療所」の布施幸彦医師の訴えを全人民のもとに届けよう。

「核の平和利用」打破し核武装狙う安倍打倒を

 ビキニ事件への怒りは、世界的な署名運動の盛り上がりの中で、1955年8月6日の原水爆禁止世界大会開催にまで至ります。しかし、米日帝国主義によって仕掛けられた「核の平和利用」キャンペーンに社共、とりわけ日本共産党スターリン主義が屈服し、反革命の本性をむき出しにしてソ連の核実験支持を押しつけ、原水禁運動に分裂と混迷をもたらしていきます。労働者人民の核への怒りがねじ曲げられていったのです。
 「核の平和利用」はその後、全国に50基を超える原発をつくりだして福島原発事故を発生させ、さらには核燃サイクルへの突進となって現われています。たび重なる事故とデータ隠しによって、運転再開のめどさえ立たないまま毎年200億円の維持費を消失させている高速増殖炉「もんじゅ」。しかし、高浜原発3号機の再稼働を強行した安倍政権は、「もんじゅ」の廃炉どころか、高速実験炉「常陽」の再稼働を申請しようとしています。すでに50㌧近いプルトニウムを保有している上に、核武装へと、さらなるプルトニウム抽出のための核燃サイクルを死守しようとしています。絶対に許せません。
 3・1ビキニデーを闘う意義は、ビキニ事件を出発点とする原水禁運動が内包していた限界を、階級的労働運動の圧倒的前進と労働者の国際連帯によって打破することにあります。私たちには、被曝労働拒否を闘う動労水戸、そして外注化阻止・非正規職撤廃の闘いで労働者の国際連帯を切り開いてきた動労千葉の存在があります。国鉄闘争の神髄をわがものとして、あらゆる産別・職場・地域・キャンパスで闘っていきましょう! 福島の怒りをともにして3・1集会から3・11反原発福島行動へ!(元杉並区議会議員・北島邦彦)

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原発なくせ!戦争やめろ! 東京集会
 3月1日(火)午後7時
 杉並区勤労福祉会館ホール  (杉並区桃井4―3―2)
 講演 ふくしま共同診療所院長 布施幸彦医師
 主催 すべての原発いますぐなくそう!全国会議(NAZEN)

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